令和3年5月25日(火)
鴨足草 : ユキノシタ、虎耳草
ユキノシタ科の常緑多年草、草丈は約30cm
紅紫色の紐状の根を這わせて繁殖する。
根際から肉厚で丸い葉を出す。
6,7月頃(今年は早く既に開花の様子)にかけて
白い五弁の不整斎な小花を咲かせる。花弁の上3枚は
小さく淡紅色で濃い紅黄色の斑点が在り、下2枚は
白く大きく垂れ下がる。
「ユキノシタ」の名の由来は、雪の下に在っても葉が
青々としていることからとか、白い花を雪に喩えたと
も言われている。
亦、その花の形が鴨の脚に似ることから「鴨足草」と、
虎の耳に似ていることから「虎耳草」ともいわれる。
古くから季語として取り上げられている。
ゆきの下かろがろ咲いてはなやげる 渡辺 水巴
花の特性を詠い、
番長も俺も毛深きゆきの下 穴井 太
などと、人との関りを詠っている句もある
私(ヤギ爺)は幼少の頃は虚弱で「小児喘息」を発症し、
両親に医者へ連れていかれる先々で、色々な物の喘息への
効能を聞いた親は、アレコレと試した。
「大根の薄切りに水あめ(蜂蜜は当時高価だった)を加え
それの上澄み液を飲むと咳が止まる」「ユキノシタと柿の
蔕を煎じて飲むと良い」と私に与えた、、、、。
大人になり、姉達からよく聞かされた話を思い出す。
効能が在ると言われれば何でも行った親に頭が下がる。
正直、当の私はこれらはとても苦手であったのだが、、、
「良薬口に苦し」ユキノシタは心に残る花(葉)である。
散々苦労を掛けた親兄弟は居なくなった。
今の季節(今年はコロナで自粛中)、吟行に出掛けると
様々な花に出会う。
徳川園の黒門を入り直ぐ虎仙橋を渡ると、「虎の尾」と
いう場所がある。滝(人口)を落ちた清流沿いの小径は
夏でも鬱蒼としている。木陰の湿地に「ユキノシタ」が
群生している。
これから園内では「合歓の花」「河骨」「睡蓮」等が
出迎えてくれる。
緊急事態宣言が解けたら出かけて観たい、、、、
今日の1句
御手洗のすすぎ落ち来る鴨足草 ヤギ爺