写真は、西洋魔術で用いられる「西旗」と、「タットワ・カード」の
一部です。
こちらのカードは、「高等魔術実践マニュアル」に付属していたもので、
今回の儀式で使用するものは、背景色が異なっています。
今回は、90年代に誌上で紹介された、これらを使用して高次元に
参入する儀式の手順を抄掲させて頂きますが、この方法は、
ある程度「アストラル・トリップ(幽体離脱)」や「パス・ワーキング」に
慣れた人が行う方法であるようです。
既に出来上がったもの、既製品がある場合は、道具作成の手順は
飛ばしていいのですが、持ち合わせていない場合は、まず作成から
始まります。
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用意するものは、6枚の正方形の厚紙と彩色道具、定規など。
「タットワ・シンボル」は、下図を参考にして、厚紙に図形を描き、それぞれの
色に彩色する。
色彩は出来るだけ、均一に塗ること。
絵の具よりも、色紙などを貼り付けた方が、効果的である。
注意すべき事は、「タットワ・シンボル」は、図形そのものの色とバックの
色彩が、補色になっている事である。
厚紙の大きさは自由だが、1辺10センチ程度が使い易いだろう。
また「西旗」の大きさは、1辺20~30センチが適切である。
簡単に作りたい場合は、正方形の紙に、この図を描くだけでも良いが、
技術とやる気のある人は、布を用いて、実際の旗らしく製作してみると良い。
魔術道具は、その製作に労力を割けば割くほど、愛着と効力が増すもの
である。
さて、「タットワ」とは、もともと古代インドに端を発する哲学的観念で、神智学
協会を経て、英国の魔術結社「ゴールデン・ドーン」に取り入れられたもの
である。
この世を構成する4つの元素、すなわち火(テジャス)、風(ヴァーユ)、
水(アパス)、地(プリティヴィ)、に、第5元素である霊(アカーシャ)を加えたもので、
それぞれ独自の彩色を持つ図形によって象徴される。
この図形が、アストラル・トリップの際に、アストラル界への「門」となるのである。
5枚の図形は、アストラル界の、それぞれの領域を表している。
自分がどのような叡智を得たいのかに応じて、これを選択する。
大まかに分類してみると、次の様になる。
【テジャス】
激しい感情・情熱・決意・熱意に関する事など。
【ヴァーユ】
知的な事・精神的な事。
【アパス】
心の奥深い問題・記憶に関する事。
【プリティヴィ】
物質的な事・肉体に関する事。
【アカーシャ】
霊的な事柄に関する事。
更にこの図形を合成したシンボルを用いて参入を行う場合もあるが、ここでは
割愛する。
この分類に従って、まず自分の行きたいアストラル界の領域を決定し、シンボルを
選択する。
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以下、その方法の手順です。
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今回は、簡単な幾つかの道具を用いて、より高次のアストラル界へ
参入する方法を述べる。
単に肉体を離れた世界に遊ぶと云う段階ではなく、そこから様々な叡智を
持ち帰る為のテクニックである。
【高次のアストラル界に参入して叡智を得る!】
①部屋の西側に「西旗」を貼り、祭壇の前で「
小五芒星儀礼」を行う。
②椅子に座り、腹式呼吸を行いながら、心を静める。
この時、「西旗」を見つめるようにする。
③心が落ち着いたら、選んだ「タットワ・シンボル」の一枚を見つめて、
約20秒間、集中してこれを見つめる。
④次に、何でもよいから、白い面に素早く視線を移す。
これは壁でも天井でも、あらかじめ白い紙を用意しておいても良い。
⑤このようにすると、光学的な作用で、今まで見ていた「タットワ・シンボル」と
同じ形が、その補色となって、ぼんやりと見える。
例えば、「プリティヴィ」を用いていた場合は、黄色の補色である、紺の正方形が
見えるはずである。
⑥これが見えたら、即座に目を閉じて、その図形を目の前に視覚化する。
そして、その図形をどんどん巨大化し、最終的には、それを潜り抜ける事が
出来る大きさにまで拡大して、それが目の前に立っている所を視覚化する。
⑦ここまで来たら、アストラル体を用いて、この図形を扉に見立てて、潜り抜ける。
この時アストラル体は、「ホルスの合図」と呼ばれるポーズを取ると良い。
これをより強力に行う為に、補助として、肉体で同じポーズを取っても良い。
この場合は、自分が扉を潜り抜けたと確信した後に、肉体は椅子に戻す。
扉を潜り抜けたら、この扉は自分の後ろにあると想像し、実際に背後で扉が
閉じられる音を聞く。
⑧さて、あなたは既にアストラル界にいる。
落ち着いて周囲の背景を見回してみる。
「プリティヴィ」を用いている場合は、山や草原、岩など、地に関する光景が見える
はずである。
同様に、「アパス」であれば水、「テジャス」であれば火、「ヴァーユ」であれば
風や空気や空、そして「アカーシャ」であれば、光に関連した光景が見える。
⑨周囲を見回すと、そこにアストラル界の案内人がいる事に気づく場合がある。
その存在の姿は様々であるが、各元素に相応しい象徴を身に着けている。
その時重要な事は、こうした存在が現れたなら、直ちに相手と自分の間に、
「西旗」を出現させる事である。
万一、相手が邪悪な性質を持っていた場合、この「西旗」によって相手は退散し、
逆に善なる存在は、「西旗」を歓迎する。
これが確認出来たら、案内人についてアストラル界を旅すると良い。
その間に見る光景が、あなたの授かりたい叡智を象徴的に表現している。
あなたは、これまで全く知らなかった各元素の真の性質を理解する事になるだろう。
ただし、案内人が現れない場合、一人でアストラル界をさまよったりしては
ならない。
その場合は、案内人が現れるまで、扉に背を向けて、注意深く待つ。
それだけでも、この行法は充分に有効である。
⑩一通りトリップを終えたら、案内人に感謝して挨拶を済ませ、自分が歩んで来た
足跡を正確に辿って、元の扉の場所に戻る。
これは、アストラル界の意識状態と、日常的な意識を分離させる為に必要なので、
いかに長い道のりと言えども、正確に行うこと。
これは、普段の生活の中に、アストラル界の意識が、突如として侵入して来る事を
防ぐ為でもある。
⑪初めと同様に扉を潜り抜け、「ホルスの合図」を持って、肉体に戻る。
意識が戻ったら、肉体を使って立ち上がり、「ハルポクラテスの合図(左の人差し指で
唇を触る)」を行って終了する。
トリップ中の体験は、必ず記録しておくこと。
何故なら、この記録を後で解釈する事で、様々な叡智があなたのものになるのだから。
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