亀海喜寛8回TKO勝ち 米国で存在アピール
9月11日に日本で見る事のできる海外でのボクシングの世界戦
3試合と亀海喜寛のノンタイトル戦の4試合が行なわれた。
日本時間の11日早朝にモスクワで行われたIBF:Sライト級タイ
トルマッチでは3位の小原佳太が王者エドワルド・トロヤノフスキ
ーに挑戦したものの2Rにリング外に叩き出される衝撃的なダウンを
喫した末にTKO負けしたのに対し、ロサンゼルスで行なわれたSウエ
ルター級10回戦で元OPBFウエルター級王者:亀海喜善がヘスス・
ソト・カラスに8R終了KO勝ちし明暗を分ける形になった。
この2試合を見て感じるのは海外経験の有無である。
小原は日本タイトルとOPBFタイトルを獲得した後にアメリカで
挑戦者決定戦に出場して挑戦権を手に入れるという、真っ当なプロ
セスを踏んで世界挑戦にこぎつけていただけにモスクワでの完敗は
大いに残念だ。
ただトロヤノフスキーのような選手との対戦がなかったわけで、
王者のスタイルに戸惑った感も強く何とも もったいない話である。
一方の亀海にとって今回のソト・カラス戦はアメリカで9戦目で
過去8試合は4勝2敗2分と決して一気に世界を狙える成績では
ないものの、しっかりとアメリカでのキャリアを積み上げている
のでソト・カラス戦でも4月の1戦目の引き分けが生きていたと
思う。
最近のボクシング界では60㌔台のライト級以上になると海外の
強豪が来日するというのは難しくなっており、強豪選手と対戦する
には海外で戦うしかなくなっているのが現状だ。
しかも東洋では世界のトップとはレベルがかけ離れている状況な
ので、それを考慮すればOPBFタイトルを獲得したからといって即
世界挑戦が決まるわけではないから海外で世界の強豪と対戦する
のは必要不可欠になっている。
それを考えると亀海のようにOPBFタイトルを取った後にアメリ
カに渡って海外の強豪とグローブを交える必要があるし、そういった
‘免疫’なくして世界戦で自らの力を100%以上出し切るのは難しい
のではないか。
小原も世界を取りたいのなら まだ若いので噛ませ犬のような相手
との試合を国内で重ねるのではなく、アメリカなどに乗り込んで腕を
磨く必要があるだろう。