【 2017年9月19日 】 京都シネマ
映画の最後の方まで、「どうしてこのストーリーのこの映画のタイトルが《ライオン》なのか?」(内容に似つかわしくないではないか!)と思っていたが、最後でわかった。
迷子になった5歳の少年は、自分の名前を『サル―』と憶えていたが、実はサルーの本当の名はシェルーで、意味はライオン。それで『ライオン』。ちなみに、地名も不正確に覚えていたので、『Google Earth』で探し出すのに5年(再会まで25年)もの歳月がかかってしまった、ということだった。
話はインドとオーストラリアを舞台に、実際にあった話という。25年間も子供が行方不明になっているという話の一方、「Google Earth」を使って探し出すというの非対象的な現実が、何とも現代的だなと思った。
日本では、《養子縁組》はあまりなじみがない。『普通養子縁組』と『特別養子縁組』の違いなども、わたし自信、この映画を見るまで意識していなかった。海外では、《乳児院等に預け、そこで子供を育ててもらう》よりも『特別養子縁組』に相当する制度を活用する方が一般的だという。
【 養母役のニコール・キッドマン いい味出していた 】
自分の子供を育てるのも大変なのに、世の中には奇特な人もいるものだ。子供が欲しくてもできない人。反対側に、子供を産んでも育てられない人、あるいは《捨てられた子供》がいて、その組を引き合わせるというのも大変な仕事だ。お金が絡んで、一歩間違えるれば《人身売買》や《誘拐》のいった事件につながりかねない。経済的に貧しい国では、その危険性がたかいからなおさら注意が必要だと思う。
【 現実の『サルー』とその実の母親 】
ふと、『大地の子』の話を思い出した。日本で見る中国人は今でこそ、場所を選ばず大声で怒鳴り散らす《節操のない集団》のように映るが、かつては『日本軍に侵略され、残虐行為を受けながらも、戦後中国大陸に残された【戦災孤児】を育ててくれた、なんと暖かく広い心を持った民族である』と、深く感じいったことか。世の中の風潮というか、経済制度の悪影響がここまで人の心を変えてしまうのが恐ろしい。
『LION-ライオン』-公式サイト