ロビンの観劇日記

芝居やオペラの感想を書いています。シェイクスピアが何より好きです💖

オペラ「妖精の女王」北とぴあ版

2016-02-08 12:01:21 | オペラ
12月13日北とぴあさくらホールで、ヘンリー・パーセル作曲のオペラ「妖精の女王」をみた(原作:W.シェイクスピア「夏の夜の夢」、
台本:作者不詳、演出:宮城聡、指揮:寺神戸亮、オケ:レ・ボレアード)。

17世紀イギリスの作曲家パーセルが、シェイクスピアの「夏の夜の夢」を土台として歌と音楽の一大エンターテインメント作品に仕上げたもの。
当時大陸ではオペラが流行していたが、イギリスでは戯曲の伝統があまりにも強かったため、劇付帯音楽が主流だった。さらに、そのような
劇付帯音楽とオペラとの中間的存在として、独特の劇音楽であるマスクが人気だった。それは、戯曲と音楽・舞踊がほぼ同じ比重を持つ音楽劇で、
話の筋はセリフによって役者たちが進めるが、各所に豪華な舞台装置を用意して音楽や舞踊を含む大がかりな場面を挿入することで、視覚と聴覚の
両面から観客を楽しませようというものであった(金澤正剛先生の曲目解説より)。

ハーミアは父の決めた許婚者ディミトリアスでなくライサンダーと恋仲になり、父は公爵に訴える。公爵は彼女に、父の言うことを聞かないのなら
尼寺へ行けと言う。そこで二人は駆け落ちを決心し、その計画をヘレナに打ち明けてしまう。ヘレナは愛するディミトリアスが、今ではハーミアに
ぞっこんなのを知っている。そこで彼女は彼にこの駆け落ちのことを話し、ヘレナの後を追う彼の後を自分も追おう、とかなり屈折した行動に出る。
ただ、この彼女の行動が、この物語の重要な要素ではあるのだ。これがないと話が先に進みません。
一方妖精界では、王オベロンと女王タイテーニアが、インドから連れてきた赤ん坊のことで喧嘩の最中。オベロンはパックに命じて魔法の花を
探して来させる。村の職人たちも森に芝居の稽古のためにやって来る。
こうして駆け落ちした恋人たちと彼らを追う男女、妖精たち、職人たちが森の中で行ったり来たりの大騒動を巻き起こす。

タイテーニア役のたきいみきが素晴らしい。妖艶で、声もよく、演技も申し分ない。
村の職人フルート(劇中劇ではシスビー)役の春日井一平も好演。
ボトム役の小長谷勝彦もうまい。

指揮者が棒を振り上げて、音楽が鳴り出すと思いきや、いきなり役者たちがしゃべり出して芝居開始。

衣装は人間たちは全員白で、妖精たちは緑やオレンジなど幻想的な色。

シェイクスピアの原作と違うところもいろいろ。まず第一に、公爵の婚約者ヒポリタが省略されている。だから村人たちの芝居は公爵の婚礼の
祝いのためでなく、ハーミアたちの結婚祝いのためということになっている。
そして、いろんな人が出てくる。シェイクスピア本人まで!その他、「春」だの「「冬」だのジュノーだのハイメンだの…。
ボトムら村の職人たちは、芝居の稽古はするが本番のシーンは無い。何しろ最後に大がかりなページェントが用意されているから。

長いっ!3時間半!面白くはあったがいささかぐったり。

古楽歌唱の女王と言われたエマ・カークビーにはもう少し早く来てほしかったが、その清楚なたたずまいは美しく、魅力的だった。






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1 コメント

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Unknown (マドモアゼル小平)
2016-02-15 12:01:57
ゆうこ様、こちらも行かれたのですね! エマ様聴きたかったです~。3時間半とは長丁場でしたね。でもこの北とぴあの企画、当時の雰囲気とピリオド楽器の音色が堪能できてよいですよね。

イェヌーファ、私は3/8でした。女子会したいですね!E様も、女装で参加OK!でも女子トークに圧倒されて気絶されてしまうかも。計画したいと思います!
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