【2008年5月14日】 京都シネマ
映画は、朝鮮半島の南部、韓国の都市光州で1980年に実施に起きた事件を題材にしている。(製作者は、光州で起こったことを「完全映画化」したと言っている。)
「シルミド」もそうだが、戒厳令のしかれた元では、外部の報道機関はもちろん地元の報道も住民の声も抹殺されただろうから、犠牲者の数すらどれが本当なのか永久にわからないかもしれない。
しかし、大切なのは事件の本質である。数だけが真実を伝えるものではない。戒厳軍側が発表した市民側の死者が少なすぎるという、観測は当然あるが。
フィクションである文学・映画の神髄は典型の描写である。ある環境のもとでの、実際にあり得るであろう現実(必然)の生き生きとした描写である。
そういう観点からすると、この映画はこの事件の本質を充分伝えていると思う。
○ ○ ○
県庁舎での市民軍の戒厳軍との最期の決戦が、アジェンデ大統領がモネダ宮でピノチェトの反乱軍と戦った壮絶な最期と、どうしても重なってしまう。
チリ人民革命の一連の出来事は、パリ・コミューンもロシア革命もスペイン人民戦線も過去の歴史上の出来事とでしか知らない世代が、同時代進行の歴史的大事件を目撃した(もちろん新聞報道や、一部テレビを通じての画像から)という貴重な経験から、忘れることの出来ない事件である。
○ ○ ○
公式サイトの内容がわりと充実しているので、この映画のストリー、歴史的背景、事件の本質を知りたい人はそちらを参照してください。
「光州 5・18」-公式サイト
映画は、朝鮮半島の南部、韓国の都市光州で1980年に実施に起きた事件を題材にしている。(製作者は、光州で起こったことを「完全映画化」したと言っている。)
「シルミド」もそうだが、戒厳令のしかれた元では、外部の報道機関はもちろん地元の報道も住民の声も抹殺されただろうから、犠牲者の数すらどれが本当なのか永久にわからないかもしれない。
しかし、大切なのは事件の本質である。数だけが真実を伝えるものではない。戒厳軍側が発表した市民側の死者が少なすぎるという、観測は当然あるが。
フィクションである文学・映画の神髄は典型の描写である。ある環境のもとでの、実際にあり得るであろう現実(必然)の生き生きとした描写である。
そういう観点からすると、この映画はこの事件の本質を充分伝えていると思う。
○ ○ ○
県庁舎での市民軍の戒厳軍との最期の決戦が、アジェンデ大統領がモネダ宮でピノチェトの反乱軍と戦った壮絶な最期と、どうしても重なってしまう。
チリ人民革命の一連の出来事は、パリ・コミューンもロシア革命もスペイン人民戦線も過去の歴史上の出来事とでしか知らない世代が、同時代進行の歴史的大事件を目撃した(もちろん新聞報道や、一部テレビを通じての画像から)という貴重な経験から、忘れることの出来ない事件である。
○ ○ ○
公式サイトの内容がわりと充実しているので、この映画のストリー、歴史的背景、事件の本質を知りたい人はそちらを参照してください。
「光州 5・18」-公式サイト