ロビンの観劇日記

芝居やオペラの感想を書いています。シェイクスピアが何より好きです💖

番外編・・・英語こぼれ話 ③

2021-11-20 10:35:48 | 英語
① Bonsai (盆栽)

昔、ロンドンの小さな英会話学校で、何の話の流れだったか、若い英国人講師が「あなたたち、ボンサイ持ってる?」と生徒たちに尋ねた。
というのも、生徒が全員日本人だったからだろう。5~6人いて、ほとんどが駐在員の奥さんだった。
私が他の人たちに聞くこともせず「いえ、私たち、まだそんな年じゃないので」と笑いながら軽く答えると、先生驚いて「えっ?ボンサイってお年寄りがするものなの!?」
と目を丸くしていた。1994年か95年のこと。
当時、ロンドンでも他の都市でも、あちこちの駅前でBonsai が売られていた。日本と違って、新しいものに敏感な若者たちに人気のようだった。
人が植物に手を加えて小宇宙を構成するという表現形式は、それまでの西洋社会になかったので興味津々らしい。「クール」ってことだろう。
その後も盆栽人気は続いていて、わざわざ日本まで買いに来る人たちもいるらしい。

② play second fiddle (セカンドバイオリンを弾く ⇒ 人の脇役を演じる)

昔アガサ・クリスティーの小説を読んでいたら、ある家でパーティが開かれていて、そこでいつもと違ったことが起き、「彼はセカンドバイオリンを弾いて
いるのだ」という表現が出てきて、ふーんと思った。
初めて見る言い回しだったが、その意味するところはすぐにわかった。パーティで、いつも会話の中心にいた男が、その夜は別の男に主役の座を奪われて
かすんでしまったということ。なるほどと思い、非常に印象的で忘れられない。
ところが先日、ある英和大辞典を見ていたら、この表現が載っていて「人の脇役を演じる、人を引き立てる」とあった。
では最近の翻訳家たちは、この表現を、こう訳してしまうのだろうか。そうかも知れない。
でも、元の表現の面白いニュアンスが消えてしまって残念な気もする。
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英語こぼれ話 続き

2020-08-26 10:13:34 | 英語
英国で初めて知った英語の続きです。
① juice :しぼりたての100%果汁のこと。
ロンドンで初めてファストフードの店に入った時、メニューに載っていたjuice の値段が高くてびっくり。
私はコーヒーでいいが、子供たちが一緒なのでちょっと困ってしまった。
だがよく見ると、他にsquash というのが何種類かあり、そっちは安い。
その時初めて分かった。
日本では果汁が入った飲み物は何でもジュースと言っているが、英語圏では決してジュースと言わず、スクウォッシュと言うらしい。
(これも、なんだ、そんなこと知らなかったの?と言われるかも知れないが)
今手元の英和辞典(研究社)で juice を見ると、「『果汁風味の(果汁をいくらか含む)飲料』の意味はない」とちゃんと書いてあった。
うーん、いい仕事してますねえ。
一方 squash の方は「果汁に砂糖を加え、水で割った飲料」とのこと。
なるほどね。

ジュースに厳密な定義があるのは、ドイツにおけるビールのようなものかも。
あちらでは「ビール純粋令」というのがあって、大麦とホップと水(と酵母)だけを使ったものでないとビールと言ってはいけないらしい。
この法律は何と1516年に制定されたもの。
以来、500年もの間、しっかり守られてきたわけだ。
さすが本場ドイツです。
但し、1993年の酒税法改正により、一部のビールには麦芽や砂糖を使ってもよくなったとか。
現にベルリンでは、果物や植物を使った赤や緑のビールが名物で、これをストローで飲む(なかなか美味)。

② mackerel :鯖(サバ)
英国でまず覚えた単語の一つ。
テスコという巨大なスーパーにスモークされたものがあり、オーブンで温めるだけで食べられる、重宝な、有難い食品だった。
元々筆者は「ハケンの品格」の大前春子ほどではないが鯖好きだし、日本の食材がなかなか手に入らない土地で、ご飯のおかずとして大いに助けられた。
懐かしいロンドンの思い出の味。

③ cod's roe :たらこ
英国名物フィッシュ&チップスの、かなり高級な店が近所にあり、そこで初めてテイクアウト(英国ではテイクアウェイと言う)した時、メニューの中で
一番安いのがこれだった。
これは何?と若い店員に聞くと、「え~っと・・・説明するのは難しいけどおいしいよ」とのこと。
帰宅して紙袋を開けると、やたらと大きくて色は自然なベージュで、日本で売っているものとは見た目が全然違うが、舌触りはまさにたらこだった。
鱈(タラ)(cod )の卵(roe )だから、考えてみれば当たり前だった。
かの地では、これにお酢やソースやケチャップをかけて食べる。
ちなみに最近知ったことだが、数の子のことは herring roe というらしい。
これもニシン(herring )の卵なんだから、当然だった。

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英語こぼれ話

2020-07-03 22:49:59 | 英語
1994年から95年にかけて家族でロンドンに住んでいた。
その一年間に多くの面白い体験をしたが、特に言葉に強い関心があるので、生の英語に触れていろいろ驚いた。
そのいくつかをご紹介したい。
まずはこれ。

私たちがレンタルしたピアノを見た landlady (大家夫人)が「でも music がないとピアノを弾くのは難しいでしょう?」と言う。
しばらく何のことだか分からず困ったが、何度か問答してやっと分かった。
何と、music とは「楽譜」のことだった・・・って、ひょっとしてこれは常識なんだろうか。知らなかったのは私だけ?
後で辞書を見ると、確かに2番目に「楽譜」と載っていた。
でもなぜ楽譜という単語を新しく作らず、「音楽」という単語を使い回しする?
手抜きじゃないか?
手抜きと言えば、人名だってそうだ。
人の名前に使える語の候補があまりにも少ないので、同じ名前の人が多くて混乱する。
かつて日本の英語専門学校で講師をしていた時(英語を教えていたのではありません、念の為)、同僚が友人の同僚にメモを置いて行った。
見ると、冒頭に「To Jane」、末尾に「From Jane」とあった。
こういうのってどうなんでしょう。
日本ではあまり起こり得ない状況じゃないだろうか。
ややこしくて不便だなあって思わないんでしょうか。
シェイクスピアの芝居でもそうだ。
リチャード三世はエドワード四世の妃エリザベスの娘エリザベスに求婚するし、ウォリック伯リチャード・ネヴィルの父は息子と同じリチャード・ネヴィルだし。
日本はその点真逆で、誰もが自由に新しい名前を作り出せる。
しかも漢字という音と意味とを持つ文字を使うし、さらに人名については「読み方は自由」ときているので、混乱を招くことにもなる。
まず読めないし。判じ物(クイズ)みたいな名前がどんどん出てくる。
だから英語圏とは違った意味で問題だけど。

手元にロンドンのポートレートミュージアムのショップで買った定規がある。
裏に歴代の王様の名前と在位期間が書いてあり、これで見ると一番多い名前はヘンリーとエドワード(8人)、次がジョージ(6人)、ウィリアム(4人)だと分かる。
今の皇太子チャールズが国王になるかどうか微妙だが、なるとすればチャールズ三世、その長男が即位する時はウィリアム五世だ。


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