敵を倒した後の大ピンチ

　今から50年前の今頃にOAされていた仮面ライダーV3では、以前
も記したようにデストロン最初の大幹部ドクトルGが登場してガマ
ボイラー編でV３を追い詰める。

　面白いのがガマボイラーは一生に1度しか使えない武器を持って
おり‘オレと戦ってＶ３は勝つ。だが、その瞬間からライダーＶ３
には死が訪れる’と語り実際ガマボイラーはV3に組み付いて体液を
浴びせ力尽きて爆死するものの、直後に登場したドクトルGとの戦
いでは例の体液を浴びたおかげでエネルギーが徐々に失われてい
くという展開。

　通常ならヒーローが敵を倒すと物語が終わるのだが、倒した後に
ヒーローが追い詰められるというのは個人的に円谷作品では2例見
た事があった。

　最初は帰ってきたウルトラマンのプルーマ編で子どもに化けた
ぜラン星人がテレパシーで‘プルーマを倒した時がオマエの最期’と
挑発し、実際プルーマにはスペシウム光線が効かないためウルト
ラブレスレットで倒すのだがブレスレットをコントロールされ大
ピンチに陥る。

　結果的に星人がブレスレットを磁力発生装置で遠隔操縦してい
たところを伊吹隊長が射殺して事なきを得るのだが、こういった
展開は初めてだっただけに驚いたもの。

　続いてミラーマンのキティファイヤー2編でキティファイヤー
をスライサーVで倒すも口から出す断末魔の泡で、変身を解くた
めの鏡に付着し鏡の中に閉じ込められてしまう。

　ミラーマンは鏡の中に長時間滞在する事は死を意味するわけで
最初の大ピンチに陥るのだが、父の形見のペンダントを使って脱
出し助かるという流れ。

　帰ってきたウルトラマンは市川森一、ミラーマンは山浦弘靖で
今回のV3は伊上勝と違うライターが執筆しているが最初は市川森
一作品なので氏のアイデアなのだろう。

　そういえば太陽にほえろのマカロニ刑事殉職編で事件を解決し
た後に通り魔に刺殺されるというのは、このパターンの大人向け
ではないかと思ったりする。