「Yakkoだより」

お菓子のこと、わんこのこと、おいしいもの、そして今日のハッピーを書き綴ります。

追伸

2008-05-04 16:04:19 | 今日のできごと
さっき、更新を終えたばかり。

そのすぐ後に、お客さんが来ました。

お顔は見たことのある私と同年代の女性。

シフォンケーキを買ってくださいました。

その方が「ヤッコだより」を手に取り、「これ、いただいていいですか?」と言いました。

そして、「楽しみに読ませていただいてます」と、重ねて言われ、

「実は、いつかお礼を言いたいと、ずっと思っていました」と、おっしゃるのです。

「私の兄が、シフォンケーキが大好きで・・・・

それが、突然、心臓発作のようなもので、亡くなったんです。」

そう、おっしゃって、言葉を詰まらせました。

「時々、姉とシフォンケーキを食べながら、兄を偲んでいるんです」と、

それで、買いに来てくれたのです。

その方の、想いが伝わってきて、私まで、涙が滲んでしまいました。

「そうですか、ありがとうございます」とお答えするのが精一杯。

「いつかお礼を言いたいと、ずっと思っていました」と、また言われました。

私も、胸がいっぱいで、何も言葉が出ませんでした。


こうやって、多くの方と触れ合いながら、

それぞれの人生の小さなひとつになれることを、感謝します。


ひたすらにお菓子を作っていると

2008-05-04 15:02:14 | 今日のできごと
毎日、朝から晩まで、お菓子を作っているわけですけど、

一人で、ただひたすらにお菓子を作っていると、

いろんな思考が飛び交います。

たとえば、目の前に見える緑(隣のおうちの垣根)が、

ジベルニーのモネの庭に行くまでの風景に見えたり。

「モネの庭」より、その道すがらの緑や川が、

絵画のように美しかったことが思い出されて、

「ああ、キレイだったなぁ~」と、感慨にふけったり。


肩がこって、歯が痛くなったりすると、

昔、母や父が、「肩がつかえて(こって)歯が痛い」と言っていたことが思い出され、

自分の老化を再確認したり。

「でも、思えば、浦島太郎の気分だよね」と、ひとり言を言ったりする。

心の老化と体の老化とが、足並み揃っていないので、

まるで、目が覚めたら、おじいさんになっていた浦島太郎の驚きにも似たものを感じる。

「えっ、私、おばあさんなのっ!?」って、そんな気分。

心の老化は、体に比べて、ゆっくりぺースみたい。私にとっては。


それから、今日のお客さんとの会話を思い出したりする。

その方は、新聞社の記者さん。

(素晴しいコラムを書かれています。)

ずっと前からのお客さんなのだけど、

今日は、DVなどで逃げ込むシェルターの施設長さんに持っていかれるとかで、

お菓子を買いに来てくれました。

その施設は、心に傷を負った方ばかりを受け入れているので、

「心が癒されるお菓子を持っていってあげようと思って」と、おっしゃってました。

「心が癒されるお菓子」と言っていただいて、

恐縮するばかりなのですが、

そんなお菓子を作りたいと、常々思っています。

お菓子は、「物」でもないし、おなかが張ればいいというものでもない。

時には、元気をくれたり、時には、癒してくれたり、

時には、しあわせな気持ちにしてくれるもの。

それは、「物(形)」ではない、目には見えないものだと思う。

お砂糖、バター、小麦粉・・・という「物」を混ぜ合わせたものじゃない。

目には見えないものを作っていく。

それが、私の仕事だと思っています。

そして、「ヤッコさんのお菓子を食べると、元気が湧いてくる」と言っていただくことが、何よりの喜び。


今日も、たくさんのお客さんが来てくださいました。

立ち話をすることも、しばしば。

嬉しいですね。

もう、開店当時から、ずうっと来てくださっているお客さんもいて、

私が、どこに移転しても来てくださる。

癒されるお菓子を作っているのは、私ではなく、

そんな私を支えてくれているお客さんなのかもしれない。