イニシエーション・ラブ (文春文庫) | |
乾くるみ | |
文藝春秋 |
「最後から二行目で、本書は全く違った物語に変貌する」って本の後ろに書かれていたようで(Kindleで読んだので定かではない)、確かにずっと青春小説のような雰囲気だったのが、最後の最後に一気に別のものに変貌する。
騙されましたよ。性格が素直で、単純なので。
よくよく見てみればあっちこっちにトリックが仕掛けられていたわけだが、見抜けませんでした。真正直なので。
この小説に関しては映画「シックス・センス」と同様、絶対にネタを明かしてはいけない。
いろいろ批判はあるようだが結構面白いし、「必ず2回読みたくなる」と絶賛されたいただけのことはあると思った。
今読み終わったが、もう一度読み返してみようと思う。
読んでもカラクリが分からなかった方には素晴らしい解説サイトがあります。
イニシエーション・ラブ解説サイト「ゴンザの園」
最後に、印象に残った文章。
「ーーだいたい頭が良いっていうけど、それって単に学校の成績が良かったっていうだけのことでしょ。今の詰め込み式の教育についていけたってことは、それだけーー素直って言えば聞こえはいいけど、そうじゃなくて、親の言うこととか、先生の言うこととかに素直に従ったってことで、 それって逆に言えば、本人の自立心とかがそれだけ育たなかったってことにならない?どこの大学に入ってたとか、そういうこととは全然無関係だと私は思ってるし。・・・・・」(石丸さんが鈴木に)