【 2017年9月26日 】 京都シネマ
ナチス支配下のチェコの首都・プラハであった「エンスラポイド作戦」=イギリス政府とロンドンの「チェコ亡命政府」による「ナチス幹部ハイドリヒの暗殺作戦」を題材にした、史実に基づく映画だ。
全編、研ぎ澄まされた脚本とリアルな映像と緊迫した展開でスクリーンに釘付けにされ、緊張の連続で息をもつかせない。あっという120分だった。
この映画を見て感じるのは、《重要人物を暗殺しても得られるものは何もない》と思う一方、《やらなければならないことは命を懸けても実行する》という崇高な心構え-2つの相反する考えが、入れ替わり浮かぶことである。
ナチスの蛮行を見て、《人間はどうしてこんなにも残酷になれるのか》-アーレントの言うような《悪の凡庸さ》や《ミニグラム実験》の結果だけで片付けられてよい問題なのかと、考え込んでしまう。
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この数年の間も、ナチス関連の映画をたくさん見てきた。『サラの鍵』『黄色い星印の子どもたち』『ソハの地下水道」『アイヒマンショー』『アイヒマンを追え』『顔のないヒトラーたち』等々。
これらの映画を見るのは、歴史の過去の現実を見つめ、そこから教訓を得るためである。そして今、大切なことは【如何にものを言い、いかに行動するか】である。
『予告編』はこの映画の《ハイライト》を簡潔にとらえているが、『公式サイト』には、背景となった史実の解説がほとんど載っていない。登場人物の説明もごく一部しか載っていないので、事実関係がもう一つ理解しづらい。『エンスラボイド作戦』の記事が参考になる。
『ハイドリヒを撃て!』-公式サイト
『エンスラボイド作戦』(この映画の題材となった歴史的事実である事件)-の解説(ウィキペディア)のページ