今日は新国立で「夏の夜の夢」を観てきました

久しぶりの中劇場……もしかして箱根強羅以来


相変わらず腰の痛い座り心地の椅子でしたが(他にも腰周りの調子がイマイチの事情はあったのですが

)幕が開いたらそんなことも忘れるぐらい楽しい舞台でした


おなじみ

シェイクスピアの超有名な祝祭劇。ストーリーはこんな感じ。
アテネの公爵とアマゾンの女王の結婚式を間近に控えたある夜。貴族の娘ハーミアは許婚ディミートリアスとの結婚を拒絶し、相愛のライサンダーと共に妖精の住むアテネ近郊の森へと駆け落ちする。ハーミアを追いかけるディミートリアスと彼に片想いするヘレナも2人の後を追いかけ森の中へ。その森の中では妖精の王と女王が可愛い小姓をとりあって喧嘩の真っ最中。そこにいたずら好きの妖精パックが登場し、王の命令で「惚れ薬」を手に女王にいたずらを仕掛ける。そして、女王はロバの頭をした職人ボトムと不思議な一夜を過ごすことに・・・・。
妖精と人間、男と女、日常と夢の世界・・・・。一夜のスリリングな恋の大騒動の結末はいかに。(新国立劇場HPより)
どこかの誰かさんじゃないんですが(笑)重厚、荘厳、ど悲劇を求めてしまうんですよね~~特にシェイクスピアの場合

なので、この作品や後は「十二夜」とか、喜劇系の作品は避けていたところがあって……でも今回見て演劇の醍醐味が発揮された面白い世界が目の前に展開されていって、すっごく楽しかったです
舞台は全2幕。アテネのお屋敷セットと迷い込む森のセットが表裏一体になってて場面ごとに回転

客席降りもあって、2幕で3組の結婚パーティーがあって、その時に劇中劇が舞台上で行われるシーンがあるのですが、パーティーの出席者は舞台のすぐ下に椅子を持ってきて座って客席の皆さんと一緒に観客になるところもあって、劇の合間に近くのお客さんに話しかけたりツッコミを入れて同意を求めたりしてて……何か出演者が自分が出ている作品を客観的に見て突っ込むというところがある意味風刺が効いてるな~~シェイクスピアGJ

みたいな感じがしました
音楽は舞台の左右にオケピ(と言ってもアンサンブルな規模の、ですが)を構えていて生演奏。曲目はもちろん

メンデルスゾーンの「夏の夜の夢」

実は某有名アニメ映画にも使われたことがあるんですが、じいはこの曲が大好きなんですよ~~聞く度にフルート吹きたい病を発症するというか

不思議な感じにワクワクさせる曲調がたまらないんですぅぅ~~



他にも有名なところでは「結婚行進曲」もこの劇付随音楽の中に含まれてて演奏されるんですが、1幕でパックに惚れ薬をかけられた女王がロバの頭にされた職人に惚れる場面でこの「結婚行進曲」の短調バージョンが演奏されて、そこがめちゃめちゃ可笑しくて

音楽でも笑わせてくれるところが良かったですわ~~
全体的な雰囲気は何となくベガーズに似てる印象

こっちの方がファンタジーで軽い感じではあるんですが、ハーミアやヘレナのセリフ回しとか独り言のように客席に向かって喋るシーンはベガーズ1幕のポリーが喋る場面を思い出させるような

多分、その当時の演劇の手法だとは思うんですけどね~~

あと、結末というか落としどころと言っていいのかな???パックの悪戯&勘違いで惚れ薬をかけた男女が惚れる相手を間違えて大混乱が起きるところ→結局元に戻ってもつれた糸が解かれて結ばれるべき同士がくっついてあっという間にハッピーエンド

かなり無茶苦茶な感じというか強引な展開になってて、いきなり結婚パーティーが始まって踊って……と、これまたベガーズの展開に似てるような

そして、最後は森→屋敷にセットが転換して、さっきまで屋敷のセットだったところが半分ばらした状態、むき出しのベニヤ板や小道具が散在してて、「今のは芝居でね、でも現実はね…」という分かるような分からないような感じになってて。。。ま、そのわけの分からなさというか、ハッキリこうです!と定義しないところがこの作品の醍醐味があると思うんですけどね
セリフはさすがシェイクスピア

って感じの大仰な言い回しが盛りだくさん。開演してすぐの頃はついていくのが大変~~とか思ってたんですよね~~とにかく修飾語が凄いんです



月明かりがどうのこうのとか、二人の間にある愛は何ちゃらで~と(スミマセン、全然覚えてない

)例えて言うならベルばら状態

な大袈裟な言い回しの数々。ま、あそこまで笑ってしまうというか、赤面するようなトホホなセリフはありませんでしたが……

でもね~~この言い回し、全然無駄になっていないところに作品自体の力を感じました。その場面の状況説明であったり、他場面の伏線になってたりしてて……この舞台の演出を手がけたジョン氏が話していたことだそうですが、舞台装置はできるだけシンプルにするように、究極なことを言えば何もなくてもいいぐらいだというようなことを言ってたそうです。今日、この膨大なセリフを聞きながら凄い納得しましたね~~読者や朗読と同じく、観る側に作品の世界を作るようにさせてくれるから、ホント舞台はシンプルでいいな~と。ただ、その分演じる役者さんたちの力量はかなりのものじゃないとダメだな~~と。今回は、実力派のキャスト勢揃いで文句なし

一夜の夢かうつつか幻か???midnightな空間

に没入することができました。ちょうど時期も6月の夏至間近だったし。
実は……ふと思ったんですよ。ヨーロッパはこの時期、夏の音楽祭が始まるシーズンなんですよ。屋外の演奏会も頻繁に開かれるとか。だから、この作品を野外劇場で上演したら面白いだろうな~~って。まず日本だと無理ですけど

そうそう、でね~~そんなことを妄想してたら某マンガを思い出してしまいました

アノ有名な演劇少女のマンガ(笑) まさにこの作品を主人公がパック役で出演してて屋外ステージでやるという。。。
で、、、キャストの方々は皆さんとても良かったです。冒頭の方で村井さん演じるアテネの公爵シーシアスのセリフが聞き取りにくいところがあったんですが(こちらも耳が慣れてなかった

)2つ目の役の妖精王オーベロンはバッチリ

アマゾンの女王ヒッポリタ&妖精の女王タイターニアを演じた麻美さん、ハンサムウーマンって感じ。オーベロン

タイターニアの喧嘩って何げにカワイイところがあって、まるで暴走族のヘッドとレディースのヘッドの痴話喧嘩っぽい感じで面白くて

でも、村井さんと麻美さん、現実世界のカップル&妖精の世界のカップルの二役でキャスティングするというのがイイ味を出していると思うんですよね~~まさに「夏の夜の夢」というか、不思議な空気を醸し出しているし、男と女の滑稽さを表しているようにもみえるし。
妖精役の神田沙也加ちゃん、声が弱い等々の感想を聞いていたのですが気にならなかったですね~~ママ譲り

似合いますわ……背中の羽とチュチュ

ハーミア役の宮さん

ベガーズ以来かも~~

健康的な可愛さがあるけど、言い寄ってきたディミートリアスに蹴りを入れる逞しさもあって……体全体で演じている姿は素晴らしかったですぅ~~



そしてパックのチョウソンハさん、軽やかで芸達者で面白かった~~

イイ意味でコバンザメ的なうるささと悪戯感が良かったわ
一足先に夏の世界を堪能して、いよいよ夏来るって感じでしょうか


帰りは途中で土砂降りのにわか雨

電車に乗ってて通過待ちの時にあまりに雨が凄くて降り込んでくるから緊急にドアが閉まっちゃったし

あと、、、今年初めてのサンダル

細めの型&じい的に限界手前のヒールでいきなり長時間のお出かけはきつかったかな~~帰ったら足がむくんでました

明日は歩き回る予定なので平たい歩きやすい方のサンダルで