「気候変動は社会的転換点に突入した」

2019-11-07 18:40:34 | 従って、本来の「ブログ」

ニューズウイーク日本版の記事より
「気候変動は社会的転換点に突入した」

<各世帯ごとに、生む子供を一人減らすことを考えるところまで
きたと、世界の科学者1万1000人が危機を宣告>

 

 地球はすでに定員オーバーなので、科学者はもうこれ以上子供を

増やすなと呼び掛けている。まあ、少子化が進む日本にとってはど

うでもいい話かもしれないが、出産が規制されれば、たとえば中国

の一人っ子政策のように、いずれ管理化社会が著しく進み優生思想

も蘇えってくるかもしれない。私は、中国人民が政府に対して服従

的なのはかつて一人っ子政策を受け入れたことによるのではないか

とさえ思っている。そして戻るべき大地は失われた。外部を失った

檻の中の家畜たちは管理者に従うほか生き残る術がない。成長の限

界とはヒューマニズムの限界にほかならない。つまり、もっとも手

っ取り早い人口抑制は戦争だが、我々の選択肢は限られている。出

産までも規制された管理社会か、私はそれを家畜社会と呼ぶが、或

は戦争か、しか残されていない。

 

        *       *      *

 

      「気候変動は社会的転換点に突入した」

Thousands of Scientists Around the World Unite to Declare Climate Emergency

2019年11月6日(水)18時15分
ロージー・マッコール

<各世帯ごとに、生む子供を一人減らすことを考えるところまで
きたと、世界の科学者1万1000人が危機を宣告>

世界153カ国の1万1000人を超える科学者が「気候の緊急事態」を
訴えた。彼らが署名した論文は「気候変動による筆舌に尽くしがた
い苦難」を避けるためには「根本的な変化」が必要だと警告してい
る。
米専門誌バイオサイエンスに掲載されたこの論文によれば、1979
年にジュネーブで第1回世界気候会議が開催されてから40年経った
今も、事態は一向に改善していない。その間、「気候変動の危機は
到来」し、その損害は予想以上に深刻であるだけでなく、進行も当
初の予想以上に速い。
論文のなかでシドニー大学のトーマス・ニューサムは、科学者に
は人類に対する重大な脅威について一般市民に警告する「道徳的義
務」があると述べている。「われわれのもとにあるデータからは、
人類が気候の緊急事態に直面していることは明らかだ」
科学者たちは1992年にも論文「世界の科学者からの人類への警告」
を発表し、地球が抱える問題を訴えた。今回の論文では、その後、
改善が進んだ分野をあえて取り上げている。
 「オゾン層を破壊する物質の排出量が急激に減少したことは、断
固たる行動をとれば事態は改善できることを示している。極度の貧
困と飢饉を減らす取り組みも前進した」と、オレゴン州立大学の著
名な生態学者であるウィリアム・リップル教授は本誌に語った。

【前向きな変化は限定的】

 再生可能エネルギー部門の急速な成長、世界の出生率の低下、ブ
ラジルの熱帯雨林の消失に歯止めがかかったことなども、前向きな
変化の例として触れている。
 しかし、こうした進歩はいくつかの点で行き詰まりを見せている
。21世紀に入ってから、出生率の低下は鈍化し、1992年以降、世界
の人口は20億人増えた(35%の増加に相当)。ブラジルは環境保護
政策を覆し、アマゾンの熱帯雨林の破壊が進んでいる。
 同時に、化石燃料の需要は畜産物の消費増とともに急増し、地球
の温度、海面水位、海洋酸性度は上昇し続けている。太陽エネルギ
ーと風力エネルギーの消費量は10年ごとに約373%増加しているが
、化石燃料の消費量(2018年の時点で28倍)に比べればごくわずか
だ。
「状況は悪いが、完全に絶望的というわけではない」と、ニューサ
ムは言う。「人類は気候の緊急事態に対処するための措置を講じる
ことができる」
 科学者たちは、早急な対応が必要な6つの重点分野を挙げた。化
石燃料からの脱却とカーボンプライシング(炭素価格付け)の導入
、食品廃棄物と動物性食品の削減、それによって農業が地球に与え
ているストレスを軽減すること、などの提言が含まれる。
 リップルはまた、資源供給を圧迫する人口増加にも取り組む必要
があることを強調する。
「人口抑制策として、すべての人々に、自発的な家族計画に取り組
むためのサービスを提供するべきだ」と、彼は言う。「完全な性差
別の撤廃と、女子の中等教育を全世界に普及させることも必要だ」
 科学者たちは、子供の数に関する個人レベルの決定が重要だと主
張する。2017年の調査では、個人がCO2排出量を削減する最も効果
的な方法は、子供の数を世帯ごとに1人減らすこと、という結論が
出ている。
 しかし、最初に科学者たちが警告を発した1992年以降の進歩が限
定的であったことからすると、リップルは今回の警告が与える効果
についてどの程度期待しているのだろうか。
「気候変動と戦うために、人類は必要な行動を取るであろうという
望みを抱いている」と、リップルは語る。「政府、企業、個人が気
候変動について緊急に真剣な議論を行う必要が高まっている。気候
変動との戦いは社会的転換点に突入していると思う」
「最近の世界的な懸念の高まりには勇気づけられる。さまざまな行
政機関が気候の緊急事態を宣言している。教皇は気候変動対策を求
めるメッセージを世界に向けて発信した。若者たちもストライキを
行い、草の根市民運動は変化を要求している」

(翻訳:栗原紀子)