この映画・本、よかったす-旅行記も!

最近上映されて良かった映画、以前見て心に残った映画、感銘をうけた本の自分流感想を。たまには旅行・山行記や愚痴も。

「君を想って海をゆく」-もっとましなタイトルの付け方ないのかと思うのだが

2011-03-21 22:46:15 | 最近見た映画
       【2011年2月27日】  京都シネマ

 ロマンティックではあっても、決してセンチメンタルな映画ではない。ちなみに原題は《Welcome》。どうして最近の映画のタイトルの付け方は、こうもまずいのかなと思ってしまう。このタイトルから想像するような、そんな甘っちょろい映画ではないのだ。
「君のためなら千回でも」とか「愛と△の何とか」とか「涙の××」とか、内容を適切に表していない、どこか演歌のような、やたら感傷的な気持ちをくすぐるだけのタイトルが横行している。もっと、本質を言い当てるようなキーワードをとらえた、きりっと締まったタイトルがつけられないものだろうか。

 予告編でこの映画が「灯台守の恋」と同じ監督の作品であることを知らなかったら、おそらく自分の《観るべき映画のラインナップ》に載せなかっただろう。


 クルド人はイラクで迫害を受けている少数民族である。その少年が知人の伝手で先にイギリスに亡命した婚約者を求めてドーバー海峡を渡るためにカレーに着く。
 難民、密入国、不法滞在-日本の日常生活ではほとんど縁のない世界だが、世界でもこの映画のフランスでも日常の問題である。近年、日本でも中国やベトナムの難民がどこかの海岸にたどり着いたという話を多少聞いたが、その辺の受け入れ事情とかはヨーロッパの国やアメリカとはだいぶ違う。
 そういう違いを度外視しても、今度の映画は日本人には少しわかりにくい。
 どうして行き先がイギリスなのか、フランスではいけないのか。それは、婚約者がイギリスに行っているからと後から説明的な展開でわかったような気がしたが、もう一つ理解できない。大統領がサルコジに代わってから難民に対する政策が変わり厳しくなったのはあると思うのだが。

 それと、夫婦がどうしてすれ違うようになったのか、その辺の描写がないとその後の少年に対する態度が理解できないし、どうして関係が修復できないかもわからないから、すっきりしない。

 そうは言っても、現代の世界の問題をしっかり正面にすえ、フランスの日常生活を自然に描き、人間の葛藤を巧みにとらえた良い映画だった。


 
 前作の感動をまた再びと公開の日を待ちにまって映画館に足を運んだのだが、《できばえ》、《満足度》で比べれば、やはり「灯台守の恋」の方が圧倒的によかった。




   「君を想って海をゆく」-公式サイト


  

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