映画愛、映画館愛に溢れていた。
こういうのを観ると「いやぁ、映画って本当にいいもんですね」って言いたくなる。
映画館で観なかったら後悔しただろうと思ったのは「カメラを止めるな!」以来。
福島県南相馬市の映画館「朝日座」は築100年の映画館。客足が遠のいたので取り壊すことになった。
それを阻止しようと東京からやってきた女(高畑充希)と、閉館はやむを得ないと諦めている映画館の支配人(柳家喬太郎)。
少しずつ支配人の気持ちが変わって存続のために二人で奮闘するが・・・・。
という話。
柳家喬太郎師匠は監督から「台詞はざっくりでいいですから」「要はこういうことを言ってますって感じでいいんで」と言われたらしいが、確かに自然な感じでいい。
高畑充希の演技しない演技もいいし、甲本雅裕の木訥とした雰囲気もいいし、なんといっても大久保佳代子の「本人そのまんま」な感じが素晴らしかった。
映画の終盤「正しさだけでは割り切れないんだよな」という台詞があって、「そうだよなぁ」って思った。
歩道でギターの弾き語りをしている人に対し「それは道路交通法違反だからやめなさい」というのは正しいし、
サンキューハザードを出した人に「それはハザードランプの本来の使い方ではないからやめなさい」と指摘するのも正しいし、
「バンクシーの絵は落書きだから消す。そして被害届を出す」というのも正しいんだろう。
しかし正しさだけの世の中、小さな嘘を認めない世の中、発言から真意を汲み取らず、正義をかざして批判する世の中は暮らしにくいと思うぞ。
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