ジェフ・ベックの時とは違った意味で撮影可能なライヴで戸惑った事があった。
2017年8月29日、文京シビックホールの小ホール。
ハーブ・オータことオータサンのウクレレとクリスチャン・ファビアンのアコースティックベースのデュオライヴ。
オータサンのライヴは初めてで、開場は座席数371席の小ホールであった。
気楽な気分で行ってみると、見るからにオータサンファンが集まっていた。
で、このライヴだが、開演前のアナウンスでは
『演奏中の撮影について、動画は禁止だが写真は撮影可能』
であることが告げられて、さらに
『本日はライヴ録音をするのでシャッター音やアラーム音が鳴らないようにお願いします。』
という案内があった。
静止画の撮影がOKとはいえ、デジカメはともかく、ケータイ・スマホのシャッター音は鳴らさないように当然気を付けるもんだと思っていたのだが、開演早々、あちこちで遠慮のないシャーター音が鳴りだしたのには驚いた。
オータサンのCDを1枚しか所有していない(しかも中古盤だ)ワタクシにとっても、オータサンの登場を待ち焦がれていた気持ちはよくわかるが、自分のケータイ・スマホが無音シャッター仕様なのかそうでないのかはわかっているはずなのに、遠慮なく、あちこちで鳴り続ける。
ジェフ・ベックみたいなディストーションのきいたギターの大音量ライヴならばシャッター音もかき消されてしまうので気にならないかも知れないだろう、PAを通しているとはいえウクレレとアコースティックベースの二人だけのライヴだ。
その上、小ホールであるから、離れた席からのシャッター音も良く聴こえてくる。
これで、無事にライヴ録音ができるのだろうかと心配になったが、開演後にはシャッター音に関する注意は一切無かった。
(あればあったで興ざめだろうが)
デジカメを使う人の中にはシャッター音が鳴らない設定にしている人も多く、シャッター音が鳴るのはほとんどケータイ・スマホなので、デジカメだけ静止画撮影OKにしてはどうだろうか?
それとも、いっその事、撮影禁止にしてくれた方が気分よく楽しめるのに。
と思ったのだが、ライヴ後半になるとシャッター音はほとんど鳴らなくなった。
撮り疲れたのか、それとも撮り飽きたのか。
ステージは進んで、
終盤で、スティービー・ワンダーの『心の愛 I Just Called to Say I Love You』の演奏中、サビの部分を皆で唄いなさいという指示がオータサンから出された。
オータサンの指示だから皆で唄った。
ワタクシはこの曲は何となく覚えているつもりだったが、いざ唄えと指示されると、おぼつかない。
サビの歌詞3行目までならはっきりと覚えているのだが、4行目の歌詞がどうしても出てこないので、そこは声に出さずに一生懸命に唄っているふりを通した。
もしかすると、ステージ上からそれを見破られてたのかもしれない、
一旦、演奏が終わったのだが、オータサンは不満だったらしく
『ダメだねぇ』
とか言って、もう一度ウクレレを弾きだした。
で、今度はさっきより大きな声で皆唄いだしたのだが、ワタクシの1列前の女性が手にしたスマホ画面に『心の愛 I Just Called to Say I Love You』の歌詞が表示されているのに気付いた。
こうやっていち早く今演奏している曲を歌詞を検索できるとはすごい事ができる人なんだなぁ、と感心したのだが、
もしかすると、あれは、曲名を検索する何とかいうアプリを使っていたのだろうと、今、気づいた。
オータサンを知らない人でもきっと誰もが知ってる、『SONG FOR ANNA』というオータサンのオリジナル曲がある。
どうか自分でググって聴いてみてほしい。