3月8日シアターコクーンで、井上ひさし作「日本人のへそ」を観た(演出:栗山民也、音楽:小曾根真)。
この作品は作者のデビュー作とも言える音楽劇で、初演は1969年。今回はそれに小曾根真の新曲がつけられた。19年ぶりの上演。その初日。ほぼ満席。
12人の吃音症患者たちが教授の指導のもと、治療のためにミュージカルを上演するという枠構造がまずある。その内容は、集団就職で上京した岩手の貧農の娘の半生記。彼女はその豊満な肉体が災いして職を転々とし、ストリッパーとなり、ヤクザの愛人となり、組長の愛人⇒右翼の大物の愛人⇒代議士の愛人へと転身を重ねる。ところがそこで殺人未遂事件が起こり、舞台は一転、推理劇の様相を呈する。
音楽(小曾根真)が素晴らしい。井上ひさしの芝居はいつも音楽が苦手だったが、この人はピアノ演奏はもちろん今回は作曲も上首尾(「組曲虐殺」ではピアノソロの曲は素晴らしかったが、合唱曲があまりいいとは思えなかった)。
上京前の近親相姦にはびっくり。かなり不自然だし滅多にないことだと思うが、吃音との関係からこういう設定にしてしまったのだろう。
ストリップ劇場での稽古のシーンの一部など、退屈なところもあった(作者が聞いたらびっくりするだろうけど)。
教授役の辻萬長はうまいが、セリフ、特に語尾が聞こえにくい。
会社員役の石丸幹二は声がいいが、歌はどうだろうか。
主役のストリッパーを演じる笹本玲奈は声がよくて姿もいい。後半は着物がよく似合って美しく、しかも貫禄があって驚いた。
12人の登場人物一人一人に見せ場が設けられていて、皆うまい。特に、たかお鷹、植本潤、明星真由美らの達者な演技が爆笑を誘う。
「ナルちゃん」・・このセリフで時代が分かる。若い人は、これが現在の皇太子のことだと果たして理解できただろうか。会場の反応はまあまあというところか。
この作品は作者のデビュー作とも言える音楽劇で、初演は1969年。今回はそれに小曾根真の新曲がつけられた。19年ぶりの上演。その初日。ほぼ満席。
12人の吃音症患者たちが教授の指導のもと、治療のためにミュージカルを上演するという枠構造がまずある。その内容は、集団就職で上京した岩手の貧農の娘の半生記。彼女はその豊満な肉体が災いして職を転々とし、ストリッパーとなり、ヤクザの愛人となり、組長の愛人⇒右翼の大物の愛人⇒代議士の愛人へと転身を重ねる。ところがそこで殺人未遂事件が起こり、舞台は一転、推理劇の様相を呈する。
音楽(小曾根真)が素晴らしい。井上ひさしの芝居はいつも音楽が苦手だったが、この人はピアノ演奏はもちろん今回は作曲も上首尾(「組曲虐殺」ではピアノソロの曲は素晴らしかったが、合唱曲があまりいいとは思えなかった)。
上京前の近親相姦にはびっくり。かなり不自然だし滅多にないことだと思うが、吃音との関係からこういう設定にしてしまったのだろう。
ストリップ劇場での稽古のシーンの一部など、退屈なところもあった(作者が聞いたらびっくりするだろうけど)。
教授役の辻萬長はうまいが、セリフ、特に語尾が聞こえにくい。
会社員役の石丸幹二は声がいいが、歌はどうだろうか。
主役のストリッパーを演じる笹本玲奈は声がよくて姿もいい。後半は着物がよく似合って美しく、しかも貫禄があって驚いた。
12人の登場人物一人一人に見せ場が設けられていて、皆うまい。特に、たかお鷹、植本潤、明星真由美らの達者な演技が爆笑を誘う。
「ナルちゃん」・・このセリフで時代が分かる。若い人は、これが現在の皇太子のことだと果たして理解できただろうか。会場の反応はまあまあというところか。