遊民ヤギ爺

俳句と映画のゆうゆう散歩

山 吹

2023-04-27 16:33:17 | 鶴舞公園へ行って来ました
令和5年4月27日(木)

山 吹 : 面影草

バラ科の落葉低木、茎は緑色で根本から分かれる。
茎は束生し1m以上にもなり、その髄は白く灯心になる。
花は一重と八重がある。



晩春に五弁の黄色というより黄金色と言いたい花を、木陰
等に咲かせる。小判のことを「山吹」という所以である。
八重の花の時期は遅く、濃山吹と呼ばれるほどぽってりと
美しく、観賞用として庭園等に植えられる。

江戸城を築いた武将の太田道灌が鷹狩の途中で雨に遇い、
農家で蓑を借りようとしたが、「七重八重花は咲けども
山吹のみの(実のと、蓑の掛け詞)一つだになきぞ悲しき」
の古歌(後拾遣集・巻十九)の「ななへやへ花は咲けども
山吹のみのひとつだになきぞあやしき」をふまえて、娘が
山吹を差し出した故事が知られているが、八重山吹、白花
山吹以外は実を結ぶ。
近年品種改良により、切花に適する茎の長い花もある。
また、別属の四弁花の白山吹もあるようだ。

名古屋の東山植物園の万葉の径に、山吹の咲き乱れる場所
が在る。




小高い丘の中ほどに、和歌を詠み伝える木札が
建てられていた。


奈良時代の歌人、厚見王(あつみのおおきみ)の作

蛙鳴く神奈備川に影見えて今が咲くらむ山吹の花

河鹿が鳴く神奈備川に影を映して、今頃咲いているだろうか
あの山吹の花が。
※神奈備とは神の鎮座する山をいい、その裾野を流れる川を
 神奈備川」という。その後、龍田川のことと見なされた。
東山植物園にこの古歌の木札が建てられたのかは判らぬが、
山吹の花が咲く小高い丘を、古歌に想い巡らせたのであろう
か、、、、。


今日の1句(俳人の名句)

ほろほろと山吹ちるか滝の音   松尾 芭蕉