【2010年1月10日・17日】 京都コンサートホール
先週の日曜日と今週と、続けてコンサート・ホールに出かけた。
京都コンサートホールまでは加茂川から北山通り添いに歩いて10分の距離だから、コンサートを聴きに行くのはだいたいいつもここだ。電車・バスにゆられて遠くの会場まで行く気にはなれない。
年始には、テレビで「ニュー・イヤー・コンサート」を中継していた。こちらは本場の「楽友協会ホール」だ。花がふんだんに飾られ、まさに春の到来を祝うかのような華麗で気品のある雰囲気に包まれていた。
昨年、ウィーンを訪れた時にこのホールで是非聴きたいと思ったガ、チケットが取れなかった。仕方なく、発売されたばかりの2009年版「ニュー・イヤー・コンサート」のCDを買ってきたのだが。
一方、こちらの「京都コンサートホール」は実にシンプルだ。10日の楽団はいつもの「京響」(京都交響楽団)。ただ、いつもと違うのは、揃いの白黒の「制服」みたいなものが、この日は男女とも思い思いのカラフルな服装をしていることだ。普段なら、ソリストしか着ることを許されないようなシルクの光沢をもった色鮮やかなドレスを着た人や、卒業式に切るような袴を身に付けた人やら、はたまたサンタクロースのような衣装をした人までいる。
その点、男性は地味というか、いつもとあまり変わり映えがしない。
曲目は、スメタナ「わが祖国」から「モルダウ」、モーツァルトの「ピアノ協奏曲第23番」とドボルザークの「交響曲第8番」。
自分にとってなじみの薄い曲であることにあわせて指揮者は、パンフレットを見ると、川瀬賢太郎という学生みたいな若い指揮者で頼りなく思えたが、実際の演奏を聴いてみたら、メリハリが利いていて、まあ悪くなかった。
アンコールが1曲あったのと、なんと帰りのロビーで楽団員が総出で「ありがとうございました。」といって握手をしながら見送ってくれるではないか。こんな事は、何年もこのホールに通っているが、初めての出来事だ。
今週の日曜日は、大阪の「センチュリー交響楽団」。小泉和宏の指揮で、ブラームスの「ピアノ協奏曲第一番」とベートーベンの交響曲第3番「英雄」。小泉和宏の何年か前に聞いたベルリオーズの「幻想」が印象に残っていて安心して聞けた。
よく見ると、楽団員の構成で女性の割合が7~8割になるんではないかと思うほど高かった。しかも、若い人が多い。四十代以上のの男性の姿など五本の指で数えるほどしか見あたらない。
ふと、楽団の経営が難しいのかと思ってしまう。
効率や採算ばかりに目をとられて、当面の成果しか見ない連中の仕業で、文化関連の予算が削られたりしないような行政を望むばかりだ。