1月12日新国立劇場中劇場で、「近松心中物語」を見た(作:秋元松代、演出:いのうえひでのり)。
忠兵衛と遊女梅川の話に、与兵衛と妻お亀の話が絡み、交互に進展する。
誠実で生真面目な忠兵衛は、ひょんなことから遊女梅川と出会い、互いに一目惚れし、逢瀬を重ねる。だが彼女に身請け話が起こり、何とか手付け
50両を工面して払うが、相手の金持ちが更に300両払うと聞き、頭に血が上り、つい商売上の預かり金の封を切ってしまう。ちょうど同じ額の
金が入っていたのだ。梅川は、お上に追われる身となった忠兵衛と共に逃げるが・・・。
一方与兵衛は、妻がある身で女郎屋に入り浸り、姑に説教され、連れ戻される。妻お亀にさんざん恨みつらみを言われ、責められる。
忠兵衛がやって来て、50両貸してほしいと言う。彼は同郷の友人で、その金を梅川の身請けの手付けにするつもりだった。彼は快く承諾し、店の
たんすの引き出しを開けようとするが、鍵がかかっていて開かないので鍵を無理に壊して開け、金を貸す。彼は、もう家に戻れないと覚悟し、お亀に
別れを告げるが、彼女はどこまでもあなたについて行くと言って親を捨て、密かに家を抜け出すのだった・・・。
与兵衛の妻お亀役の小池栄子が出色。実にうまい。大いに笑わされた。
与兵衛の姑役の銀粉蝶も素晴らしい。
この他、忠兵衛の母役の立石凉子ら、脇を固めるベテランの俳優陣がいい。
市川猿弥は憎まれ役をきっちり好演。
主演の宮沢りえ、堤真一は絵になるカップル。特に梅川役の宮沢りえは凄絶な美しさ。
全編を通じて耳に入ってくる大阪弁の美しさ、柔らかさが印象的。
音楽はロマンチックで胸に迫って来る。
劇作品としての出来は、必ずしも最高傑作というわけではないようだ。
主役の二人(梅川と忠兵衛)が惹かれ合う過程をもっと描写してくれたら感情移入し易かろうに(例えば映画「マディソン郡の橋」みたいに)。
いくら一目惚れとは言え、それだけでは後半、死に向かう過程をどれほど美しく描いても、なかなか難しい。
それと、ラストがくどい。美しく心中する梅川忠兵衛と対照的に、心中に失敗し、なかなか死ねない与兵衛の描写が長過ぎていけない。
忠兵衛と遊女梅川の話に、与兵衛と妻お亀の話が絡み、交互に進展する。
誠実で生真面目な忠兵衛は、ひょんなことから遊女梅川と出会い、互いに一目惚れし、逢瀬を重ねる。だが彼女に身請け話が起こり、何とか手付け
50両を工面して払うが、相手の金持ちが更に300両払うと聞き、頭に血が上り、つい商売上の預かり金の封を切ってしまう。ちょうど同じ額の
金が入っていたのだ。梅川は、お上に追われる身となった忠兵衛と共に逃げるが・・・。
一方与兵衛は、妻がある身で女郎屋に入り浸り、姑に説教され、連れ戻される。妻お亀にさんざん恨みつらみを言われ、責められる。
忠兵衛がやって来て、50両貸してほしいと言う。彼は同郷の友人で、その金を梅川の身請けの手付けにするつもりだった。彼は快く承諾し、店の
たんすの引き出しを開けようとするが、鍵がかかっていて開かないので鍵を無理に壊して開け、金を貸す。彼は、もう家に戻れないと覚悟し、お亀に
別れを告げるが、彼女はどこまでもあなたについて行くと言って親を捨て、密かに家を抜け出すのだった・・・。
与兵衛の妻お亀役の小池栄子が出色。実にうまい。大いに笑わされた。
与兵衛の姑役の銀粉蝶も素晴らしい。
この他、忠兵衛の母役の立石凉子ら、脇を固めるベテランの俳優陣がいい。
市川猿弥は憎まれ役をきっちり好演。
主演の宮沢りえ、堤真一は絵になるカップル。特に梅川役の宮沢りえは凄絶な美しさ。
全編を通じて耳に入ってくる大阪弁の美しさ、柔らかさが印象的。
音楽はロマンチックで胸に迫って来る。
劇作品としての出来は、必ずしも最高傑作というわけではないようだ。
主役の二人(梅川と忠兵衛)が惹かれ合う過程をもっと描写してくれたら感情移入し易かろうに(例えば映画「マディソン郡の橋」みたいに)。
いくら一目惚れとは言え、それだけでは後半、死に向かう過程をどれほど美しく描いても、なかなか難しい。
それと、ラストがくどい。美しく心中する梅川忠兵衛と対照的に、心中に失敗し、なかなか死ねない与兵衛の描写が長過ぎていけない。