ビビッド能里子トーク・サロン

医学的にも珍しい満十年の認知症介護について。自己分析や気分転換、幸せを感じる心の癖の付け方、メチャ料理など楽しく書きます

人生を思い通りにさせてくれた感謝

2024-09-21 05:33:07 | エッセー
 2時15分夫の様子見たら、お腹を出して寝ていた。
エアコンはかけっぱなしだが、何故か必ず布団もはいでしまう。
 色々な条件から回復しない夫、主治医を説得して、自宅で看取ると決心し
退院してから15日経った。「食べられなくなったら、延命のための治療は
一切しない」自分の意志を書面でも残してあり、一切治療を受けていない。  日々衰えてくるのが判るが、昨日は声が出なくなって,呼びかけて
もうなずくだけだった。
※88歳誕生日

 毎日看護師さん、時々先生、ケアをしてくれる人、入浴もサービスも2度
来てくれたが、色々な方の力を借りながら、私は一人でがんばっている。
 でも、決して嫌ではなく、夫のためならどんなこともできる。
※オリエント急行個室

 夫の好きなモダンジャズ、ラテン、クラシック、ダンスミュージックなど、絶えず流している。最も嬉しかったのは、リビングルームに寝ているので
ベッドから15夜のキレイなお月様を二人で見られたこと。
 ほとんど食べられず、水も飲めないため、だんだん痩せているのが
わかり辛いが、やはり家に帰らせてあげて良かった。
※二人で砧公園で最後のお花見

 昨日手の指にやすりをかけていたら、指先が黒ずんでいた。
先生が往診して下さって聞いたら「体の末端に血液が回らなくなって、手足
の指先から衰えていく」のだそうだ。

 昨日は大好きな固焼きのおせんべを目の前に出して「食べる?」と
聞いたらうなずいた。美味しそうにかじっていて、4分の1ほど食べたが
ほとんど食べていないのに、今迄の予備力でまだ噛めたのかも・・・
 でも、最後のお別れまで「私は幸せな介護をしているから」と泣かないで
残された時間をいつくしみながら、介護をしたいと思っている。

コメント
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