オオタカの雛は生まれてから巣立つまでに、トリコモナスと言う病気に罹ることがある。 飼鳩の持つ病原虫が原因の病気だ。 親鳥がこの病気に罹ったハトを捕獲し、雛に餌として与えてしまうと、体力のない雛は発症することがあるのだ。 都市部に多い病気だ。
巣立の直前・直後に発症する。 発症すると嘴や喉の中に潰瘍ができ、餌が食べられず衰弱して死んでしまうのである。 致死率は高い。 発症後すぐに捕まえて治療すれば助かるらしいが、野生状態では現実的に不可能に近い。 この様な例を2例見た。(成鳥は発症しない。)
巣立後森の中で見つけても、何もできず心が痛む。 撮影もしたくなくなるのである。 『物語』にも書いたが、衰弱して餌を取りに来ない幼鳥に、餌を渡したいと必死に探し回る♂親を見ていると、本能とは言え心打たれる。
誕生から巣立つまでには色々な事が起きる。 せめて人間は邪魔をせずに、見守ってほしいと思うのである・・・・。
トリコモノスに罹った幼鳥。