【2011年1月20日】
前日は、期せずしてボローニャに行ってしまったが、そういえば昨年の暮れの最後に見た映画が「ボローニャの夕暮れ」であった。タクシーで空港からFSのボローニャ駅周辺をウロウロしただけで街の様子を見ることはできなかったが、またゆっくり訪れてみたい街である。
フィレンツェの宿はフィレンツェの玄関-サンタ・マリア・ノヴェラ駅から歩いて5分ほどの中央市場すぐ近くのこじんまりしたホテルである。
昨晩、ホテルにチェックインしたのは午前0時を回っていたが、受付の人はいやな顔をせず「ノー、プロブレム!」とひと言いって温かく迎えてくれた。おかげで、夜はぐっすり寝れた。
今朝は6時半に起床。荷物を整理したあと食堂に行き朝食をとる。派手さはまったく無いが、随所に絵が飾ってあり落ち着いた雰囲気のホテルである。
日本人は一人も見当たらない。日本の団体旅行のせわしさがないだけ解放された気分になる。
向こうの人の朝食はいたって控えめである。こちらは、ハムにチーズにスクランブル・エッグとヨーグルトにフルーツとパン3つという風にありったけの食べ物をテーブルに運んではコーヒーも2杯3杯とお代わりをするのに、たいていの人はパン1かけらにコーヒーとぜいぜいチーズかハム1枚でさっさと席を立っていく。
8時半に行動開始。
まず、駅に行ってみることにする。翌日は朝早くピサ行きを予定していたので、時間に追われまごつかないように鉄道の切符をあらかじめ買っておこうと思った。
切符は出発前、日本で案じていたのは杞憂でいとも簡単に購入できた。
やはり自販機や駅の窓口で買うより、『タバッキ』で買うのが手っ取り早かった。英語とイタリア語の単語をごちゃ混ぜにして、「ピサまで大人2等、2枚。」と告げると、店員がさっと切符をさしだし代わりに20ユーロ札をだしたらおつりをくれて、それでおしまい。切符には金額が印字されていないから、おつりを勘定して料金を確認する。
ピサまで、大人一人 ユーロだ。これで、明日の準備はOK!
駅の列車をひと通り見回したあと、市の中心部に向かう。
サンタ・マリア・ノヴェッラ教会の建物を右に見て通りを進む。再びあの『花の大聖堂』と『ジョットの鐘楼』に出会えると思うとわくわくする。ビデオカメラを構えながら人をかき分けすすむ。と、あのピンク色に輝く大聖堂の一部が見える。心が踊る。
前回の旅行ではフィレンツェの自由時間が半日しか取れなかった。
1日と半日、自由行動の日があったのだが、欲張って1日はレンタカーを借りて、シエナやらサン・ジミニャーノに出かけた。ピサにも行ったのだが道に迷い時間切れで引き返すことにし、やっとの思い高速道路を通りフェレンツェに戻ってきたのは午後の8時過ぎだった。8時までの約束のレンタカーの返納時間に10分ほど遅れ、店を閉め営業所の職員が帰りかけたところに滑り込み勘弁してもらったことを思い出す。
そんなことがあって、ドゥーモの中にも鐘楼の上にも登っていなかった。だから今回は真っ先に高いところに上がることにしていた。
最初に『ジョットの鐘楼』の上にあがる。外壁の内側に沿って正方形の階段を上っていく。足元の石段は踏み跡でだいぶ磨り減っている。
鉄骨が入っているかどうか知らないが、外側から見れば石を積んだだけの100メートル近い高さの塔が、よくも何百年の間、倒壊しないで立っていると思う。時折、外の景色を覗きながら何回、螺旋を描いたであろうか。その景色の様子から段々高度を増していくのがわかり、隣の大聖堂のクーボラが横に見え出したら、頂上も間もない。
屋上に上る前に大きな開かれた空間があり、そこから更に狭い階段を上ると頂上である。
そこからの四方の眺めは最高だった。隣に赤い巨大なクーボラがやや高く迫っている。
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