91年の「マヤ」誌に、鏡リュウジ氏による
マザーグースの呪文の紹介がありましたので、
今回抄掲させて頂きます。
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今回は、マザーグースのおまじないとして、代表的なものを
ピックアップして紹介してみよう。
誰が詠んだのかもう判らなくなってしまった、古い英国のフォークロア。
マザーグースの中にあるのは、そんな魔法なのだ。
読者の中には、「そんな子供の遊びに効果があるのか」と思われる方も
いるかもしれない。
でも思い出して欲しい、どこの古代社会においても、歌と詩は呪文だったということだ。
例えば、日本を考えてみよう。
万葉集の中には、有名な「国誉めの歌」がある。
それは、天皇が新年に小高い丘に立って、日本は素晴らしい国だと誉めるものだ。
つまり天皇という偉大な人物が国を誉めることで、その一年、日本を祝福し、
そして幸運をもたらすという、まさに歌が呪文になる1つの大掛かりな魔法だったと
いうわけだ。
あるいは「かごめかごめ」。
この謎めいた歌は何を意味するか、様々な謎解きが行われている。
この言葉に何か呪術的な響きを読み取ってしまうのは、僕一人ではないだろう。
再び、英国に目を向けてみよう。
この国にこんな沢山の伝承歌謡が残っているのは、かつてのドルイドの伝統があったからに
違いない。
そう、古代ケルトの偉大な魔法の使い手にして、神官たちのドルイドだ。
彼らは知っていることを書きとめるのは冒涜だと考えた為に、
その膨大な知識をすべて詩の形にして暗唱した。
それが、後の吟遊詩人の伝統に受け継がれていったのだ。
そしてマザーグースの中には、ドルイドのかすかな響きがいまだにこだましているに
違いないのだ。
【鏡の魔法】
これは鏡にお願いするもの。
手鏡の中に、しっかりと自分をの顔を映しながら、呪文を唱えてみよう。
後はベッドに入って、将来の結婚相手が夢に現れるのを待つだけ。
あるいは、タロットカードやトランプで、この呪文と共に占いをやってみるっていうのも
中々いい方法だよ。
* * *
【ブルーの魔法】
気分が落ち込んだ時、何かのツキが欲しい時、あるいは願い事がある時にも。
何でもいいから青いものに触ってみて。
それがラッキーを呼び込むきっかけになりそう。
マザーグースには、このようなジンクスの歌があるんだ。
簡単だけれど、効果はあるよ。
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【雨の魔法】
雨を追い払ってしまう呪文。
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【カラスの魔法】
カラスは、ケルトの神話では神々の御使いだった。
そんなわけか、マザーグースにもカラスにまつわるジンクスが伝わっている。
それは、見かけたカラスが何羽いたかでツキを探るもの。
もし、カラスが二羽とか六羽とか不吉な数だったら、すぐに十字を三回切って。
あるいは鉄製のもの(釘とかはさみ)に触って。
それらは、いずれも妖精や古い神々が恐れると言われてきた魔よけの方法なので
忘れないで。
* * *
【イースターの魔法】
本当は復活祭(イースター)にちなんだ歌だけれど、嬉しい事に、
金運をもたらしてくれるおまじないにもなるんだ。
卵を茹でて、その殻を小さな布袋に入れて呪文を唱えよう。