9月18日、自由劇場でニール・サイモン作「裸足で散歩」を見た(演出:元吉庸泰)。
寒い2月のニューヨーク。古いアパートの最上階に新婚のポール・プラッター(加藤和樹)とコリー・プラッター(高田夏帆)が引っ越してきた。
工事に来た電話会社の男(本間ひとし)も息切れして話せないほどの階段。エレベーターはなく、天窓には穴があき、暖房も壊れ、家具も届いていない。
夜には雪が降るらしい。アパートには変わった住人がたくさん住んでいて、その中でも1番の変わり者は屋根裏部屋に住むヴィクター・ヴェラスコ(松尾貴史)だ。
コリーはここでの生活をすごく気に入り楽しんでいるが、真面目な弁護士のポールは変わり者ばかりのアパートに馴染めずにいた。
ある日コリーは、母であるバンクス夫人(戸田恵子)との食事にヴェラスコを誘い、食事を楽しんだ。だが、みんなが帰った後、2人きりになった
ポールとコリーはケンカし始めてしまう・・・。ポールとコリーの新婚生活はどうなってしまうのか?(チラシより)。
ニール・サイモンの代表作の由。ネタバレあります注意!
当初は新婚6日目ということで、そばで見ていられないほどアツアツだったコリーとポールだが、そもそも性格がだいぶ違う。
妻コリーはいつもハイテンションで冒険好き。それに対して夫ポールは、駆け出しとは言え弁護士だから当然生真面目。
お互い自分にないところに惹かれたのだろうが、これからの長い人生を共にしてゆくのは、なかなか大変だろう。
コリーは未亡人である母にお見合いさせようとして、ヴェラスコを紹介するが、皆で夕食後、ヴェラスコが母を送って行くことになり、
そのことでポールとコリーは言い合いになってしまい、感情的になったコリーは、ついに離婚という言葉まで口にして・・。
バスルームにバスタブがないことをポールは我慢できないようだが、海外ではそれほど珍しいことではないだろう。
シャワーだけで済ませる人が多いし。
つまりポールがちょっと堅物だということを、ここでも表しているのかも。
何しろこのアパートは、5階建てなのにエレベーターがない。
そして大家は、新しい入居者のために天窓の穴を修理すらしていない!
バスタブがないことくらいで驚いてはいけない。
残念なのは、家賃の相場がよくわからないこと。こんな物件で、一体安いのか高いのか?
二人の会話からは、どうも高いらしいと分かるが、それなら場所がいいのだろうか。
それとも二人がとんでもなく世慣れてなくて、家選びを失敗したのだろうか。
電話会社の男のシーンが楽しい。
最初に電話を設置しに来た時、この新婚夫婦はアツアツだったのに、二度目に来てみると、早くも二人は険悪な雰囲気で、別々に食事し始める。
彼は早く修理を終えて帰ろうと焦るが、二人の様子が気になって気もそぞろ。
2回の休憩を挟んで2時間45分。長かった。
もう少し刈り込んだ方が全体が引き締まっていいのではないか。
ヴェラスコが妙なウナギ料理をみんなに順に食べさせるところとか、いささか退屈。
レストランから帰って来た人々が、その時のことを思い出して語り合うシーンとかも。
役者陣はみなさん好演。
コリー役の高田夏帆が素晴らしい。これが初舞台だそうだが、とてもそうは見えない。その度胸には敬服する。
演技も切れがよくチャーミングだし、とにかく元気をもらった。
ポール役の加藤和樹も説得力ある演技。
コリーの母役の戸田恵子はもちろん期待を裏切らない。
客席は若い女性ばかり。終演後は示し合せたようなスタンディングオベーション。加藤和樹という人のファンなのか?
この戯曲は1967年に映画化されていて、ロバート・レッドフォードとジェーン・フォンダが共演しているという。
それはぜひ見たいものだが、驚いたのは、ヴェラスコをシャルル・ボワイエが演じているということ!
ボワイエと言えば、個人的には映画「ガス燈」で、イケメンではあるが、可憐な新妻バーグマンを苦しめる怖~い夫をやった人という印象が強烈だが、
この軽いコメディで、どんな風に変わり者ヴェラスコを演じているのか、興味津々です。
寒い2月のニューヨーク。古いアパートの最上階に新婚のポール・プラッター(加藤和樹)とコリー・プラッター(高田夏帆)が引っ越してきた。
工事に来た電話会社の男(本間ひとし)も息切れして話せないほどの階段。エレベーターはなく、天窓には穴があき、暖房も壊れ、家具も届いていない。
夜には雪が降るらしい。アパートには変わった住人がたくさん住んでいて、その中でも1番の変わり者は屋根裏部屋に住むヴィクター・ヴェラスコ(松尾貴史)だ。
コリーはここでの生活をすごく気に入り楽しんでいるが、真面目な弁護士のポールは変わり者ばかりのアパートに馴染めずにいた。
ある日コリーは、母であるバンクス夫人(戸田恵子)との食事にヴェラスコを誘い、食事を楽しんだ。だが、みんなが帰った後、2人きりになった
ポールとコリーはケンカし始めてしまう・・・。ポールとコリーの新婚生活はどうなってしまうのか?(チラシより)。
ニール・サイモンの代表作の由。ネタバレあります注意!
当初は新婚6日目ということで、そばで見ていられないほどアツアツだったコリーとポールだが、そもそも性格がだいぶ違う。
妻コリーはいつもハイテンションで冒険好き。それに対して夫ポールは、駆け出しとは言え弁護士だから当然生真面目。
お互い自分にないところに惹かれたのだろうが、これからの長い人生を共にしてゆくのは、なかなか大変だろう。
コリーは未亡人である母にお見合いさせようとして、ヴェラスコを紹介するが、皆で夕食後、ヴェラスコが母を送って行くことになり、
そのことでポールとコリーは言い合いになってしまい、感情的になったコリーは、ついに離婚という言葉まで口にして・・。
バスルームにバスタブがないことをポールは我慢できないようだが、海外ではそれほど珍しいことではないだろう。
シャワーだけで済ませる人が多いし。
つまりポールがちょっと堅物だということを、ここでも表しているのかも。
何しろこのアパートは、5階建てなのにエレベーターがない。
そして大家は、新しい入居者のために天窓の穴を修理すらしていない!
バスタブがないことくらいで驚いてはいけない。
残念なのは、家賃の相場がよくわからないこと。こんな物件で、一体安いのか高いのか?
二人の会話からは、どうも高いらしいと分かるが、それなら場所がいいのだろうか。
それとも二人がとんでもなく世慣れてなくて、家選びを失敗したのだろうか。
電話会社の男のシーンが楽しい。
最初に電話を設置しに来た時、この新婚夫婦はアツアツだったのに、二度目に来てみると、早くも二人は険悪な雰囲気で、別々に食事し始める。
彼は早く修理を終えて帰ろうと焦るが、二人の様子が気になって気もそぞろ。
2回の休憩を挟んで2時間45分。長かった。
もう少し刈り込んだ方が全体が引き締まっていいのではないか。
ヴェラスコが妙なウナギ料理をみんなに順に食べさせるところとか、いささか退屈。
レストランから帰って来た人々が、その時のことを思い出して語り合うシーンとかも。
役者陣はみなさん好演。
コリー役の高田夏帆が素晴らしい。これが初舞台だそうだが、とてもそうは見えない。その度胸には敬服する。
演技も切れがよくチャーミングだし、とにかく元気をもらった。
ポール役の加藤和樹も説得力ある演技。
コリーの母役の戸田恵子はもちろん期待を裏切らない。
客席は若い女性ばかり。終演後は示し合せたようなスタンディングオベーション。加藤和樹という人のファンなのか?
この戯曲は1967年に映画化されていて、ロバート・レッドフォードとジェーン・フォンダが共演しているという。
それはぜひ見たいものだが、驚いたのは、ヴェラスコをシャルル・ボワイエが演じているということ!
ボワイエと言えば、個人的には映画「ガス燈」で、イケメンではあるが、可憐な新妻バーグマンを苦しめる怖~い夫をやった人という印象が強烈だが、
この軽いコメディで、どんな風に変わり者ヴェラスコを演じているのか、興味津々です。