




透明「ところで、漆原さんは

円「あそこ

透明「

円は、二階の方を指さす


円「たぶん、ちょっと見ただけだから
精神崩壊はしてないけど、よほど
怖かったんだろうね

あそこの端っこで震えてるよ

透明「そっか、無事ならいいや

少しホッとする・・・。
私たちは、二階にいる漆原さんのもとへ行き、
黄泉玉の一件が片付いたことを話す

透明「もう、大丈夫ですよ

漆原「ブルブルブルブル・・・。」
円「いつまでもそんなところで
丸まっていないで、次に行くよ

漆原「ブルブルブルブル・・・

円「もう


透明「ちょっと待って

円「

透明「円


私は円を連れ漆原さんから少し離れる

円「なによ

透明「たぶん、漆原さん怖いんだよ

円「だから、ちゃんと黄泉玉は

透明「そうじゃないんだ

円「

透明「あの恐ろしい化け物を何とかした
俺たちのことが怖いんだよ

円「

透明「円はあまり経験したことがないかも
しれないけど、目の前で起こった
恐ろしいことが全て一緒くた
になってるんだ

彼から見れば、あんな恐ろしい
化け物を何とかした私達だって
化け物にしか見えない・・・。
そんなものなんだよ

円「そ、そんなことって

私達は命がけで

透明「わかってる

言わずに私に任せてくれないかな

円「・・・・わかった・・・・。」
私は、一人漆原さんのところに向かう・・・。
透明「漆原さん

漆原「ひっ

私は優しく微笑む

透明「いや~~~っ


たまたま持ってたお守りが効いたから
何とかなりましたけど

もう、ダメかと思いましたよ~


漆原「お、お守り

透明「ええ

してもらって、お守りをいただいて
きていたので、助かりました

いや~

凄いですよね~~~

人は、追い込まれると信仰や信頼に寄り添う

それは、無宗教の人でも同じだと思う

絶対的信頼


それが心の支えにつながるからだ・・・。
円の手前、心苦しいが今の漆原さんの
心を救うにはこれしかない・・・。
漆原「か、神様って、本当にいるんですか

透明「まあ、いらっしゃらなかったら今頃
私たちはあの世行きでしたからね

漆原「そ、そうですよね

神様


空を見上げ手を合わせる漆原さんを見て
円はどことなく寂しそうだった・・・。
私は、円の頭をポンと優しく叩き
悔しい気持ちや悲しい気持ちを汲んで
やりたかった・・・。
私達のような異形の力は、時として
恐れの対象となる

師匠が言っていた言葉が二人の脳裏に甦る

「私たちは、何かが足りないからこの力を
授かっただけなんだよ

だから、私たちは常に人よりも足りていないと
考え、日々精進することが大切なんだ

能力を沢山の人のために使えれば、きっと
自分の居場所が見つかるよ

だから、決して諦めてはいけないよ

円は、その言葉から逃げていたのだろう

わかってはいても、突きつけられる現実は
酷なものだ・・・。
それでも、この力を持つ以上、私たちは主役になる
必要はない

この力は支えるためのものなのだから

私は円の気持ちをなだめるように言葉を
発する

透明「円


前に進まなきゃね

円もその言葉に反応する

円「そうだね


お仕事~


二人は、漆原さんの元へ歩みを進め
次の行動に出る・・・。
続く・・・。
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