ロビンの観劇日記

芝居やオペラの感想を書いています。シェイクスピアが何より好きです💖

2013年の芝居の回顧

2014-02-17 18:32:21 | 回顧
え~毎年恒例の総まとめの季節がやってまいりました。
いつものように、特筆すべきものを見た順に挙げていきます。


 4月  あわれ彼女は娼婦   ジョン・フォード作  演劇集団円 立川三貴演出…演出にはいろいろ疑問があるが、この作品を初め
                                        て見ることができたことは、昨年の収穫。 
     しゃばけ       畠中恵原作      鄭義信脚本演出…麻実れいファンとしてはやはり外せない。 
     ヘンリー四世     シェイクスピア作   蜷川幸雄演出 …大作をありがとう。どんどんやって下さい。 
 6月  汚れた手       サルトル作      劇団昴 森新太郎演出…哲学者サルトルは劇作家としてもすごい。
 8月  間違いの喜劇     シェイクスピア作   オックスフォード大学演劇協会…昨夏は暑くて大変だったと思うが、懲りず
                                          に来年も来てほしい。
 9月  ヴェニスの商人    シェイクスピア作   蜷川幸雄演出…ツッコミ入れまくったけど、楽しかった。
     ジャンヌ       バーナード・ショウ作  鵜山仁演出 …B.ショウの大作。これも昨年の収穫。
10月  その場しのぎの男たち 三谷幸喜作      東京ボードヴィルショー 山田和也演出…何度も再演される訳が分かった。
11月  ピグマリオン     バーナード・ショウ作 宮田慶子演出…B.ショウは多作で多面的だ。昨年は2つも見ることができた。  

 
 ☆最優秀男優賞 …… 中村倫也… 「ヴェニスの商人」のヒロイン、ポーシャ役。ポーシャはこれまで何人も見てきたが、
                   これほど美しく、声がよく、演技もうまく、魅力的な人はいなかった。
 ☆最優秀女優賞 …… 石原さとみ…「ピグマリオン」のヒロイン、イライザ役。以前ジュリエットをやった時はイマイチと思ったが、
                   今回は変化に富み、魅力的だった。 


 ★その他、特に印象に残った役者たちは次の通り。

  麻実れい …… しゃばけ(一太郎の母と祖母役)  
  吉田鋼太郎 … ヘンリー四世(巨漢フォルスタッフ役)
  星智也  …… ヘンリー四世(ハリー・パーシー役)
  大泉洋  …… ドレッサー(ノーマン役)
  伊東四朗 …… その場しのぎの男たち(伊藤博文役) 
  安田成美 …… クリプトグラム(ドニー役)

「年内に」という昨年年頭の目標は叶いませんでしたが、「桜の花が咲く前に」と焦った昨年よりはちょっぴり早くできてよかったです。

さて、今年2014年はシェイクスピア生誕450年という記念すべき年!1564年~1616年…ヒトゴロシ、イロイロですから。
評者も今年は何かしら記念すべきことをやってみようと目論んでおりますが、生来怠け者のこと故どうなりますことやら。

 
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シーラッハ作「罪悪」

2014-02-08 11:00:42 | 芝居
12月25日東京芸術劇場シアターウエストで、シーラッハ作「罪悪」をみた(演出:森新太郎)。

橋爪功による朗読劇。「犯罪」「罪悪」という2つの短編集から3つずつを選んで上演。この日は「罪悪」からの3篇が
上演された。

1 ふるさと祭り…暑い夏の日、小さな町のお祭で地元のブラスバンドが演奏していた。バンドの団員たちはきちんとした仕事に
         ついているごく普通の男たちだった。バイトの女学生がビールを運んでいた。白いTシャツにノーブラだった…。
    魔がさすということか。忌まわしい事件の犯人が分からないことへの苛立ちを、皆が感じている。
     
2 イルミナティ…寄宿学校に入れられたヘンリーは全く目立たない少年だったが、彼に絵の才能があることを女性教師が発見し、
         彼の日々は突然開けてくる。ところが或る日、一人の少年に弱みを握られてしまい…。
    ぞっとするような話だが、10代の少年たちが極端な思想に簡単に染まって暴走というのはあるかも。すごい迫力だ。  
 
3 雪     …老人は逮捕された。ハッサンという男に部屋の鍵を貸したのが発端だった。ハッサンと仲間たちはその部屋で
         麻薬を作って密売した。老人は黙秘を続けるつもりだった。彼にはもはや何も失うものはなかったから。ある日、
         ヤナという見知らぬ女性が面会に来た。ポーランド訛りの彼女はハッサンの子を宿していた…。
    この順番にして正解だった。「雪」の温かい余韻が聴衆を包み込み、救ってくれた。

家にシーラッハの原書(ドイツ語)があったので、見る前に読んでみたら、何と辞書無しで最後まで(我慢して)目を通すことが
できた。評者にとって、生まれて初めて辞書無しで目を通せた外国語の本となった。どんな平易な英語の本でも、今まで辞書を使わ
ずにはいられなかった者としては画期的なことであり、一つの事件であり、人間て変われるんだ~としみじみ思ったことだった(もち
ろん知らない語はいっぱい出てきたが、その都度我慢して先に進むと、全体の筋が結構分かったということ)。

こういう意味でも橋爪功さんには感謝感謝です。
作者はナチスの指導者の孫という出自から、暗い作品ばかりなのは仕方ないのだろうが、才能豊かなのは確かだ。
年末の定番にしたいという目論見がおありらしい。今回「犯罪」の方をみていないので、次回はぜひみせてもらうつもり。


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