6月11日天王洲アイル銀河劇場で、デヴィット・マメット作「グレンギャリー・グレン・ロス」をみた(演出:青山真治)。
昔テレビで、アメリカ映画「摩天楼を夢見て」をみたことがある。アル・パチーノ、ジャック・レモンなど、今思えばそうそうたる顔ぶれだった。これはその原作。
とある中華料理店の一室。不動産会社の崖っぷちセールスマン4人がそれぞれのやり方でピンチを打開しようと画策している。
レヴィーン(坂東三津五郎)は支社長ウィリアムソン(今井朋彦)に取り入って契約の取れそうな顧客名簿を入手しようと交渉中。かつてはトップセールスマンだったレヴィーンも今では落ち目。今回のセールス・コンテストで4人のうち1位には賞品としてキャデラックが、2位にはステーキ・ナイフのセットが与えられるが、3位と4位は首になる(!)のだから後がない。
別室にはモスとアーロナウがいる。モスは顧客名簿を盗む計画を気の弱いアーロナウにほのめかす。また別の席ではローマ(石丸幹二)が隣席のおとなしそうな
客リンクを相手に熱弁を振るい、契約を取りつけようとしている。
舞台は一転して、すっかり荒らされた会社の事務所。顧客名簿も契約書も電話までもが盗まれている。刑事の事情聴取を受ける男たち。犯人は一体誰か?
冒頭、サックスを吹きながら客席から舞台へ登場する石丸幹二。ストーリーとは何の関係もない。彼目当ての女性客が多い客席へのサービスってことか。
モス役の人は滑舌が悪い。前半のセリフは特に横向きにしゃべるので、あまり聞こえない。演出家はどうして注意しないのだろう。
男たちが罵倒し合う芝居。セールスマンというのは本当に悲しい商売だ。特に作者が1969年に勤めていた不動産会社のように、客に対しては詐欺まがいの
売り方をし、社員に対しては厳しいノルマを課し、互いに苛烈な競争をさせて利益を上げようとするとんでもない会社で働く人々は大変だ。
だいたい、今で言うクーリングオフ(当時すでに米国にはそれがあったというのは感動的だが)の期間を何とかのらりくらりとごまかし通せばこっちのもの、
というやり方が実にけしからん。
最近読んだ、或るIT 解説本にもあった。「売る側がはっきり『魅力がない』と実感している商品を、言葉巧みに他人に売ってはいけません。」
あまりにまっとう過ぎてちょっと恥ずかしいが、まったく仰せの通りだ。
これが商道徳、そして人の生きる道でしょう。
昔テレビで、アメリカ映画「摩天楼を夢見て」をみたことがある。アル・パチーノ、ジャック・レモンなど、今思えばそうそうたる顔ぶれだった。これはその原作。
とある中華料理店の一室。不動産会社の崖っぷちセールスマン4人がそれぞれのやり方でピンチを打開しようと画策している。
レヴィーン(坂東三津五郎)は支社長ウィリアムソン(今井朋彦)に取り入って契約の取れそうな顧客名簿を入手しようと交渉中。かつてはトップセールスマンだったレヴィーンも今では落ち目。今回のセールス・コンテストで4人のうち1位には賞品としてキャデラックが、2位にはステーキ・ナイフのセットが与えられるが、3位と4位は首になる(!)のだから後がない。
別室にはモスとアーロナウがいる。モスは顧客名簿を盗む計画を気の弱いアーロナウにほのめかす。また別の席ではローマ(石丸幹二)が隣席のおとなしそうな
客リンクを相手に熱弁を振るい、契約を取りつけようとしている。
舞台は一転して、すっかり荒らされた会社の事務所。顧客名簿も契約書も電話までもが盗まれている。刑事の事情聴取を受ける男たち。犯人は一体誰か?
冒頭、サックスを吹きながら客席から舞台へ登場する石丸幹二。ストーリーとは何の関係もない。彼目当ての女性客が多い客席へのサービスってことか。
モス役の人は滑舌が悪い。前半のセリフは特に横向きにしゃべるので、あまり聞こえない。演出家はどうして注意しないのだろう。
男たちが罵倒し合う芝居。セールスマンというのは本当に悲しい商売だ。特に作者が1969年に勤めていた不動産会社のように、客に対しては詐欺まがいの
売り方をし、社員に対しては厳しいノルマを課し、互いに苛烈な競争をさせて利益を上げようとするとんでもない会社で働く人々は大変だ。
だいたい、今で言うクーリングオフ(当時すでに米国にはそれがあったというのは感動的だが)の期間を何とかのらりくらりとごまかし通せばこっちのもの、
というやり方が実にけしからん。
最近読んだ、或るIT 解説本にもあった。「売る側がはっきり『魅力がない』と実感している商品を、言葉巧みに他人に売ってはいけません。」
あまりにまっとう過ぎてちょっと恥ずかしいが、まったく仰せの通りだ。
これが商道徳、そして人の生きる道でしょう。