

成実「どうすればいいの


透明「まずは、私から見た成実さんを
お話します

もし、成実さんがそれを
間違っていると思ったら
遠慮なしに言ってくださいね

成実「う、うん

透明「私から見た成実さんは

明るくて聡明な人

いつも楽しそうで悩みもなく
人付き合いも上手

頭も良く、気配りも出来る

成実「そ、それって・・・ちが・・・。」
透明「そういう風に、人に見せようと
努力している人

成実「

透明「表面上は、それを徹底して行うことが
正しいことだとわかっているから
頑張って来たように見えます

それが、長年努力してきた結果
当たり前になってしまったことで、
そのことへの違和感や苦痛は
感じなくなって来ているようですが、
その苦悩は、別の形で出てきて
しまっている

成実「

透明「それが、どうしようもない虚しさや
毎日がつまらないと思う退屈さに
なっている気がします

成実「・・・・・

透明「今、成実さんを支えているのは
自分に自信を与えてくれる
美意識とそれを実現させてくれる
お金というアイテムだけなんじゃ
ないでしょうか

成実さんのお金に対する固執は
今の自分を支え、自分の自信を
支えてくれるお金というアイテムに
守られているような気がします

成実「・・・どうしてわかるの



それって、あくまでも予想でしょ


私は・・・

無くした感情が少しよみがえってきたかな

ちょっと、不機嫌になってきた

透明「成実さんが自分の貯蓄に手をつけない
のは、ただ単にお金が大切なだけでは
ないんじゃないですか

成実「

透明「成実さんが、退屈になる前に、
自分自身の力で稼いだお金には
お金としての価値だけではなく
キラキラした生き甲斐と自信も
含まれている

だからこそ、今の自分がそれを
使い無くしてしまうことへの
恐れが見え隠れしているんです

成実「わ、私は・・・あ、あれ・・・
どうして


成実さんは、自分でもわからない涙に
困惑している

それは、今まで自分自身を謀ってきた
自分への不満が涙になって出ているのだと
言うことを、彼女の心が認めた証拠でもある

きっと、無理をして来たんだろう・・・。
彼女の価値観は、あくまでも周りの人から
植え付けられてきた価値観

それでも、彼女の世界ではそれが当たり前
だったのかもしれない

所詮、価値観はその人の判断基準でしかない

彼女や旦那様の価値観は、私には理解出来ないが
彼女の深層心理は理解できる

人の心理は千差万別だが、心の動きそのものは
私の心理と大差はない

だからこそ、心理動向を見れば彼女の行動の
先にある価値観も見えてくる

「相手の価値観を理解出来なければ
心の動きを感じれば良い

そうすれば、人は皆同じなんだ
ということに気づけるものだよ

堅物だった私によく師匠が言ってくれた
言葉を思い出す・・・。
しばらくして、成実さんの気持ちが
落ち着きを取り戻す

成実「ごめんね、せんせい・・・

多分、せんせいの言ったことが
あってるんだよね・・・。
ちょっと、自分でもよくわかんなく
なっちゃって・・・。」
透明「全然


成実「えっ

透明「成実さんは、自分の感情を出すことを
避けてきちゃったから、慣れてない
だけです

少し、きつく聞こえるようなこと
言っちゃってごめんなさい

でも、今見せてくれた感情は凄く
よかったですよ

ナイス感情です


成実「ぷっ


少女のように笑う成実さんを見て、
彼女の心が少しずつほどけてきている
ことに、内心ホッとする

さて、そろそろ仕上げをしなくちゃ

私は、彼女の心にもう一歩踏み込んでゆく・・・。
続く・・・。
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