【 2016年2月4日 】 TOHOシネマズ二条
『杉原千畝』の名前が世間に知れ渡り始めたのは映画『シンドラーのリスト』が公開された以降だったように記憶している。日本に、シンドラーのようにユダヤ人を助けたという人物がいたという事実も知らなかったし、「杉原千畝」という名前も、それまでは知らなかった。
『シンドラーのリスト』は、自ら《ユダヤ人》の血をひいているスピルバ-グ監督が“気合を入れて”制作にあたったという映画だけあって、ナチスの歴史の中にそうした人物がいたということを、迫力のある映像と緊迫感のある展開で、観る者の心を揺さぶった。
一方、映画『杉原千畝』の方は「シンドラー」にあやかって前評判の方が先行していたから、どんな映画になるのだろうか-ありきたりの“英雄物語”になるのでは-と懸念していたが、どこの国の外交官でも大なり小なりそうなのだと思うが、諜報員としての杉原千畝も描かれたりしていて興味深かった。
いずれにしても外交官というのは多才でないといけないし、何よりも語学に堪能でないといけないのだが、そのエリートがどうしてそんな《危険》を冒してまで、《ユダヤ人を救おうとしたのか》、その《心の揺れ》を描くのがここ映画の《核心》なのだが、その点にやや不足を感じた。
こう言っては「唐沢寿明」には失礼かもしれないが、「杉原千畝」の写真を見ると、本物の方が1枚も2枚も役者が上のように見える。
映画『杉原千畝』-公式サイト