宝石ざくざく◇ほらあなJournal3

ロシア語をはじめ、外国語学習に関するあれこれを書いておりましたが、最近は…?

芸能としてのスケート

2023年01月26日 | にわかフィギュアスケート

寒波到来前でよかった。

1月22日は浅田真央さんのアイスショー「BEYOND」@長野ビッグハットを観に行ってきた!

行き帰りのシャトルバスから、会場の係員、スポンサーブースの人たちまで、暖かい良い雰囲気があって、真央ちゃんのアイスショーを良いものにしたいという気持ちからなんだろうなぁと思った。

会場は最奥のスタンド席からも全体が良く見えて、ここからでも十分いいかもと思った。今後フィギュアスケートの試合があったら観戦に行こうかなぁ。

私は長方形リンク短辺の後方S席だったのだけど、正面にLEDヴィジョンの大画面が見えて、皆さんの動きや足元もよく見えたし、良かった。

でも、表情や衣装の細かいところはさすがに見えなくて、出演者個々のソロで「あっステキ、この人は誰」と思ってもすぐに特定できなかったりするので、そういうのはやっぱりSS席がいいよねぇー。

とにかく1回観ると、また観たくなる!

90分ノンストップ、ナレーションなし。音楽、映像とともになによりもスケートで魅せるショーに、あらためて志の高さを感じた。密度が濃くて90分とは思えない充実感。

ーーーーーーーー

言葉がないことで、「白鳥の湖」など、まさにバレエの公演を思い起こさせる。そこで、ふと、真央ちゃんの元コーチ、ロシアのタラソワさんやザンナさんはこれを(当面ナマでは)観られないんだなぁ...と残念に思った。

(検索したらタラソワさんのアシスタントだったザンナさんはロシア国籍ではないようで…現在はどうしていらっしゃるのでしょう)

スケートとバレエの関係については、やっぱりロシア人スケート関係者はずっと考えてきたと思うし、CSKAでもバレエは必須なんでしょう。

もしこのショーを観ていたら、きっといろいろ言いたいことがあるはず。真央ちゃんが全面的に取り入れる必要はもちろんないけど、きっとブラッシュアップに有益なアドヴァイスがもらえたと思う。

などと考え出すと、つくづくプーチンのバカと憤らずにはいられない。バレエやほかの芸術においても、ロシアは十分に覇権を握っているじゃないの。近隣諸国を含めて大ロシア圏というべき勢力を誇っている。他国も文句なしにひれ伏している。それで十分以上ではないのか。…そういえば、中国もそうだけど、なぜか覇権主義の政治家は自国のすばらしい文化を破壊してしまうという不思議…

---------

またなんだか話が大げさになるけど、「BEYOND」のショーを観ながら、新しいエンターティンメントの黎明を見る思いがした。バレエ・リュスとか、観阿弥世阿弥とか、出雲の阿国とかに匹敵するような…って舞台芸術にまったく無知ながら放言してしまうが。

日本におけるアイスショーの嚆矢は「プリンスアイスワールド」だと思うけど、ゲストスケーターがソロプログラムを滑ることで集客を確保しているという側面は否めない、と思う。「BEYOND」の形式は革新的だし、さらに発展・完成させられる伸びしろがある。群舞とともに出演者それぞれにソロパートがあるのもいいなと思った。それぞれの個性にファンがついてスター集団になったら無敵だなぁなどと。

----------

ゲスな感想では、これだけ集客力があり、スポンサーがたくさん付く真央ちゃんが、けっして悪い方向にゆがめられることなく、正しくフィギュアスケートのためにその力と資金を使っていることが、つくづく驚異に思われる。

神様に守られているということかもしれないけど、現実にも信頼して相談できるブレインがいるのだったらいいな。


元選手の今

2022年12月28日 | にわかフィギュアスケート

全日本フィギュアスケート選手権男子シングルの試合を観ながら、2013年大会でソチオリンピック代表を勝ち取った町田樹選手(当時)は本当にすごかったなぁと思い出す。

ショート、フリーともノーミスで揃え、羽生選手に続く2位で文句なしの選出。

ひとつでもミスがあったら危なかった。

(いや、その年はグランプリシリーズでも実績を積み、有力候補ではあったのだけど)

3人目に高橋選手が選ばれて全日本3位だった小塚選手が落選したことが大いに物議をかもしたが、スケート連盟的には両選手とも入れたかったのだと思う。

こう言ってはなんだが、代表選出においては町田選手は目の上のたんこぶだったのかも。偉い筋からの推しもひいきも無い中、実力で突破した町田選手に当時大いに感銘を受けたのであった。

ソチオリンピックでは5位入賞、エキシビションでもクイーンの曲で大いにうけて存在感を発揮。ソチは真央ちゃんや羽生くんのオリンピックでもあったけど、ある意味「町田くんのオリンピック」だったと思っている。

などということを思い出していたら、あらタイムリー、NHKEテレで「趣味どきっ!読書の森へ 本の道しるべ(4)町田樹」という番組が。

読書が精神安定剤だったことや、思春期に様々なキャラクターが登場する小説から得た効用など、言葉が的確ですごく腑に落ちる。

2013全日本選手権前に読んでいた本と「優勝!」と書かれたメモについてさらっと語っていたけど、上記のような状況だった当時の心境を想像すると胸がキリキリした…

研究者としての現在の町田さんの姿にもまた感銘を受けた。

本当に大学の先生の本棚という感じで、日常はほぼ大学の授業と研究だけでいっぱいだとか…やっぱり私はどう振り返ってみても研究者にはなれない…

「フィギュアスケートってすごく華やかな世界なんですけれども、舞台裏はいろんな問題を抱えているんですね。フィギュアスケートだけではなくスポーツ界全般に言えることなんですけれども」

と語る町田さん、

「学術の力で問題を解決したい」

ってかっこいいなぁー

とにかく、良い人選で全日本選手権にも当たる良い時期に放送してくれたなぁと番組を企画した人にも感心してしまった。


超えている

2022年11月08日 | にわかフィギュアスケート

フィギュアスケート熱も一段落かなと思いつつ、遅ればせながらグランプリシリーズの映像をちょこっと観て、やっぱりスケート、いいな、と思っていたところだったのだけど。

録画を観るためにテレビをつけたらちょうどNHK「ゆう5時」、浅田真央さんが出演していた。

真央さんの話題は後半とのことで、しばらく録画を観た後、また「ゆう5時」に戻ると、ちょうど、アイスショーの映像が流れた。

男性とのペアによる「シェヘラザード」、ほんの数十秒の映像だったかもしれないけど、魂撃ち抜かれた。次の「幻想即興曲」だったか、群舞もステキだった。

自身の企画によるアイスショー「サンクスツアー」終了後、次は「BEYOND」というタイトルで新たなショーを興行していること、そこでペアの演技にも挑戦していることは、なんとなく見聞きして情報としては知っていたのだが、個人的には大きな感慨はなかった。

やっぱりスケートが好きなんだなとか、そのくらい。

サンクスツアーの時のニュース映像などを見ると、やっぱり現役時代から時間が経って、体形もすっかり大人の女性になっているから、同じプログラムでも雰囲気は違うなー、かつての真央ちゃんイメージを求めている人には厳しいかもねー、などと実は思ったりもしたのだったが。

今日見た映像で、あらためて真央ちゃん(とあえて呼んでしまう)はすごい人だ!と心震えた。生きながらの伝説ですよ。いやほんとに。同時代に居合わせていることがほんとうに嬉しい。

まさに「BEYOND」、多くの人の心に残っている過去の真央ちゃんをさらに超えている。30代の今の真央ちゃんだからこその大人の魅力と表現力。スケーティングの美しさ。

「今」自分がやるべきことがしっかり分かっているんだなー。

サンクスツアーの時とプログラムも全部変えているってすごくないですか?

にわかにアイスショー観に行きたくなってしまった。

とりあえず、思案中のエアウィーヴのマットレス、思い切って買っちゃおうかなー(スポンサー応援)

11月11日BS1で「私を超える」という密着番組があるそうで、録画予約。


通訳は重要よー

2022年03月26日 | にわかフィギュアスケート

フィギュアスケート世界選手権2022@モンペリエ(フランス)

男子シングル最終グループの演技をテレビ中継で観た。

最終滑走は宇野昌磨選手。

もうこれは完璧演技で宇野選手金メダルだ!

と思うと、ものすごくどきどきしてくる。

特にファンでもない一視聴者の私がこうなのだから、長年のファンやコーチの心境はいかばかりか。

ひいては、選手本人への尊敬の念があらためて増してくる。こんなものすごいプレッシャーに打ち克てる精神力は、やはり並の人間にはない。

そして、感動の瞬間が!おめでとう!

真の完璧とまではいかなかったけど、ま、それは挑戦ゆえで、今後のモチベーションにもなるもの。4種5本もの4回転ジャンプをすべて決めてみせるという気迫を感じる演技であった。そしてこの編曲の「ボレロ」、気持ちが前向きになるいいプログラムなんだわー。

そこまではいいんだけど、直後の優勝者インタビューが、なんだかちょっとどうなんだと怒りにかられて書いてみる次第。

質問(英語→日本語)→宇野選手回答(日本語)→通訳(仏語→英語)という流れだったのだが。

宇野選手の発言は非常に明瞭で、地頭の良さを感じさせるものであった。

(誤解が生じないように意識しているのだと思う。文章の骨格がしっかりしていて外国語に訳しやすいと思う。)

それなのに、通訳者ったら。

「ステファン・ランビエールコーチが納得できるような演技をしたいと思っていて、それをかなえることができた。そこに優勝という結果がついてきて嬉しい」

という趣旨の発言と

「2019年?のフランスでのグランプリシリーズが自分の中での分岐点だったが、再びこの舞台で(会場は違うが同じフランスの地で)すばらしい成績がとれたことに感謝しかない」

という現地観覧者にも嬉しい発言を、まるっきり無しにしていた。

ああもうほんとうに信じられない。ちょっとちょっと!特に英語通訳者の訳ぐらいだったら宇野選手本人だって言えると思うよー(ずっとがんばってきてついに優勝できてうれしい的な定型文)。込み入った内容を正確に伝えたいと思うからあえて通訳者を通しているわけで。これじゃあ宇野選手のすばらしい人間性が全然伝わらないじゃないのよー。

と、ぷんすかしてしまったが。

日本語が分からなくても宇野選手の発言を知りたいと思う人なら、彼が発音した「ランビエール」(はどうか分からないが「ステファン」「フランス」は聞き取れるのでは)とか固有名詞を通訳者が言わないのはヘンだと思っただろうし、日本語ができるフィギュアファンがきっと正しい訳を広めてくれるだろう。各国テレビ局の二次映像には正しい字幕がつくことを願う。


4年ごとに振り返る(3)

2022年03月06日 | にわかフィギュアスケート

もはやオリンピックを回顧するような状況ではなくなっているけど、4年後にまた振り返るために、書き残しておきたい。

ということで、北京オリンピックフィギュアスケート競技について続き。

ーーーーーーー

先日NHKBS1で「バレエの王子になる!~”世界最高峰”ロシア・バレエ学校の青春~」という番組を、なんとなく録画して観たのだけど(2019年?の再放送らしい)、そこで、男性が女性を持ち上げる「リフト」の技術についてちらっと言っていた。

なるほど、フィギュアスケートのペアやアイスダンスにおける重要技「リフト」ってバレエからきているんだなーと今更ながら。

スケートにリフトなんて要らないんじゃないか、リフトがなければ、日本でカップル競技に参入するスケート男子も増えそうなのにと、シロウト考えでいたのだが、バレエが元にあるということならば納得。

フィギュアスケートとバレエの関係についてもいろいろ考えたけど、まとまらないので、オリンピックの感想に戻る。

-------

女子シングル:坂本花織選手の伸びやかなスケーティングと健康美に尽きる。晴れやかな笑顔が会場の不穏な空気を吹き払っていた。

樋口新葉選手とのツーショットも良かったな。坂本選手じゃなかったら素直にお祝いできなかったような気がする、私が樋口さんだったら。邪気がまったく無いっていうのかなー。周囲を明るく健全にするパワーがあるね。

ジャンプに関しては、坂本選手ならばこれからでも高難度を目指せるはず。10代なかばがピークで後は引退というトゥトベリーゼコーチ方式は間違っていると実証してくれたら嬉しいな。

中野園子コーチの名言

メダルは「運だと思います」

「その運を引き寄せているのは努力だと思います」

「メダルを首にかけて、過去を振り返って生きてほしくない。これから先どんな人間になっていくか素敵な女性になってほしいと思います」

ーーーーーーー

男子シングル:ネイサン・チェン選手の完全優勝、鍵山・宇野両選手の表彰台がほんとうに嬉しい。

次の世界選手権に話題が移っている今、とりあえずの感想はそれくらいかな。

羽生選手のプログラムということでじっくり聴くことになった「天と地と」(冨田勲)、ほんとにいい曲なんですよね。曲中でジャンプが入る位置とかすごく考えられていて名プログラムだと思う。

それだけに・・・

いつだったか、コラムニストの中野翠さんがフィギュアスケートのことを「変種の芸能として楽しんでいる」と書いているのを読んで、その時は納得いかなかったのだが、今回つくづく「変種の芸能」という言葉になるほどなぁと思わせられた。

「変種の芸能」と考えれば、羽生君がワイドショー番組や女性週刊誌の話題の中心であることに異存はない。

思い出したけど、キーガン・メッシング選手(カナダ)に続いての羽生選手の滑りを見て評価に違和感を感じない人は、「フィギュアスケート」を見ているのではないと思う。

そういえば、今回カナダはフィギュアスケートには力を入れてなかった(ロビー活動も何もしていない?)ような。メッシング選手以外はベテラン勢引退で新旧交代という感じだったからしょうがないか。

カナダといえばアイスダンスのラジョワ/ラガ組のラガ選手にちょっと注目してしてしまった。演技直前の不穏さと、演技始まってからのはじけ方が印象的で。きっと彼はオタク気質?などと

・・・と、まだまだ書きたくなってきたけど、とりあえずこれで締め。


4年ごとに振り返る(2)

2022年02月23日 | にわかフィギュアスケート

引き続き北京オリンピックフィギュアスケート競技について覚え書き

ペア(2/19フリー)

日本の三浦/木原組が総合7位、フリーだけなら5位と大健闘。

観ていて気持ちのいい爽やかな演技で、これまでのペアにはない独自の魅力がある、と思う。

日本もカップル競技に力を入れればいいのにとは思っていたけど、正直、上位を望んだり人気が出たりすることは到底ないだろうと侮っていた。本当に申し訳ない。どうせアカンわみたいなキメツケはアカンなと反省したり励まされたり。シングルがいつも大注目だから、ソチ、ピョンチャンと辛かったろうなと思うと、木原選手が報われる結果になってよかったほんと。

そして、金銀銅メダリストの演技はそれぞれすばらしかった!

自分の中で、ペア競技をこんなに集中して観るとは思わなかった。

スイ/ハン(隋/韓)組のファンなので、金メダルをとれて本当によかった!

演技後、熱狂の中国応援席に突然、書の掛け軸が掲げられたのだが(持っていたのはボーヤン・ジン選手だったとか)、ネットによると、書かれていたのは杜甫の漢詩「望岳」の一節だそうで

会当凌絶頂 一覧衆山小

(いつの日か必ずこの山の絶頂をきわめ、周囲の山々を一望に見渡し、見下ろすことにしたいものだ。)

こういう「中国」はものすごくかっこいい!

 

「らしさ」といえば、銅メダルのミシナ/ガリアモフ組のショートプログラムに、古き良きロシアというかソ連というか、とにかく良い意味のほうのお国柄が感じられて、よかったなー。

コーチは、タマラ・モスクビナさんなのですね。にわかフィギュアファンの私は、川口悠子さんが師事していたということで知ったのだけど。検索したら御年80歳とは。

銀メダルのタラソワ/モロゾフ組は、いつからか知らないけど、渦中のトゥトベリーゼ氏がコーチなのですね。

とても美しいペアだけど、印象が暗く感じてしまう。

年配コーチのもとにいる選手のほうが、伸び伸びと明るく育つような気がするな。

・・・というのは女子シングルで感じたことだった。また項をあらためて。


4年ごとに振り返る

2022年02月23日 | にわかフィギュアスケート

個人的に、冬季オリンピック(主にフィギュアスケート競技)は、このブログの里程標になっている感がある。

北京オリンピックについてもさくさく書き残しておこう。

日程をさかのぼりつつ、まずはエキシビション(2/20)

おもしろプログラムをありがとう!の覚え書き

・男子シングル:クビテラシビリ選手(ジョージア)の映画『アラジン』。青塗りでの快演に好感度爆上がり(^^♪

・アイスダンス:スマート/ディアス組(スペイン)のエアロビクス

・ペア:デラモニカ/グアリゼ組(イタリア)の映画『ロッキー』

・アイスダンス:ミシナ/ガリアモフ組(ロシア)のメガネっ娘グルーピーとアイドルギタリスト(?)

アイスダンス・ギレス/ポワリエ組(カナダ)のプログラムが「Vincent」だったのだけど、ゴッホの絵画「星月夜」が氷上にプロジェクションマッピングで映し出される演出が豪華だった。

あっ女子シングル・トゥルソワ選手(ロシア)のジャスミン(クビテラシビリ選手プログラムのサポート)や「ワンダーウーマン」の衣装や、シェルバコワ選手(ロシア)の電飾も印象に残った。

特別演出ではないけど、ネイサン・チェン選手(アメリカ)の「キャラバン」はかっこよかった!

あっそれを言ったらキーガン・メッシング選手(カナダ)を忘れていた!スケートそのものが圧倒的に魅力。ネイサン、キーガンのバックフリップ、大丈夫?とドキッとするけどかっこよかったー。

日本人選手では、宇野昌磨選手のマイケルジャクソンに、ワクワクした! 坂本花織選手、樋口新葉選手は、もっとそれぞれの個性にぴったり合ったプログラムで見たかったかな。坂本選手の「タンゴ・アモーレ」(byエドヴィン・マートン)は、プルシェンコさんがバンクーバーオリンピックで使っていた曲で、個人的には嬉しかったが、坂本さんの良さが引き立たないというか…難しいものですね。

引き立たないといえば鍵山優真選手の「明日へ」(MISIA)には、残念感がいっぱい。鍵山選手の技術と個性がもったいない。こんなタイアップこそ羽生選手にやってもらえばよかったじゃないのよー。(「パプリカ」の振付の人や東京オリンピック開会式でMISIAの衣装をてがけた人がかかわっているとか。)どうせ新しい振付を覚えていられないとかで羽生くんから断られたからじゃないかと疑っている。

羽生結弦選手には、事前に噂されていた「オペラ座の怪人」でなくてよかったと胸をなでおろすばかり。

よく分からないけど、一般の善良な中国人の方々にとって、羽生くんは母国開催オリンピックを美しく印象づけるアイコンになってるわけでしょー。日本におけるジャネット・リン(札幌72)やキャンデロロ(長野98)みたいな感じなのかなーと推察。自然発生なのか意図的なものがあるのか知らないけど。

日中友好の懸け橋として、どうか美しい思い出のままでいてー。

でもさーそれにしても、中国にはちゃんとボーヤン・ジン(金博洋)選手というアイドル性を兼ね備えた選手がいるのにさー。なんだか藤井隆味が増していたように思ったけど、それだけ中国のお茶の間人気もあるってことなのかなーと。母国開催オリンピックをにこにこ楽しんでいるようで嬉しかった。まぁだからこそ、自分に求められる役割として、羽生くんとの絡みを多くしていたのだろうなー…羽生リスペクト衣装じゃない楽しいプログラムやってほしかったなと思うけど…あれは本人の希望なのかな…

エキシビションだけで長くなった。別項でまた。


過ぎゆく2月(3)

2018年03月05日 | にわかフィギュアスケート
引き続きピョンチャンオリンピックについてさくさくと。

今回、個人的にいちばん楽しく観たのはアイスダンスで、それは下位グループといえども、基本的にみなさんすーっと伸びる美しいスケーティングで、観ていて目に心地よいからかなと思った。

シングルの場合、一選手の演技だけ取り出して観るとそんなに思わないのだけど、うまい選手の次だったりすると、アクセルとブレーキを同時に踏んでる車みたいな、なんだかスムーズじゃない滑りというのは気になったりする。
しかし、スケーティングの美しさはフィギュアスケートの醍醐味ではあるけれど、絶対的なものではない。
と、女子シングル金メダルのアリーナ・ザギトワ選手を見ると思ってしまう。
かわいさ美しさはやっぱり絶対的正義!!
もちろん、最高難度のジャンプ構成で、連続3回転ループジャンプが抜けてあわや失敗とおもいきや、後でしっかりリカバリして成功させるとか、技術力精神力の高さがあってこそだけど。
ご褒美の秋田犬(飼育環境があって心から喜んでもらえていればいいんだけど)、名前は「勝利」の意味をこめての「マサル」にするとか(^^)かわいいなー。

アイスダンスが楽しかったのは、選手生活が相対的に長くて数年観ていると親しみがわいてくるというのもあるかなー。
思えばアイスダンス金のバーチュー/モイヤー組、バンクーバーオリンピックでも、全然知らないながら観ていた記憶があるのだった。アイスダンスといえばこってり濃厚演技という中で(←当時抱いていた偏見)、初々しく楚々とした印象だったのだけど、いまやものすごい貫禄が。3大会連続出場で金、銀、金とか、採点競技の忖度事情云々を言わせないレベルの高さ。
上位と下位でははっきりと差があるのが素人でも分かるから、なかなか一般的な注目を浴びるのは難しいけれど、やっぱり村元/リード組、よかったー。FPの坂本龍一メドレーは全プログラムの中でも指折りに好き。映画から離れて、複数曲が共通に持っているエッセンスをストーリーの核にしているのがすばらしいんだよねー。

プログラムと言えば、坂本花織選手の『月光』と『アメリ』、最初はあまりピンときてなかったけど、こういうのを滑りこなせる選手が本当に表現力があると言えるのかなーと思えてきた。ハリウッド映画とか分かりやすく決めポーズ取ったりできる曲じゃなくて、成長期の今これらのプログラムをやらせるコーチはさすがだなーと思う。坂本選手の今後に期待。
あと好きなプログラムと言えば田中刑事選手のFPフェリーニメドレーもハイセンスでいいなーと思っていたのだった。オリンピック選出はこのプログラムの効果もあったと思う。

つくづく、良いプログラムを持ってこれるかどうかが、勝利の大きな鍵と思った今オリンピックであった。
4年に1回オリンピックの時だけ見る人と、シーズン全体、ひいてはオリンピックまで数年間、そのプログラムを何回観たかで印象が違ってくるというのも、フィギュアスケートの特殊なところだな、と。

過ぎゆく2月(2)

2018年03月04日 | にわかフィギュアスケート
もう3月ですが
ピョンチャンオリンピックについてさくさくと。

本日『サンデー毎日』今週号、中野翠さんのコラム『満月雑記帳』を立ち読み(すみません)する。
きっとフィギュアスケートのことを書いていると思って。
うっすらと予想していたが、やはり羽生結弦選手大絶賛。
会場の女たちに混ざりたかったとまで・・・
中野さんと同年代だと共感する人が多いのかなぁー
まぁたしかに『陰陽師』は演者の個性を存分に生かしたすばらしいプログラムだとは思うけれども。

中野さんのコラム集をめくると、このプログラムについて2015年12月にも書いている。
「(・・・)その美しさ、妖しさ、面白さに目が離せない。最後に両手を真横に張って、ピタッとキメる。鋭利なまなざしで。古代日本のファンタジーを満喫した!と思えるエンディングだ(ここで黒手袋と、羽生の日本人らしい切れ長の目が最高の効果をあげる)。」

・・・私は、この最後のポーズだけはどうにかならなかったのかと思う者ですが・・・

しかしながら、中野さんが80年代の感覚を保ち続け、映画に対するのと同じような感覚でフィギュアスケートを観ていたとしたら、興味を惹かれるのは羽生君ではなくて、ボーヤン・ジン(金博洋)選手やネイサン・チェン選手だったのではないかと思うのだ。
特にボーヤン・ジン選手の、品がありつつもちょっとファニーな雰囲気は絶対(80年代のコラムを読む限り)中野さん好みだったはず。
中野さんが好きなフランスの漫画『タンタンの冒険』のタンタンみたいな感じもあるし。
ネイサン・チェン選手も、「鋭利で切れ長の目」っつったら彼でしょう。
まぁ、先に羽生君に魅せられてしまったら、他選手に目がいかないというのも分からないでもないけれど・・・北京での主役は彼らだと思うので(なってほしい)、どなたか中野さんに耳打ちしておいていただきたい。

ああつくづくネイサン・チェン選手のSPの失敗が惜しい。中野さんということでなく、いつもはフィギュア観ないけど羽生君の出る最終グループだけは観てみたという方たちには、ぜひともあのカッコイイ『ネメシス』のいい演技を見てほしかったー。
で、たぶん、羽生君宇野君が出るから見ときましょうという人は、滑走順が早くなったネイサン・チェン選手のFPは観てないんですよね・・・
本当の勝利とは何か分かってたら「勝った」「二連覇!」で感極まってる場合じゃないと思うんだけど・・・

と、中野翠さんのコラムと自分の感想がごちゃまぜになってしまったが、羽生選手には『陰陽師』以上のすばらしいプログラムに巡り合って、王者にふさわしい真の高みを目指していただきたい。
「やっぱり根本的に賢いのだと思う。聡明なのだと思う。感情に振り回されない。自分を冷静に客観視できる。」と2017年3月のコラムに書いていた中野さんの観察眼が貶められないような言動態度もお願いしたい(汗)

過ぎゆく2月

2018年02月28日 | にわかフィギュアスケート
早くも2月も終わり。
2月のトピックスは
1.大雪
2.オリンピック
3.インフルエンザ(私は罹っていないけれど)
だったかなー。

忘れないうちにピョンチャンオリンピックの思い出を書き留めておこう。
フィギュアスケート団体戦の時間は職場にいたのだけれど、他局でやっていたスノーボードのほうが人気で、まぁそうだよね・・・と残念な気持ちになった。
この団体戦、これからも、メダルはカナダ、ロシア、アメリカの間で色が変わるだけなんじゃないかと思うけど、続けるのかなー。
とはいえ、カナダの本気はすばらしく、パトリック・チャン選手が金メダリストになれたのはよかった。
そして、アメリカ長洲未来選手のトリプルアクセル成功!!すべてが報われた素晴らしい瞬間であった。
最大のハイライトがここにあっただけに、個人戦がちょっと残念だったけど、その分、前半失敗の後、後半再度跳んで成功させた伊藤みどり、1大会で3回成功の浅田真央という先人の偉大さがあらためて分かった。

日本は今後のフィギュア人気を考えるならば、もっとペアとアイスダンスに力を入れるべきなのではないか。どちらもゴールデンタイムに下位グループから放送してほしかった。
いや、一般的にはちょっと前の私のようにカップル競技はなんだかねという人も多いかと思うけど、慣れ、ですよ。社交ダンスは結構バラエティ番組で取り上げられてるんだし、見続けたら絶対楽しい(断言)。
ペアは上位グループのフリーだけやっと録画で観られた。
ペアは他カテゴリー以上によく分かってないんだけれど、金メダルのサブチェンコ/マッソー組は圧巻だった! 銀メダルのスイ/ハン(隋/韓)組を見れば、日本人男子でもペア競技に親しみをもってやろうと思ってくれそうなんだけど、というか今回出場の木原選手とかはきっと励みになってると思う。
そういえば、私は今まで解説者が技の説明で「スロージャンプ」というたびに「全然slowじゃないけど、まぁ自分一人で跳ぶよりはゆっくりか」と思っていたのだが、slow じゃなくて「放り投げる」 throw jump ではないか!
と、唐突に気づいた今オリンピックであった。

書き出すと長くなるのでまた後日。