先日、テレビで映画「超高速!参勤交代」を見た(2014年公開、本木克英監督)。
ずいぶん前に録画したままだったのを、やっと見た。
8代将軍・徳川吉宗の治世下、東北の小藩・湯長谷藩は幕府から突然、通常でも8日かかり、さらに莫大(ばくだい)な費用を要する参勤交代をわずか5日で行うよう命じられる。
それは藩にある金山を狙う老中・松平信祝(陣内孝則)の謀略で、弱小貧乏藩には無茶苦茶な話だった。藩主・内藤政醇(佐々木蔵之介)は困惑しつつも、知恵を絞って
参勤交代を完遂させようと作戦を練る。
発端の設定はともかく、お約束通りの展開に、登場人物はみな、悪く言えばステレオタイプで既視感満載。
だが、そのゆるさがある意味、いいとも言える。
安心して見ていられるので。
ヒロイン深田恭子の輝くばかりの美貌、そしてあまりにもカッコいい伊原剛志や相変わらず個性的な西村雅彦といった面々の味わいで面白い作品になった。
主役である藩主が閉所恐怖症という設定もユニーク。
先を急ぐ彼らの前に、さまざまな障害が立ちはだかるが、そこは絶対うまく切り抜けるに決まってる、という安心感がある。
それは、映画「ハッピーフライト」(綾瀬はるか主演、2008年公開)や、古くは「幸福の黄色いハンカチ」(1977年公開)と同様。
前者では、飛行中、突発的なアクシデントが次々と襲ってくるが、何しろタイトルがタイトルだから、ハラハラすると言ってもたかが知れている。
後者については公開当時、タイトルで、言わばネタバレしてしまっていることが話題になった。
そう言えば、当時はまだネタバレという言葉はなかった。
思えばのどかでいい時代だった・・?
「超高速!・・」の場合、それらほどダイレクトではないが、それでも独特の軽さと明るさがすぐに伝わってくる。
こんなタイトルの映画の中で、味方が次々と死んだり、悲しい別れがあったりするとは想像し難い。
陣内孝則演じるにっくき悪役が処分保留のまま終わるので、その続きは続編「・・・・リターンズ」(2016年公開)に期待したい。
冷酷非道なこいつがひどい目に合うところを是非とも見たい。
部下たちにもどうも反感を持たれているようだし、見る側としては、これはもう本能的な欲求と言っていいだろう。
人間は正義を欲するものだ。
カント曰く、「考えれば考えるほど、いよいよ新たに尊崇の念をかきたてられるものが二つある。それは、空にまたたく無数の星、そして、わが心の内なる道徳律。」
新約聖書の言葉も思い出される。
「義に飢え渇く人々は幸いである、その人たちは満たされる」(マタイによる福音書5章6節)
・・・また脇道にそれてしまった。
評者は影響を受けやすいたちゆえ、見終わって翌日まで、脳内で、にわか東北弁の会話が続いた。
「こんど晴れだら、これ洗わねばなんね」「んだんだ」とか。
東北弁として正しいかどうか分かりませんが。
ずいぶん前に録画したままだったのを、やっと見た。
8代将軍・徳川吉宗の治世下、東北の小藩・湯長谷藩は幕府から突然、通常でも8日かかり、さらに莫大(ばくだい)な費用を要する参勤交代をわずか5日で行うよう命じられる。
それは藩にある金山を狙う老中・松平信祝(陣内孝則)の謀略で、弱小貧乏藩には無茶苦茶な話だった。藩主・内藤政醇(佐々木蔵之介)は困惑しつつも、知恵を絞って
参勤交代を完遂させようと作戦を練る。
発端の設定はともかく、お約束通りの展開に、登場人物はみな、悪く言えばステレオタイプで既視感満載。
だが、そのゆるさがある意味、いいとも言える。
安心して見ていられるので。
ヒロイン深田恭子の輝くばかりの美貌、そしてあまりにもカッコいい伊原剛志や相変わらず個性的な西村雅彦といった面々の味わいで面白い作品になった。
主役である藩主が閉所恐怖症という設定もユニーク。
先を急ぐ彼らの前に、さまざまな障害が立ちはだかるが、そこは絶対うまく切り抜けるに決まってる、という安心感がある。
それは、映画「ハッピーフライト」(綾瀬はるか主演、2008年公開)や、古くは「幸福の黄色いハンカチ」(1977年公開)と同様。
前者では、飛行中、突発的なアクシデントが次々と襲ってくるが、何しろタイトルがタイトルだから、ハラハラすると言ってもたかが知れている。
後者については公開当時、タイトルで、言わばネタバレしてしまっていることが話題になった。
そう言えば、当時はまだネタバレという言葉はなかった。
思えばのどかでいい時代だった・・?
「超高速!・・」の場合、それらほどダイレクトではないが、それでも独特の軽さと明るさがすぐに伝わってくる。
こんなタイトルの映画の中で、味方が次々と死んだり、悲しい別れがあったりするとは想像し難い。
陣内孝則演じるにっくき悪役が処分保留のまま終わるので、その続きは続編「・・・・リターンズ」(2016年公開)に期待したい。
冷酷非道なこいつがひどい目に合うところを是非とも見たい。
部下たちにもどうも反感を持たれているようだし、見る側としては、これはもう本能的な欲求と言っていいだろう。
人間は正義を欲するものだ。
カント曰く、「考えれば考えるほど、いよいよ新たに尊崇の念をかきたてられるものが二つある。それは、空にまたたく無数の星、そして、わが心の内なる道徳律。」
新約聖書の言葉も思い出される。
「義に飢え渇く人々は幸いである、その人たちは満たされる」(マタイによる福音書5章6節)
・・・また脇道にそれてしまった。
評者は影響を受けやすいたちゆえ、見終わって翌日まで、脳内で、にわか東北弁の会話が続いた。
「こんど晴れだら、これ洗わねばなんね」「んだんだ」とか。
東北弁として正しいかどうか分かりませんが。