この映画・本、よかったす-旅行記も!

最近上映されて良かった映画、以前見て心に残った映画、感銘をうけた本の自分流感想を。たまには旅行・山行記や愚痴も。

「剱岳-点の記」

2009-06-29 23:34:38 | 最近見た映画
 
          【2009年6月21日】 MOVIX京都

 今まで山岳映画は数多く見てきたが、自分が何度も登った山を舞台に、CGを使わず実際に登って撮影した生の映像を大きなスクリーンで見れることが何よりも感激だった。

   

 原作は新田次郎の同名の小説で、時代は近代登山の黎明期のこと。地図を作るために三角点を設置するのだが、剱岳周辺だけが空白地点として取り残された。国の威信をかけた陸軍地理測量部と新しい登山の歴史を切り開く日本山岳会の剱岳をめぐる初登頂競いかと思われるのだが、槍ヶ岳もそうであったように、実は先人がとっくに頂上を制覇していた、といった筋書きである。


   


 今でこそ室堂から劍沢に入り、剱山荘からは3時間ほどで剱岳の頂上に立てるのだが、やはり当時はどこからアタックしたらいいのか、登山ルートを開くというのが難しかったのかと思う。

 
 最初に登頂したルートは映画を見ると、その名を残す通り、「長次郎雪渓」を登りつめて頂上直下に出て頂上を極めたようだ。

 映画の中では頂上にある祠が見当たらなかったが撮影のため一時的に撤去したのか、見えないように撮影したのか!?
 

 CGを使っていないと云ったが、1つだけおかしな点がある。松田龍平演ずる生田信が岩場で足を踏みはずし確保のロープも切れて岩場で体を打ちつけながら2~3回転しながら落ちていき、さらに雪渓を転がり落ちるシーンがあったが、あんなことがあったら実際はおしまいである。骨折もせず2・3日で回復する傷で済むとは考えられない。
 まあ映画の世界だから良しとしようか。


 私もかつて危ない目にあったことがある。剱頂上から一般ルートを越え、さらに北方稜線を「長次郎の頭」方面に向かっていた時のことである。
 岩場を3点確保で下っていた時、体重を乗せた岩が脆くも崩れたのである。万歳をした格好で垂直にそのまま1メートルほどずり落ちて、止まったところが幅15センチほどの岩棚だった。一瞬何が起こったか分からなかった。そっと覗くと下は5メートルくらいの垂直の壁で、その下に心配そうに見上げる相方の姿が見えた。しばらくして心臓が大きく鼓動し胸が破裂しそうだった。

 それでも映画を見るとそんな怖い経験、つらい体力の限界もも忘れて、また山に登りたくなる。

「剱岳-点の記」-公式サイト

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