フォーリン・アフェアーズ1月号ジョン・ミアシャイマー、スティーブン・ウォルト(「イスラエル・ロビーとアメリカの外交政策」を書いて大きな反響を得た人達です。トランプとの相性は非常に悪いかも?)の論文「アメリカはグローバルな軍事関与を控えよ
―― オフショアバランシングで米軍の撤退を」のwebで公開されている分だけ読みました。
>イラク、アフガニスタン戦争など、冷戦後のグローバルエンゲージメント戦略が米外交を破綻させたことが誰の目にも明らかである以上、いまやアメリカは「リベラルな覇権」戦略から、オフショアバランシング戦略へのシフトを試みるべきだろう。オフショアバランシング戦略では、アメリカの血と財産を投入しても守る価値のある地域はヨーロッパ、北東アジア、そしてペルシャ湾岸地域に限定され、その戦略目的はこれらの地域で地域覇権国が出現するのを阻止することにある。さらに、その試みの矢面にアメリカが立つのではなく、覇権国の出現を阻止することに大きなインセンティブをもつ地域諸国に防衛上の重責を担わせることを特徴とする。ヨーロッパにも、ペルシャ湾岸地域にも潜在的覇権国が登場するとは考えにくく、米軍を駐留させ続ける合理性はない。一方、北東アジアについては、地域諸国の試みをうまく調整し、背後から支える必要がある。・・・・
注目すべきは、ヨーロッパ、ペルシャ湾岸地域もそうですが、北東アジア地域で地域覇権国の出現を阻止すると明確に書かれている点です。多分、文脈から考えて、中国の台頭を警戒し、アメリカが日本を含む対抗勢力を背後から支えるという意味だと思いますが、日本が覇権国になると過大評価されている場合、日本の邪魔をするアメリカが出現し得ることに注意が必要だと思います(今は中国に押されていますが、戦後、日本は長らくアジアNo1でした)。これはミアシャイマー・ウォルトの論文ですが、何処の国でも自国の国益を追求するのは当たり前ですから、こういう方針で動く人がいたとしても、別に驚くべきことではないとは思います。心配なのは、敵か味方か十かゼロか思考の人達です。アメリカは味方ですが、味方だからと言って、何から何までアメリカがやってくれる訳ではありません。仲間内での嫉妬もないとは言えません。ともあれ、アメリカはアメリカの国益を追求するので、ナイーブな反応を見せてはならないでしょう。
このままでは、中国の夢(ウィキペディア)に日本が呑みこまれてしまう恐れがあります。日米で協力して、中国を押し返すべきでしょう。
問題は韓国です。韓国はバランサー外交を堂々言うコウモリ国家です。韓国が自国の国益を追求するのは当然ですが、その方針がコウモリならば、誰が味方になると言うのでしょうか?日本がアジアNo1であった頃なら、日本を牽制する韓国もアメリカに歓迎されたかもしれませんが、もう流れは変わっています。日米韓で結束して中国にあたるべきなのに、何時までも日本に因縁をつけています。足を引っ張るな、目を覚ませということです。
トランプは明らかに親イスラエルですから、ミアシャイマー・ウォルトは好きではないかもしれません(知りません)が、世界の警察官を止める発言と積極的な外交安全保障戦略の「矛盾」を両立させることを考えると、解はオフショアバランシング戦略である可能性があります(ただし、中国は核武装国ですから、実際問題、アメリカが矢面に立たずに、押し返すことはできないと思います。その点、台湾発言で切り込んだトランプの直感は100点だと思います)。
参考記事:海上自衛隊幹部学校戦略研究会コラム「2つのオフショア戦略」
>オフショア・バランシング戦略ではバランサーの関心はバランスの維持にあり、その意味ではバランサーは傍目には無節操に、敵と味方の選択を変転させる可能性がある。
トランプがオフショア・バランシング戦略で動いたとしても、中国を押し返すことは中々容易ではない(南シナ海・尖閣への進出が治まる気配がありません)でしょうから、トランプ政権が日本と決定的に対立するようなことは、それほどは心配しなくてもいいのではないでしょうか?もしもですが(現時点では考えられませんが)、日本が中国に対して優勢になったら、アメリカは中国の味方になる可能性もあります。そうなったとしても、アメリカが日本の味方でいるよう、利害を共通させたりすることも大切だと思います(譲れないものはあるでしょうが、変えられるものは変えて、説明・宣伝が不足していたら、そうすべきです)。
こうしたことは、政府や政治家・専門家が本来考えるべきでしょう(考えているとは思います)。ただ、中国の夢はジリジリ進行していますし、韓国の暴走は抑えられていません。結果が重要ですから、結果が伴わないと、民衆の不満が暴走することも有り得ます(日本は民主国家ですから、選挙で最高権力者は変わります)。中国と日本の対立はアメリカが「巻き込まれる」ことを警戒しています(放っておいても多分アメリカが適当なところで押さえるでしょう)から、それほど心配していませんが、日本と韓国の対立は、アメリカが日本を大きく見ている場合(実際に以前はそうでした)、寧ろ煽る可能性があると思います(少なくとも現実に嫌韓サイトが氾濫しています)。中露という動かしがたい強大な敵に加え、ヤクザ北朝鮮という鉄砲玉までいる東アジア情勢は楽観できる状況にありません。ハッキリ言って、無駄な韓国叩きは有害この上無い(全員が犯罪者な訳ないでしょう!嫌韓サイトはそう煽りますがね)と思います。韓国がレッドチームに行きたいなら、筆者に引きとめる気も有りませんが、訳分からん言いがかりはそろそろ止めにして(日本が竹島の領有を主張して何が悪い)(挺身隊は慰安婦じゃない。フェイクはフェイクだ。誤魔化すな)、割り切って協調しろよと韓国の政府・政治家・専門家に言いたいところです。
―― オフショアバランシングで米軍の撤退を」のwebで公開されている分だけ読みました。
>イラク、アフガニスタン戦争など、冷戦後のグローバルエンゲージメント戦略が米外交を破綻させたことが誰の目にも明らかである以上、いまやアメリカは「リベラルな覇権」戦略から、オフショアバランシング戦略へのシフトを試みるべきだろう。オフショアバランシング戦略では、アメリカの血と財産を投入しても守る価値のある地域はヨーロッパ、北東アジア、そしてペルシャ湾岸地域に限定され、その戦略目的はこれらの地域で地域覇権国が出現するのを阻止することにある。さらに、その試みの矢面にアメリカが立つのではなく、覇権国の出現を阻止することに大きなインセンティブをもつ地域諸国に防衛上の重責を担わせることを特徴とする。ヨーロッパにも、ペルシャ湾岸地域にも潜在的覇権国が登場するとは考えにくく、米軍を駐留させ続ける合理性はない。一方、北東アジアについては、地域諸国の試みをうまく調整し、背後から支える必要がある。・・・・
注目すべきは、ヨーロッパ、ペルシャ湾岸地域もそうですが、北東アジア地域で地域覇権国の出現を阻止すると明確に書かれている点です。多分、文脈から考えて、中国の台頭を警戒し、アメリカが日本を含む対抗勢力を背後から支えるという意味だと思いますが、日本が覇権国になると過大評価されている場合、日本の邪魔をするアメリカが出現し得ることに注意が必要だと思います(今は中国に押されていますが、戦後、日本は長らくアジアNo1でした)。これはミアシャイマー・ウォルトの論文ですが、何処の国でも自国の国益を追求するのは当たり前ですから、こういう方針で動く人がいたとしても、別に驚くべきことではないとは思います。心配なのは、敵か味方か十かゼロか思考の人達です。アメリカは味方ですが、味方だからと言って、何から何までアメリカがやってくれる訳ではありません。仲間内での嫉妬もないとは言えません。ともあれ、アメリカはアメリカの国益を追求するので、ナイーブな反応を見せてはならないでしょう。
このままでは、中国の夢(ウィキペディア)に日本が呑みこまれてしまう恐れがあります。日米で協力して、中国を押し返すべきでしょう。
問題は韓国です。韓国はバランサー外交を堂々言うコウモリ国家です。韓国が自国の国益を追求するのは当然ですが、その方針がコウモリならば、誰が味方になると言うのでしょうか?日本がアジアNo1であった頃なら、日本を牽制する韓国もアメリカに歓迎されたかもしれませんが、もう流れは変わっています。日米韓で結束して中国にあたるべきなのに、何時までも日本に因縁をつけています。足を引っ張るな、目を覚ませということです。
トランプは明らかに親イスラエルですから、ミアシャイマー・ウォルトは好きではないかもしれません(知りません)が、世界の警察官を止める発言と積極的な外交安全保障戦略の「矛盾」を両立させることを考えると、解はオフショアバランシング戦略である可能性があります(ただし、中国は核武装国ですから、実際問題、アメリカが矢面に立たずに、押し返すことはできないと思います。その点、台湾発言で切り込んだトランプの直感は100点だと思います)。
参考記事:海上自衛隊幹部学校戦略研究会コラム「2つのオフショア戦略」
>オフショア・バランシング戦略ではバランサーの関心はバランスの維持にあり、その意味ではバランサーは傍目には無節操に、敵と味方の選択を変転させる可能性がある。
トランプがオフショア・バランシング戦略で動いたとしても、中国を押し返すことは中々容易ではない(南シナ海・尖閣への進出が治まる気配がありません)でしょうから、トランプ政権が日本と決定的に対立するようなことは、それほどは心配しなくてもいいのではないでしょうか?もしもですが(現時点では考えられませんが)、日本が中国に対して優勢になったら、アメリカは中国の味方になる可能性もあります。そうなったとしても、アメリカが日本の味方でいるよう、利害を共通させたりすることも大切だと思います(譲れないものはあるでしょうが、変えられるものは変えて、説明・宣伝が不足していたら、そうすべきです)。
こうしたことは、政府や政治家・専門家が本来考えるべきでしょう(考えているとは思います)。ただ、中国の夢はジリジリ進行していますし、韓国の暴走は抑えられていません。結果が重要ですから、結果が伴わないと、民衆の不満が暴走することも有り得ます(日本は民主国家ですから、選挙で最高権力者は変わります)。中国と日本の対立はアメリカが「巻き込まれる」ことを警戒しています(放っておいても多分アメリカが適当なところで押さえるでしょう)から、それほど心配していませんが、日本と韓国の対立は、アメリカが日本を大きく見ている場合(実際に以前はそうでした)、寧ろ煽る可能性があると思います(少なくとも現実に嫌韓サイトが氾濫しています)。中露という動かしがたい強大な敵に加え、ヤクザ北朝鮮という鉄砲玉までいる東アジア情勢は楽観できる状況にありません。ハッキリ言って、無駄な韓国叩きは有害この上無い(全員が犯罪者な訳ないでしょう!嫌韓サイトはそう煽りますがね)と思います。韓国がレッドチームに行きたいなら、筆者に引きとめる気も有りませんが、訳分からん言いがかりはそろそろ止めにして(日本が竹島の領有を主張して何が悪い)(挺身隊は慰安婦じゃない。フェイクはフェイクだ。誤魔化すな)、割り切って協調しろよと韓国の政府・政治家・専門家に言いたいところです。