ロビンの観劇日記

芝居やオペラの感想を書いています。シェイクスピアが何より好きです💖

英語こぼれ話 続き

2020-08-26 10:13:34 | 英語
英国で初めて知った英語の続きです。
① juice :しぼりたての100%果汁のこと。
ロンドンで初めてファストフードの店に入った時、メニューに載っていたjuice の値段が高くてびっくり。
私はコーヒーでいいが、子供たちが一緒なのでちょっと困ってしまった。
だがよく見ると、他にsquash というのが何種類かあり、そっちは安い。
その時初めて分かった。
日本では果汁が入った飲み物は何でもジュースと言っているが、英語圏では決してジュースと言わず、スクウォッシュと言うらしい。
(これも、なんだ、そんなこと知らなかったの?と言われるかも知れないが)
今手元の英和辞典(研究社)で juice を見ると、「『果汁風味の(果汁をいくらか含む)飲料』の意味はない」とちゃんと書いてあった。
うーん、いい仕事してますねえ。
一方 squash の方は「果汁に砂糖を加え、水で割った飲料」とのこと。
なるほどね。

ジュースに厳密な定義があるのは、ドイツにおけるビールのようなものかも。
あちらでは「ビール純粋令」というのがあって、大麦とホップと水(と酵母)だけを使ったものでないとビールと言ってはいけないらしい。
この法律は何と1516年に制定されたもの。
以来、500年もの間、しっかり守られてきたわけだ。
さすが本場ドイツです。
但し、1993年の酒税法改正により、一部のビールには麦芽や砂糖を使ってもよくなったとか。
現にベルリンでは、果物や植物を使った赤や緑のビールが名物で、これをストローで飲む(なかなか美味)。

② mackerel :鯖(サバ)
英国でまず覚えた単語の一つ。
テスコという巨大なスーパーにスモークされたものがあり、オーブンで温めるだけで食べられる、重宝な、有難い食品だった。
元々筆者は「ハケンの品格」の大前春子ほどではないが鯖好きだし、日本の食材がなかなか手に入らない土地で、ご飯のおかずとして大いに助けられた。
懐かしいロンドンの思い出の味。

③ cod's roe :たらこ
英国名物フィッシュ&チップスの、かなり高級な店が近所にあり、そこで初めてテイクアウト(英国ではテイクアウェイと言う)した時、メニューの中で
一番安いのがこれだった。
これは何?と若い店員に聞くと、「え~っと・・・説明するのは難しいけどおいしいよ」とのこと。
帰宅して紙袋を開けると、やたらと大きくて色は自然なベージュで、日本で売っているものとは見た目が全然違うが、舌触りはまさにたらこだった。
鱈(タラ)(cod )の卵(roe )だから、考えてみれば当たり前だった。
かの地では、これにお酢やソースやケチャップをかけて食べる。
ちなみに最近知ったことだが、数の子のことは herring roe というらしい。
これもニシン(herring )の卵なんだから、当然だった。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

立石涼子さん追悼

2020-08-14 10:48:36 | Weblog
立石涼子さんが亡くなられたと知って驚いている。
まだ68歳。数々のシェイクスピア作品で、欠かすことのできない役者さんだった。
初めて見たのは2010年3月、埼玉での「ヘンリー六世」(蜷川幸雄演出)だったか。
グロスター公爵夫人エリナーという高貴な役で、フランスからお輿入れした(成り上がり者の)王妃マーガレット(大竹しのぶ)に憎まれ、罠にかけられ、
夫と共に滅びてゆくという重要な役回り。
張りのある甘い声が魅力的だった。
そう言えば、その時の夫グロスター公爵役は、先年舞台上演中に突然死された中嶋しゅう氏だった。
この人についても、いずれ改めて書くことになるかも知れない。

それから忘れ難いのは2012年4月に見た「ガラスの動物園」(テネシー・ウィリアムズ作、長塚圭史演出、シアターコクーン)。
夫が失踪し、貧しい暮らしの中、過去の華やかな思い出に浸る母アマンダ役で、社会的適応性のない娘(深津絵里)の将来を案じ、息子(瑛太)と対立。
「(私に無駄に)散財させて(どうしてくれるのよ)!」というセリフなど、未だに耳に残っている。
先の見通しの立たない哀れな娘のために画策する母親役がぴったりで、胸が締めつけられた。

その後も2012年の冬に「日の浦姫物語」、そして2013年春、埼玉で「ヘンリー四世」(蜷川幸雄演出)を見た。
「ヘンリー四世」では、下町の怪しい店の女主人クイックリー夫人役。
やんごとなき貴婦人から、こうした下賤な女まで演じ分けられる人は、なかなかいない。
今思い浮かぶのは、那須佐代子と大竹しのぶくらいだ。

最後に見たのは、2018年の「近松心中物語」(いのうえひでのり演出、新国立劇場中劇場)。
遊女梅川(宮沢りえ)に惚れた挙句、ついに封印切りしてしまう義理の息子・忠兵衛(堤真一)のとばっちりを受けて、お縄を頂戴する哀れな老母の役だった。
役柄とは言え、いつもよりずっと老けて見え、もっと若くて溌剌とした役の方が似合うのにもったいない、とその時は思ったが、もしかすると、体調も
既にあまりよくなかったのかも知れない。
これからもう二度とこの人を見ることがかなわないのかと思うと、本当に悲しい。
立石涼子さん
あなたに出会えたこと、感謝しています。
いくつもの素敵な舞台をありがとうございました。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする