【サイコパスとは?】
http://www.psy-nd.info/
一般の人が持っているような
良心や罪悪感、共感や恥の感覚をまったく持たない
先天的な脳の異常器質であり、
昔は このようなタイプの人が選ばれ
いわゆる「殺し屋」として雇われたとされています。
現在は研究が進み、
「サイコパス」が10数人の中に1人存在している事、
通常の人と「サイコパス」では 前頭葉に大きな違いが見られる事などが
指摘されています。
わたくしが身近で観察した「サイコパス」は
他人の物を盗んだり 大嘘をついたりする事、
相手の心を踏みにじったり、
他者や他の生命に痛みを与える事や
性的に病的に乱れた事を行う事に 何らの恥じらいや抵抗がなく、
それを責められれば
逆に自分を悲劇のヒーローやヒロインであるとして振る舞う、
またストーカーなどの異常行為に走るのも
「サイコパス」が割合的に圧倒的に多いようです。
現在 アメリカなどで 「サイコパス」に対する投薬治療などの
実験が行われているそうですが、今まで効果や改善は見られず、
「相手がサイコパスであると判ったら 可能な限り相手と距離を置く」
以外に 打つ手はないとされています。
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「サイコパス」についての認知や研究が飛躍的に進んだのは
10数年前ぐらいからのようですが、
昔今の漫画(家)を 「サイコパス」という視点で見直す時、
興味深い観察が得られます。
漫画家本人が「サイコパス」である場合、漫画の中でしばしば
例え照れ隠しのシチュエーションであるにせよ、
登場人物が 恋する異性に対して 普通の人ではあり得ないような暴言を吐いたり、
「サイコパス」らしいキャラが登場する時、
悪役ではなく 悲劇のヒロインのように描かれたりして、
「サイコパスによる 普通ではまったく理解出来ない感覚」というものが伺えたりします。
以下の短編漫画からも 「サイコパスの感覚」というものが非常によく伺われて
興味深く思われましたので 抄掲させて頂きます。
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ある高校で 森川君という生徒が 金魚を持ってきて、
クラスで飼育する事になり 森川君と生徒達は金魚を可愛がって育てていました。
森川君と同じクラスの奈緒は 森川君に密かに恋心を抱いています。
森川君は女生徒達から人気で 奈緒は
他のクラスの女生徒から 森川君にラブレターを渡すように頼まれ、
断れずに引き受ける自分が嫌になります。
(他人に自分のラブレターを渡してもらうというのも よくわかりませんが)
そして 金魚の水槽を一人で眺めながら、
本音を語る 「もう一人の自分」と対面します。
(ドッペルゲンガーと表現されていますが 本来の意味とは異なります)
ここまでは 特に「サイコパス」らしい目だった特徴は伺えないのですが、
ここから一気に 「サイコパス」の表現が噴き出してきます。
「もう一人の自分」の言葉に対し怒り、思わず金魚の水槽を落として破壊します。
しかし 普通の人は 激昂したとしても
金魚の水槽があると判っている場所で まずここまでしません。
そして 金魚と水槽の水が床に流れ出てしまいますが、
奈緒は 教室の外からの呼び声を聞き、
この現場を見つけられたと感じて 逃げ出してしまいます。
そして帰宅してから 「水槽を落として 金魚を殺してしまった事で、
自分が森川君に嫌われてしまう、だから明日 謝ろう」と考えます。
普通の人であれば、まず「金魚を見殺しにする事」があり得ないですし、
そして 「森川君に嫌われるかどうか」よりも先に、
「自分が水槽を落とした挙句
金魚を見殺しにして逃げ 金魚にかわいそうな事をしてしまった
森川君も悲しむだろう、
その上 自分は 水槽と金魚の後始末を他人に押し付けた」
という事に対しての罪悪感が大きく芽生えるはずなのですが、
そのような表現が一切出て来ません。
また 「謝りたい」という動機も、
金魚を見殺しにした反省や良心の呵責からではなく、
「森川君に嫌われたくない、自分への好意を繋ぎ止めたいから」
という動機に拠るものであり、
もし 森川君に対して恋愛感情を持っていなければ、
見殺しにした金魚の事など 何も気にせず、
「犯人が自分であるとバレたかどうか」を心配するだけであったと
思われます。
そして 翌朝登校し、
「もう一人の自分」と 水槽を破壊した事が すべて自分の幻影であった事が判り、
「もう一人の自分を叩き割って破壊した事で、
これから 本当の自分を森川君の前で表すことができる」という
ハッピーエンドになっているのですが、
「サイコパス」の思考回路というものが よく表された漫画です。