令和5年4月24日(月)
田鼠化して鴽となる
「田鼠」とは、モグラの別称
「鴽」は、鶉(うずら)に似て斑紋がない。
晩春の陽気に影響されて、モグラがウズラになるという意。
中国の「呂氏春秋」「礼記」にある。
これは実際にはありえない現象であるが、この季節の伸び
伸びした生き物の様子を幻想的に表している。
七十二候の一つ二十四節気の清明の第二候、4月14日頃。
俳人の夏井いつきさんの著書「絶滅寸前季語辞典」の中に
この「田鼠化して鴽になる」が紹介されている。
田鼠化して鴽になる 晩春・時候、七十二候の一つ
【田鼠はモグラのことらしい。鴽はウズラに似た鳥らしい。
モグラがウズラになってしまいそうな、麗らかな春の陽気
であるよと、中国の某という人が言っていたらしい。
七十二候には、この手の〇〇〇が△△△になるという発想
のものが沢山ある。が、それにしてもモグラがウズラにな
るとは、、、と、私は立ち往生してしまう。
ウズラのあの地味なくせに小太りしている小さな体を思う
と、その羽をもぎ取って地中に放てば、確かにモグラにな
って、血みどろにがむしゃら土を掘りだすかも知れぬ。が、
それを想像しただけで、オエッとなってしまう。
とてもじゃないが、麗らかな気分にはなれない。と、此処
まで書いて自分の大きな間違いに気づいた。ウズラがモグ
ラになると思うから羽をちぎって、、なんて血なまぐさい
想像が始まるのジャ。 順序が逆さではないか。
おうー、そうじゃ、そうじゃ、モグラを地中から掘り出し、
もぎ取った羽をもう一度くっ付け、、、ほうら自由に飛ん
でいくんだよと、空へ放てばきっと、、、ドスンと落ちて
くるに決まっている。
ナムアミダブツ、ナムアミダブツ、、、、、】
今日の1句(俳人の名句)
田鼠化して鴽となれてない尻尾 夏井いつき
(夏井いつき著:絶滅寸前季語辞典より、引用した。)