宮城県内の主要温泉郷である鳴子温泉、東鳴子温泉、遠刈田温泉、秋保温泉それに作並温泉の5温
泉郷を、2月26日から四泊五日の行程で回った。ただ今回は積雪を考慮し車ではなく、主として鉄道、バ
スを利用したため、交通の不便な所にある温泉郷は回れなかった。今回入湯した中で強く印象に残ったの
は、やはり鳴子と東鳴子の両温泉郷であった。両者は温泉に強烈な個性があり、客観的に湯色、濁り、感
触等により体に効きそうな温泉であることが一目で感じられた。秋保と作並の両温泉郷は確かに湯は肌に
優しい感じがしたが、余り個性は感じられなかった。両温泉郷は恐らく長逗留すれば、その良さが分るのか
もしれない。また、遠刈田温泉は鳴子と東鳴子の2温泉郷ほどではないが、個性は十分に感じられた。
2月26日(火)
・西多賀旅館
鳴子温泉中心街から少し下がった国道47号線沿いにある鄙び系の旅館であるが、館内は綺麗に清掃
されていた。女将さんは愛嬌があり、親切丁寧な応対であった。浴槽は長方形でコンクリート造り、3~4人
用とやや狭い。湯は掛け値なしの源泉掛け流し、緑白色の湯色、やや温め、硫黄臭がかなりあった。正しく
これぞ温泉であり、ここは多種の浴槽や設備を楽しむ所ではなく、じっくりと温泉そのものだけを楽しむ人に
行ってほしい宿である。当然脱衣所には棚と籠しかなく鍵付ロッカー等は無いため、貴重品は番台に預ける。
またシャワー付カランやアメニティも無い。
所在地 宮城県大崎市鳴子温泉新屋敷78-3 電 話 0229-83-2117
入浴料 500円 営業時間 10時~16時
定休日 無休
泉 質 含硫黄―ナトリウム・炭酸水素塩・炭酸塩泉(硫化水素型)(低張性中性高温泉)
源泉名 西多賀の湯1号泉 源泉温度 60.5度
湧出量 ? PH値 6.6
知覚等 黄褐色、硫化水素臭
玄関 脱衣所 内風呂 内風呂湯口
・東多賀の湯
西多賀旅館の隣にあり、同じ鄙び系の旅館である。浴室は下半分は木造で共同浴場的風情があった。
湯色は西多賀と違い綺麗な乳白色であったが、匂いは西多賀同様硫黄臭があった。浴槽は上部は木製で、
底はコンクリート造りである。浴室には洗い場が無かった。設備等は西多賀同様であり、脱衣所も同じであ
った。西多賀旅館とは隣接しているにも関わらず湯色が違うのは驚きである。
所在地 宮城県大崎市鳴子温泉新屋敷160 電 話 0229-83-3133
入浴料 500円 営業時間 10時~15時
定休日 無休 源泉名 東多賀の湯1号泉
泉 質 含硫黄―ナトリウム・カルシウム―硫酸塩・炭酸水素泉(硫化水素型)(低張性弱酸性高温泉)
源泉温度 50.2度 使用位置温度 43度
PH値 5.4
外観 男女湯暖簾 脱衣所 内風呂
・福の湯
鳴子温泉郷には珍しい日帰り温泉施設、温泉街からかなり離れており、鳴子大橋を渡った左岸にある。
建物は立派なコンクリート造りで、浴室は1階にある。源泉は2本あり、夫々内風呂2ヶ所と露天風呂1ヶ所
に利用している。但し冬季は露天風呂は営業を中止しているようである。内風呂は湯治の湯と称する大浴
場と炭酸泉使用の小浴槽である。大浴場は十数人が入れる広さで、壁際に3本の打たせ湯がある。湯温は
少し熱め、浴槽の床は温泉の成分の影響のためか黒ずんでいた。炭酸風呂の小浴槽は長方形で3~4人
用と狭い。ただ炭酸風呂特有の泡はほどんと無いが、少し金気臭が感じられた。また湯温は温めで長湯が
出来る。湯色は両者とも無色透明であり、温泉の利用状況は大浴場は加水と加温無、循環あり、消毒剤の
注入有、小浴槽は加水と加温無、循環濾過器は使用していないが消毒剤は使用している。
所在地 宮城県大崎市鳴子温泉末沢西16-9 電 話 0229-81-1570
入浴料 500円(入浴のみ) 営業時間 10時~20時
定休日 第三木曜 源泉名 1.大畑1号泉 2.末沢1号泉
泉 質 1.含二酸化炭素―カルシウム・ナトリウム―炭酸水素塩泉(低張性中性温泉)
2.ナトリウム・カルシウム―炭酸水素塩・硫酸塩泉(低張性中性高温泉)
源泉温度 1.38.3度 2.58.7度 使用位置温度 1.37.1度 2.51.4度
備 考 1.炭酸泉風呂(小浴槽) 2.湯治の湯(大浴槽)
外 観 男湯暖簾 脱衣所 大浴場
炭酸風呂
・ホテル亀屋(宿泊)
鳴子温泉の入口近くにあるホテルで、ここに宿泊した。浴室は1階と6階の2ヵ所に分かれている。1階
には内風呂と建物の軒下にある露天風呂が、6階には展望風呂と称する大浴場がある。1階の露天風呂
の前面は陸羽東線の高架になっており、入浴しながら電車の走行が見られる。湯は適温、少し黒っぽい湯
色、微かに硫黄臭がある。また内風呂も同様であり、両湯とも加水有の掛け流しである。展望風呂は眺めが
良く、雪化粧の山々が望めた。湯は循環装置使用で適温、微かに硫黄臭有である。
所在地 宮城県大崎市鳴子温泉字車湯54-6 電 話 0229-83-2211
入浴料 600円 営業時間 12時30分~15時
定休日 無 休 源泉名 含食塩―重曹泉(中性)
泉 質 ナトリウム―炭酸水素塩・塩化物泉
源泉温度 78.2度
玄関 展望風呂 展望風呂洗い場 展望風呂脱衣所
1階内風呂 1階露天風呂前面 1階露天風呂
2月27日(水)
・東鳴子温泉「勘七湯」
陸羽東線「鳴子御殿湯駅」から徒歩数分と、駅から歩いて行ける旅館である。浴槽は3ヶ所あるが、
浴室が分れているため移動する際には一旦着替えなければならない煩わしさがある。人気は不老泉と称
する浴槽がある小浴室のようである。浴槽は全面タイル貼り、2~3人用と狭い。湯は無色透明、適温、微
かにナフタリンのような匂いがある。湯口は析出物で黒ずんでおり、いかにも効用がありそうな感じである。
脱衣所の壁には源泉100%掛け流しで毎日清掃と掲示されていた。浴室にはシャワー付カランが一ヶ所
あり、シャンプーが備えられていた。一方もう一ヶ所の浴室には大小二つの浴槽があり、右側の小浴槽が
熱め、左側の大浴槽が適温である。不老泉浴槽との違いは、源泉温度が高いため10%程度の加水有の
みで、他は不老泉同様の加温無循環濾過装置と消毒剤の注入無である。
所在地 宮城県大崎市鳴子温泉字赤湯18 電 話 0229-83-3038
入浴料 500円 営業時間 9時~18時
定休日 無休
源 泉 1. 2.新井2、3号泉と唐竹沢源泉の混合泉
泉 質 1.ナトリウム―炭酸水素塩泉(低張性中性高温泉)
2.ナトリウム―炭酸水素塩・塩化物・硫酸塩泉(低張性弱アルカリ性高温泉)
源泉温度 1.51.5度 2.74.6度 使用位置温度 1.45.8度 2.
PH値 ①6.8 ②8.0
備 考 1.不老泉風呂(小浴槽) 2.大浴槽
外観 泉質等案内板 不老風呂 大浴場湯口
大浴場
・東鳴子温泉「高友旅館」
「鳴子御殿湯駅」からは少し離れているが、10分位で歩いていける。ここは黒湯で有名な旅館である。
浴槽は他にあるのかも知れないが、筆者が入った浴槽は黒湯の入っている変形ひょうたん型の浴槽のみ
であった。同じ浴室にプール浴槽と称するやや大き目の浴槽があったが、冬季は閉鎖と脱衣所に掲示され
ていた。黒湯は凄く熱くて1、2分しか入れなかった。恐らく46,7度位ではないかと推測される。浴槽から上
がったら体中が真っ赤になっていた。湯は真っ黒というよりは薄い墨色、さらに強烈な石油臭が感じられた。
浴室には二ヶ所のシャワー付カランとシャンプーがあった。正に個性的な湯であり、好き嫌いのはっきりする
湯でもある。
所在地 宮城県大崎市鳴子温泉鷲ノ巣90 電 話 0229-83-3170
入浴料 500円 営業時間 10時~16時
定休日 無休 源泉名 幸の湯
泉 質 含硫黄―ナトリウム―炭酸水素塩泉(硫化水素型)(低張性中性高温泉)
源泉温度 57.8度 使用位置温度 58.9度
PH値 6.7
外観 脱衣所 洗い場 プール内風呂
内風呂
・馬場温泉
駅からかなり離れているが、健脚の人には歩いて行ける距離である。国道47号線沿いにあり、数年
前に一度訪問したが、その時には休みで入れなかった温泉である。ここは地元の人には評判の良い温泉
であり、別棟の共同浴場と宿併設の本館温泉施設と二ヶ所あり、前者には地元住民以外でも入ることが出
来る。泉質は両者とも同じであるが、湯質的には共同浴場の方が勝っていると感じた。湯はかなり濃いヨー
ド色スベスベ感もかなりあった。湯温は適温の日帰り温泉施設よりも、共同浴場の方がかなり熱かった。ま
た共同浴場は浴槽がコンクリート造りで、2人も入れば満員となる狭さである。また入口に入浴中の札を掲
げておけば、他のお客は入らず貸切風呂となる。設備、アメニティは日帰り温泉施設では全て揃っているが、
共同浴場には脱衣所に棚と籠があるのみである。
所在地 宮城県大崎市鳴子温泉字馬場102 電 話 0229-83-3378
入浴料 400円(日帰り)、200円(共同浴場) 営業時間 11時~15時
定休日 無 休
源泉名 1.宿併設温泉施設 馬場の湯2号泉 2.共同浴場 馬場の湯1号泉
泉 質 ナトリウム―炭酸水素塩泉(低張性中性高温泉)
源泉温度 1.47.1度 2.47.2度 使用位置温度 1. 40.0度 2.42度
PH値 1. 7.0 2. 6.8
本館外観 本館脱衣所 共同浴場内風呂 共同浴場外観
本館内風呂
2月28日(木)
・遠刈田温泉共同浴場「壽の湯」
前回蔵王温泉からの帰途当温泉に立ち寄った際に同じ共同浴場の「神の湯」には入湯したが、時間
の都合で「壽の湯」には入湯出来なかった。今回やっと念願が叶い入湯出来た。建物の外観は神の湯と
同様重厚な純和風の木造で風情がある。番台には常時管理人がいる。脱衣所には棚と籠のみであるが、
100円返却式の貴重品ボックスがある。浴槽はタイル貼り、長方形の内風呂のみで、7~8人は十分に入
れる広さである。湯は無色透明、かなり金気臭がある。また湯温はかなり熱く45度前後と思われる。温泉
の利用状況は、源泉温度が高いため加水のみ有りの掛け流しである。洗い場には温冷二口の蛇口がある
のみで、シャンプー等のアメニティは無い。浴室の床は析出物で焦げ茶色に変色している部分があった。
また脱衣所内にはトイレがあり、建物の前に駐車場がある。
所在地 宮城県刈田郡蔵王町遠刈田温泉旭町34 電 話 0224-34-1990
入浴料 300円 営業時間 5時~8時、9時30分~22時
定休日 無休 源泉名 遠刈田7号泉
泉 質 ナトリウム・カルシウム―硫酸塩・塩化物泉(低張性中性高温泉)
源泉温度 68.7度 使用位置温度 44.7度
PH値 7.6
外観 内風呂 脱衣所
・湯の里
隣接の旅館三治郎が経営する日帰り温泉施設のようであり、湯は壽の湯と同じ源泉を利用している。
建物は高台にあるため内風呂からも露天風呂からも眺めは良く、遠刈田温泉街を一望出来る。「山里の湯」
と称する内風呂はタイル貼りの長方形で窓際にあり、湯は薄茶色、十数人が入れる広さ、湯温は適温、「滝
見の湯」と称する露天風呂は屋根付、正方形、数人用と狭い、湯色は内風呂と同じ、湯温はかなり熱いが壽
の湯よりは少し低めである。又設備、アメニティ等は全て揃っている。温泉の利用状況は壽の湯同様加水の
みありの掛け流しであるが、湯色が薄茶色なのは浴槽注入までの時間の経過のためなのかと思われる。
所在地 宮城県刈田郡蔵王町遠刈田温泉旭町34 電 話 0224-34-2216
入浴料 300円 営業時間 10時~20時
定休日 第二、第四水曜 源泉名 遠刈田7号泉
泉 質 ナトリウム・カルシウム―硫酸塩・塩化物泉(低張性中性高温泉)
源泉温度 68.7度 使用位置温度 44.3度(但し露天は45.9度)
PH値 7.6
玄 関 内風呂 脱衣所
・ゆと森倶楽部(宿泊)
温泉街からかなり離れており、周囲を木々に囲まれた閑静な場所にある。ホテルなので設備、アメニ
ティ等は万全である。浴室は二ヶ所あり、主浴室は建物内の一階にある大浴場と露天風呂、もう一ヶ所
は建物から歩いて数分程離れた川岸にある渓流露天風呂である。主浴室には大浴場の内風呂と岩風
呂風造りの露天風呂がある。川岸の渓流露天風呂はタイル貼りの円形で、眼前に清流、周りをうっそう
とした針葉樹林に囲まれ心身のリフレッシュが出来る。湯は全ての浴槽が同じ源泉を使用しているため
無色透明、適温、個性の無い湯であった。温泉の利用状況は一階の大浴場と露天風呂は加水と加温有、
循環濾過装置使用、消毒剤使用であるが、カルキ臭はほどんと感じられなかった。また渓流露天風呂は
加水と消毒有、加温無と循環装置の使用無である。
所在地 宮城県刈田郡蔵王町遠刈田温泉旭町34 電 話 0224-34-2216
入浴料 800円(土、日、祝日は1000円) 営業時間 12時30分~19時
定休日 無 休
源泉名 1.一階浴室 蔵王の湯1号泉 2.渓流露天風呂 蔵王の湯1号泉
泉 質 ナトリウム・カルシウム―硫酸塩・塩化物泉(低張性中性高温泉)
源泉温度 1. 93.2度 2. 72.1度
使用位置温度 1. 46.2度 2. 50.9度
PH値 7.1
内風呂洗い場 露天風呂 渓流露天風呂 渓流露天風呂前面
内風呂
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