じいの徒然日記

内野聖陽さんにfall in loveしたじいのおバカな毎日を綴った日記

風林火山 第36回「宿命の女」

2007-09-09 23:43:33 | 風林火山
本日の風林火山、女のドラマあり~の、軍略&歴史の面白みあり~の、とっても楽しい45分間でした

冒頭は積翠寺に乗り込む勘助サマ……“殺る気”満々のところにリツ殿登場~~ 匿われてる 於琴姫のことや由布姫の心模様をあっけらか~~んと言っちゃうところ、憎めないですね~~しかも足早に逃げようとする勘助サマを無理矢理引っ張って寺の中に この時の勘助サマの困ったちゃんの表情がとっても可愛かったです しかも、於琴姫を説得した後、お屋形様や鬼美濃さんにココに来たことを言っちゃダメと念押しするところの、いかにも信じてないような目と絶妙な間、楽しかった~~~ リツ殿GJ

於琴姫とドキドキの初対面。侍女のキヌ&勘助サマのやり取りは面白かったです コイツは絶対にヤバイ奴!と終始怪しげ~~に勘助サマを監視 そして、姫を守ろうとする策(障子を閉めないとか~)のを勘助サマが尽く跳ね返す、その攻防戦が滑稽で……で、事件の大元 於琴姫ですけど……う~~~ん、やっぱり思い描いてたのとは違う 個人的な恨みはありませんので念のため 原作を読んだ時には、ヲイヲイみたいなことを平気で言うのでビックリ したんですけど憎めない可愛らしさというか、まさに「不思議ちゃん」だったんですけど、今回の於琴姫、リツは「おおらかで過ぎることも言うけど悪気はない」なんて言ってましたけど、(本当にそうなのかもしれないけど)言動の奥に無意識な計算高さを感じてしまって。。。勘助サマの風貌とかズバズバ言うところとか、由布姫&和子様の存在を知って泣き崩れるところとか、その言動一つ一つが鼻についてねぇ~~数日前の日記にも書いたんですけど、自覚してない可愛らしさを前面に押し出す女性ってじいが一番嫌いなタイプなので 於琴姫ってこういう女性じゃないと思うんですけどね~~「(諏訪の姫様は)私より美しい方ですか?」って言ってましたけど……決まってるじゃん ま、このシーン、それ以外の人物は皆見どころいっぱいだったので、そっちだけで楽しめたので良かったわ~~(見たくないモノは視界に入れない今期のレミゼで鍛えられました

由布姫&お北様のシーン、気がついたら姫同様じいも泣いてました。由布姫の素晴らしさ、苦悩、そこから出た画策……全部お見通しだったんだと思います。それを全部包み込んだ上で武田家のこと、息子のこと、姫のこと、ぜ~~~んぶのことを思いやって諭す。。。何だかここのところ自分がプライベートで思ってた「悋気」とか不安に触れたせいか じい自身にも言われているような気がして……「そなたのような姫が、よう晴信を好いてくだされた」胸が突き刺された感じ。泣けましたな~~

姫な 話だけではなくて、今川・北条・武田の三国同盟の話もあり 今回は今川との同盟話が主でしたけど、そこに由布姫の頼み事が心にある勘助サマ&四郎を思う気持ちをうま~~く絡めてるように感じました。嫡男の太郎と四郎が剣術の稽古をしているシーン→お屋形様に太郎が今川家の姫を娶るように進言するシーンの流れが、「もしかしたら?」と感じさせる流れになっていたように思ったのは気のせい……か 今川家の姫を太郎に娶らせ、後に今川と戦うことになっても渦中で苦しむのは太郎。。。自分が情けをかける必要はないわけで、というのは考えすぎかな でも、この時の勘助サマの表情は凄かった 四郎を見る目は優しいのに、同盟話の時にはめちゃめちゃ怖い目 絶対に何か“良からぬこと”を考えているような。。。久々のダークな勘助サマ こういう近寄りがたい面があるところがまたいいんですけどね~~

じいが感じてた勘助サマの策略の裏の裏、というか事の顛末 をお屋形様は見抜いてるんですよね~~でも、娘を敵になるかもしれない相手に嫁がせるのとどっちがいいのか???究極の選択を迫られるお屋形様……じいも女ですから、明らかに女性が軽んじられてる?みたいなのを見るのはいい気分はしませんけど ま、この話は置いておいて、、、裏の裏を読んでいたのは寿桂尼様も雪斎さんも同じ。相変わらずの怪しい三人衆の密談 寿桂尼様の「いずれは裏切るかも?」という言い分も、雪斎さんの「武田の嫡男が今川の姫にメロメロになるから大丈夫」って言い分も的を得てますな~~っていうか、まさに予言 本当にそうなっちゃうんですからね~~更に、雪斎さんの勘助サマへの疑念も浮上。でも、これは駒井クンが見事に回避してくれました。そうそう、駒井クンに髭が~~年輪を重ねて益々ご聡明~~

小山田さん&勘助サマのシーン、じい的にはまさに「昔の男」と「今の男」なわけで……この並び、堪んないなぁ~~ 小山田さん、相変わらず素直じゃない言葉で勘助サマをいたぶって ますけど、不器用な愛情表現みたいなところもあって……憎めませんわ 最初で最後 二人の話は公私両方の話、って感じでしょうか。“公”の話は今川との同盟話。小山田さんもさすがに鋭い頭の持ち主 裏の裏を分かっていらっしゃいました しかも他の方々と違って言いにくいこともハッキリ言っちゃうし “私”な話は美瑠姫の話&自分んちのことや武田家への本音。この話の時、小山田さんは人払いするんですけど、これ以後の口調は柔らかくなってくるんですよね~~それまでは、ともすれば棒読みか みたいな感じで力入りすぎ~~って感じだったのが、発せられる言葉に豊かな感情が表れてました。で、それを聞く勘助サマも最初は恐々~~って構えてる感じなのが哀れみ?共感?同情?親近感?感慨深い表情に変わってくる。勘助サマは「何故それがしにお明かしになるのですか」と言ってますけど、ある意味よそ者で突っ張ってきた小山田さんにとっては、虐げられて地を這うように生きてきた勘助サマだからこそ受け止めてくれるとおもったんじゃないかな~~~そうしなければ生きてこれなかった……勘助サマも「生きるために背負う運命」が分かっているような表情でした

で、小山田さんは藤王丸が死んだ時に思わず出た本音の表情。。。もう、不器用なんだから~~と思いましたけど これが元で寝首をかかれちゃうんですよね 刀を持って放心状態で庭に佇む美瑠姫……狂気の目になってなかったのは残念。語気も強すぎて追い詰められた感も感じられなかったのがちょっと。。。でも、その前に出てきた幼い時の美瑠姫の映像やそれ以降の生き様を考えると、あまりに哀しすぎて辛かったです

不幸な知らせを聞いた時の勘助サマ、この部屋にいる中で唯一小山田さんの本心を聞いてるんですよね。だからこその感情の爆発。。。もしかしたらどこかで勘助サマ自身の気持ちも重ね合わせていたのかもしれないけれど、代々武田家に仕えてきた重臣たちやお屋形様、いわば日の当たる道を歩いてきた人には分からない複雑な気持ちを、勘助サマだからこそ代弁できたんじゃないかなぁ~~勘助サマの涙、切なかったです

来週はお北様が~~ 冒頭は勘助サマとの初対面 重厚なやり取りが見られそうです。
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ロマンス

2007-09-09 19:06:06 | 観劇記
世田谷パブリックシアターにて、こまつ座&シスカンパニー公演「ロマンス」を観てきました。いや~~~難しい 実は途中で何度も脱落しそうになって…… 実力派揃いの役者陣に引っ張ってもらっておかげで最後まで頑張れました

あらすじは以下の通り。

全生涯を兄に捧げた妹がいた。兄は医者、そのそばで看護助手と薬剤師をつとめ、家政婦も、マネージャー役も兼ねていた。ときには兄を甘やかす母親にもなった。妹には一人の親友がいた。親友は魅力的なドイツ系の女優だった。妹は親友になんでも打ち明けていた。妹が怖れていたことはただ一つ、兄と親友とが結婚したりはしないかということ。二人とも結婚生活には向いていないのだ。だが、怖れていたことが現実になる。二人はこっそり結婚していた! 一度に兄と親友とに裏切られ、一度に兄と親友とを失ってしまった妹。妹、マリア・チェーホワは激怒した。でも親友、芸術座の女優オリガ・クニペックは、わたしたちのロマンスについてだれも口を出すべきではないと抗弁した。そして兄、アントン・チェーホフは頭を抱えながら、最後の戯曲『桜の園』に取りかかった。(こまつ座HPより)

ロシアの文豪チェーホフの生涯を描いている舞台なのですが、チェーホフが主役!というわけではなくて、彼を取り巻く人々の語り&視点によってストーリーが展開 なので、主役は場面によって変わるんですよ。妹のマリアや妻オリガだったり、あるいはチェーホフが担当していた患者だったり……彼ら/彼女らを通してチェーホフを見て感じているような感じでした。でも、これってきちんと演じられる役者さんが揃っているからこそ成せる業 今回は全員が複数の役を演じていたんですけど、全部同じに見えないところが凄い 引き込まれてましたわ

大竹しのぶさん、妻のオリガの他にチェーホフに金をむしんに来る患者役等も演じられていました。歌う場面は音の取り方が時々怪しい時がありましたけど、気持ちが高まってセリフが歌になった感じで自然な雰囲気だったのが良かったと思います 表情も表現もとっても豊かなのはさすがですね~~ ずるがしこそうな時もあれば可哀想な雰囲気出しまくり~な時もあって……でも、どんな時でも注目させてしまう可愛さ、お茶目さがあるのがいいですね~~

松たか子さん、弱気なチェーホフを叱咤激励するところの仕草はランディー夫人を髣髴させるような 強い語気の時に一本調子になるのは気になりましたけど、周りのすんごいメンバーと対等に渡り合ってるところは凄いと思いました。それに、チェーホフの妹って本当にこんな感じだったのでは? と思わせるような感覚になりました。

段田安則さん、この方の芸達者ぶりは素晴らしすぎます~~ 大学の医学部助教授役の時には落ち着いて何気に頼れる雰囲気だし、壮年チェーホフの時は気弱なんだけど創作意欲に目覚めると激しくてちょっぴり怪しい 行動になるところは笑えるし。。。最後、死期の近い晩年のチェーホフを主治医として診ることになるんですけど、弟子を包み込むような温かい雰囲気にはホロリ としました。

生瀬勝久さん、この方も芸達者 テレビで一癖も二癖もある個性的な役を演じられることが多くて、真面目orイヤミ~~な感じ→突然おちゃらけた言動になるという緩急の差が凄い芝居をよく見る気がするんですけど、今回も随所にこういう緩急のある仕草を、しかもナマで観れて感激でした。いや~~この落差がたまらないですわ。ホント、素晴らしい

井上芳雄クン、ストプレで会うのは初めて……か 実はこの舞台、井上クンを観るためにチケを取ったようなものでもあるんですけど。。。 歌&踊りは文句なし さすがでした~~発声の仕方が他の出演者と違うような やっぱり“一生懸命頑張ってます”感が気になることがあって……でも、第1幕でマリアに結婚を迫る資産家の青年役は無理なく演じていると思いました。何となくメタマクの元きよし@未來クンに似てたような あと、第2幕終盤の晩年チェーホフとの対決(役名は忘れたんですけど、チェーホフの戯曲の演出家?)シーンはよかった~~じいの席からは井上クンの背中しか見えなかったんでけど、緊張感はバシッと伝わってきました。素敵な役者さんに囲まれていい勉強になったんじゃないかな~~と勝手に親心なことを思ってしまいました。

木場勝己さん、初めて舞台でお会いしました。テレビでは一番新しい記憶だと金八先生で超ムカツキな校長役をされてましたけど 憎々しい役から優しい人の役までいろ~~んな面をお持ちの役者さんなんですよね~~今回の晩年チェーホフ役、一筋縄ではいかない厄介なジジイなんだけど、聞かん坊なカワイイ面もあって、自分の信念を語るところは凄い緊張感と強固な雰囲気を出されていて……本当に本当に良いものを見せてもらったって感じです

笑いが大事……自分はボードビルが書きたかったのにおセンチな芝居に仕立て上げられてしまうことを嘆いていたチェーホフ。幼い頃から見てきたどうしようもない悲惨な現実、解決されるに越したことはないけれど、どうにも良くならない、救われない時、人間は笑わずにはいられない、笑いが薬になることがあるということを実感していたんだろうなぁ~と思いました。人間を突き放して書いているように見えるけど、実は本質を捉えつつも憎んでいるわけではないと感じました。そこに「人間ってどうしようもない部分もあるけど愛しいよね」という気持ちにさせるモノを随所に織り込む井上脚本。。。100%温かい気持ちになる~~ということはありませんでしたが、「人間の姿」を見せつけられたような気がしました。

話の中で出てくるボードビルの歴史や当時の演劇事情、チェーホフの作品の中に出てくる有名な セリフが次々に出てきた……みたいなんですけど、じいにはさっぱり分からず 頭に入れて考えて噛み砕いて、という作業が追いつかないんですよ こういうところが井上作品なのか まぁ~~次々と印象的で素敵な言葉がポンポン飛び出してくるので、消化できずに気がついたら終演……ってことになってました。じい、トルストイ(第2幕後半で登場してて、やたら面白い“おっちゃん”でした)やドストエフスキーは読んだことがあったんですけど、チェーホフは読んだこともないし戯曲も観たことがなかったんですわ。やっぱり最低限の予習は大事なことを実感しました。こまつ座の舞台ってこんなに難しかったっけ???と思ったんですよね。でも、ふと考えてみると、今まで観た「箱根強羅ホテル」にしても「私はだれでしょう」にしても、後は未見だけど読んだことはある「紙屋町さくらホテル」にしても、その時代背景や現代まで議論されている問題点、大学等々で研究してたことにも重なるから、遊びまくり~の学生だったじいでも「それなりに」勉強はしてるわけで……だから、発せられる言葉の裏の裏の事情まで理解できるから本気で笑えたり泣けたり……いや~~、やっぱり舞台を観るための教養は大事ってことですね~~
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