昭和のガメラ対バルゴン&ギャオスは強欲を戒める隠れテーマが

 今年も正月休み恒例の深夜怪獣映画DVD鑑賞をしたのだが、今
回は昭和ガメラシリーズのガメラ対バルゴン&ギャオスを元日と
2

日の深夜に見たのだった。

 70年前後は大晦日から正月にかけて怪獣映画がOAされていた
のに因んでの怪獣映画鑑賞は、昨年が昭和メカゴジラ2部作と宇宙
大怪獣ドゴラだったので今年は昭和ガメラに。

 とはいえバイラス以降になるとモロ子供向けになるので子供が全
く出て来ないバルゴンと、昭和シリーズ最高傑作と思っているギャ
オスを見たわけで共に単なる怪獣対決モノだけでなく大映作品特有
の雰囲気を持っていたからだ。

 この2本のテーマは‘人間のエゴと強欲の報い’で羅生門や釈迦など、
こういったテーマを得意とした文芸作品が得意だった‘いかにも大映’
という雰囲気だ。

 バルゴンは太平洋戦争中にニューギニアの洞窟で平田一郎が発見
し隠していたオパールを自らは足を負傷していた事で行けないので、
弟の圭介ら3人を派遣し首尾よくオパールを発見するものの1人が毒
サソリに刺されて死んだため小野寺が裏切って独り占めするために
洞窟を爆破し圭介を生き埋めにしようとする。

 しかしジャングル探検中に小野寺は底なし沼に嵌った事から水虫
を患い治療用の赤外線がオパールに当たり、それがバルゴンの卵だ
ったという事。

 探索中は協力していた3人がオパールを見つけた途端に小野寺が裏
切っただけでなく、迎えに来た一郎夫婦まで小野寺が殺害するが最後
はバルゴンに食われるという欲を出したばかりに不幸になるという
典型的な教訓話。

 ギャオスも元をただせば中央自動車道建設予定地を地元の村民達
が立ち退き料を吊り上げるため過剰な反対運動をするのだが、中心
人物の金丸村長の裏山の洞窟からギャオスが出現し生業の家畜が食
われるなど深刻な被害を出しただけでなく最後はギャオスを倒せな
いなら高速道路のルートが変更になるなど踏んだり蹴ったりの状態
になる。

 コチラの方は村長が改心し森林資源2億円にもなる自分の裏山を
燃やす山火事作戦でガメラがやって来て、ギャオスを倒すといった
展開で救いはある。

 それにしても強欲を戒める両作には悪人の存在が不可欠でバルゴ
ンでの小野寺を演じた藤山浩二や金丸村長を演じた上田吉二郎らの
存在感は素晴らしく、主役は共に本郷功次郎だが彼ら抜きではこれ
らの作品は成立しなかったと言っていいと思うのだ。

 

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