4月21日紀伊国屋サザンシアターで、井上ひさし作「闇に咲く花」をみた(演出:栗山民也)。
昭和22年夏、東京神田にある神社の神主牛木公磨(辻萬長)は一人息子健太郎(石母田史朗)を戦地で失ったが、今は
近くに住む5人の未亡人たちと闇米の調達に奔走しつつ暮らしている。
そんな頃、死んだはずの健太郎が突然帰還。皆は再会を喜び合うが、彼は記憶障害になっていた。同じく復員した友人の稲垣
(浅野雅博)は、かつて中学野球部で捕手として名投手・健太郎と組んでいた。彼は医師として友人の記憶を取り戻そうとする。
一方、健太郎が起こしたグアム島での事件について、捜査の手が忍び寄る。
石母田史朗がいい。井上ひさしらしい神社へのコメントを、説得力ある語り口で表現する。
その父である神主役の辻萬長はもちろん達者。戦時中は当局の片棒を担ぎ、戦後は一転して平和を唱える、善良だが変わり身の
早い男を嫌味なく演じる。
脚本は一部生硬なところがあり、例によって直球勝負の井上節が鼻につくが、言いたいことは十分伝わってくるし、その内容
はもっともだ。
父が息子に語ってきかせる「神道ゴムまり説」が面白い。神道には開祖もいないし経典もない。自然と出来た宗教だ。その中には
明るくて暖かいものがいっぱい詰まっている。外から力を受けるとへこむが、その力がなくなると、また元の美しい球形に
戻る・・。
昭和22年夏、東京神田にある神社の神主牛木公磨(辻萬長)は一人息子健太郎(石母田史朗)を戦地で失ったが、今は
近くに住む5人の未亡人たちと闇米の調達に奔走しつつ暮らしている。
そんな頃、死んだはずの健太郎が突然帰還。皆は再会を喜び合うが、彼は記憶障害になっていた。同じく復員した友人の稲垣
(浅野雅博)は、かつて中学野球部で捕手として名投手・健太郎と組んでいた。彼は医師として友人の記憶を取り戻そうとする。
一方、健太郎が起こしたグアム島での事件について、捜査の手が忍び寄る。
石母田史朗がいい。井上ひさしらしい神社へのコメントを、説得力ある語り口で表現する。
その父である神主役の辻萬長はもちろん達者。戦時中は当局の片棒を担ぎ、戦後は一転して平和を唱える、善良だが変わり身の
早い男を嫌味なく演じる。
脚本は一部生硬なところがあり、例によって直球勝負の井上節が鼻につくが、言いたいことは十分伝わってくるし、その内容
はもっともだ。
父が息子に語ってきかせる「神道ゴムまり説」が面白い。神道には開祖もいないし経典もない。自然と出来た宗教だ。その中には
明るくて暖かいものがいっぱい詰まっている。外から力を受けるとへこむが、その力がなくなると、また元の美しい球形に
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