団結力の勝利=日本バレー復活へ一歩―バレーボール〔五輪・ハイライト〕 コラム?-?goo ロンドン五輪特集
いよいよ明日で閉会式を迎えるのだが閉会式前日はボールゲームのファイ
ナルなどが目白押し。
日本からみでは女子バレーの3位決定戦やディーン元気が登場する陸上の
やり投げ&400mリレーに北京で銅メダルを獲得したレスリング・フリースタ
イルの湯元健一、そして村田諒太が進出したボクシングのミドル級のファイ
ナルが注目だ。
女子バレーは5月のアジア最終予選で敗れた韓国との3位決定戦。
サーブで崩す戦法で第1セットは4連続、第2セットは5連続得点で流れを
掴むと共に前日までの先発だった江畑に代えて先発起用した迫田が得意の
バックアタックを含めて23点を挙げる大当たりし第1セットを25-23で取る
と第2セットもセットポイントからデュースに持ち込まれながら26-24で連取。
第3セットも一旦リードを許したが25-21で取り28年ぶりの銅メダルを
獲得した。
思えば28年前は金メダルを目標にグループリーグを1位通過しながら
Sファイナルで郎平率いる中国の強打に屈して臨んだ3位決定戦で1セット目を
ペルー相手に失いながら3セットを連取して獲得した銅メダルだった。
当然のように‘嬉しい’ではなく‘悔しい’銅メダルだったのだが88年にペルー
とのSファイナルで残り3点が奪えずに敗れて3位決定戦でも中国から完敗
してメダルを失ってから銅メダルどころかベスト4にすら入れない状態になって
しまった。
一旦弱体化すると急坂を転げ落ちるように負の連鎖に嵌っている状況だった
ので28年前は‘負けの象徴’に過ぎなかった銅メダルが、今回は‘勝利の
象徴’になったのだ。
とはいえ楽なパートに入った予選リーグでロシアとイタリアに、Sファイナル
でもブラジルから完敗しており3位決定戦の相手がQファイナルでイタリアに
勝った韓国だったという幸運もある。
とはいえ幸運は努力した者に微笑むというのも事実で、これまで最も相性が
悪かった中国に勝ったのは最大の収穫だからロシアやイタリアにブラジルに
勝つのはリオまでの‘宿題’という事にして今は28年ぶりの銅メダルを素直に
喜びたい。
レスリングの60㌔級は北京に続く連続メダルを目指す湯元健一が登場。
初戦でキューバのボネに1Pで先行されながらニアフォールに持ち込んで
逆転すると2P目には2発のタックルで取り初戦を突破したのだが、Qファイ
ナルでアゼルバイジャンのアスガロフから1Pを失った後に2P目も追い付き
ながら大技のポイントで判定負け。
ちなみにアスガロフは金を取ったので敗者復活戦に進めたのだが、初戦で
勝って3位決定戦に進んだものの逆転負けして2大会連続のメダルを逃した。
陸上はディーン元気が2投目に79m台を投げたがベスト8に入れず10位に
終わる。
もっとも室伏も最初はベスト8に残れずに9位だったのでリオ以降に期待
したい。
予選4位で連続メダルが期待された男子400mリレーは3走の高平までは
3位争いのトップだったがアンカーでかわされて6着でゴール、カナダが失格
して5位になったが前回のメンバーで残っているのは高平のみだから健闘と
言えるだろう。
ただ3位のトリニダードトバゴが38,12だから予選のタイム38,07を出せば
前回に続いての銅メダルだったわけだから惜しいとはいえるが、予選の好
タイムをプレッシャーのかかるファイナルで出すのも実力の1つだから4年
後に期待したい。
レースはジャマイカが36,84の世界新記録で金。
そして男子ボクシングでは村田諒太がファイナルでブラジルのエスキバ・
ファルカンと対戦。
世界選手権では勝った相手だが1Rにファルカンは接近戦を挑んできた
ところに得意の打ち合いで5-3でリードを奪うが、2Rからファルカンが足を
使って出入りの激しいスタイルに切り替え手間取り9-8と1ポイント差に
詰められる。
迎えた3Rにファルカンはワンツーで村田を攻め込むもののボディブローを
受けて執拗なホールディングの繰り返しで減点され、残り10秒に村田の右
ストレートがクリーンヒットして決定的なポイントを奪って14-13の判定勝ち
で64東京五輪の桜井孝雄以来48年ぶりの金メダル獲得となった。