目指せ!ゼロウエイストな暮らし

モノを減らして、ゼロウエイスト。田舎でイラスト描いて暮らしています。

麦飯まつりで奉納された文弥人形をみてきました

2011年07月16日 | 佐渡だいすきネタ



「夏だ!まつりだ!文弥人形だ!」

息子とダンナの脳内はきっと、こんな雰囲気のフレーズがうずまいていることでしょう。

文弥人形という、歴史は古いが前途が開けているとは言いがたい、
素朴で美しく、佐渡の土の匂いを感じさせてくれる愛おしき伝統芸能。

その観劇に、飽くなき探求と情熱を傾けている(と私には見える)ダンナと息子。

この日も、
地元の人にしか知られていない
文弥人形奉納の情報を得てきました。
(島内イベントカレンダーにも載っていませんでした。もちろん私も知らない。)



日は7月15日。夜の7時半より。
真野新町にある大神宮での奉納です。





歴史を感じさせる立派な神社の中に設置された文弥人形の舞台は、
大昔から毎年上演されている雰囲気を感じさせるおごそかなものがありました。
床にはゴザではなく、畳がしかれています。





こうした祭礼の時に、建物の板壁を、窓のようにあけはなすことのできるこちらの神社の建築構造。
網戸もなく、ふきっさらし状態なのに、蚊はほとんど入らずに、
涼しい風だけが入ってきて、素晴らしい観劇環境でした。







演目の「天神記」は菅原伝授手習鏡の元になった話。
地元の「真明座」さんによるものでしたが、座長さんの解説によると、

他の演目に比べると、「きったはった」が少なく、
演じるのが難しい
演目なのだとか。


そして、登場人物が大変多いので、一人で何役も演じなくてはいけない、という
難しさもあるとおっしゃっていました。

確かに観劇していると、


一人の人が、二人の人形を持って動きの少ない舞台を演じたり、
80代のお母さんがすばやく、自分の人形を別の人に渡して、
さっと拍子木を打ち、幕締めをやりにいったり
とその様子がうかがえました。


プロの文楽の方にとっては「信じられない」ものなのだそうですが、
私には、これこそ現代の佐渡の文弥人形の魅力に見えました。






涼しい夏風が吹いていたにも関わらず、
全員が汗ぐっしょりの素晴らしい文弥人形を見せてくれました。




1時間以上もある演目を、普段ならもう眠っている時間であるにも関わらず、
目をまんまるに開けて、食い入るように見つめ、
最後には自ら拍手もした息子に
終演後、地元の人が幾人も「えらかったねえ」と頭をなでにきてくれました。


聞くと、宮司さんの娘さんと言われるその方に
「こんなにいい子で見ている子供さんははじめてです」と言われ、かなりちょっと嬉しかった私。

「息子は文弥人形を見るのが好きでして」と答えたら
「文弥人形に縁(ゆかり)のあるお家柄なのですか?」などと、
とても高貴な聞き方をされて、どぎまぎしてしまいました。




演目の最中に、にぎり飯とお茶が、お祭りの役のお父さんから一人ひとりに
手渡され、観劇しながらいただきました。
見ると、握り飯の中に麦が入っていて、何かいわれがあるのかしら、と
思っていたら、

このお祭り自体が「麦飯まつり」と呼ばれるお祭りなのだそうです。
(祭りの名前すら知らずに観劇していた不心得者)
真野新町には、かつて田んぼがなく、麦畑が広がっていたそうで、
その収穫期にあわせて作られた祭りだそうです。
麦の収穫期は6~7月。おそらく旧暦にあわせたものなのでしょうね。


固くしっかりと握られたおむすびに、ほんのりと日本のお祭りらしい
素朴さを感じられて嬉しかったです。

観劇者は、地元の人を入れておおよそ20人程度。

素敵な、というには少し大げさな、
あえて言うなら日本人らしい、佐渡人らしい夜を過ごせたような気がした夏の夜でした。






地元のおばあちゃんが足をのばして観劇する、そんな風景っていいですよね。
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2 コメント

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Unknown (Yuhoくんへ)
2011-07-22 18:45:37
コメントありがとうございます。
是非文弥があるときにおいでくださいませ。きっとよい夜が過ごせることでしょう。
友人さんはとても素敵なカップルでした。色々もっとお話したかったです。また来てくださることを切に願っております。
返信する
Unknown (Yuho)
2011-07-21 11:34:18
素晴らしいレポート、ありがとうございます。今度は是非このような催しに参加してみたいです。あと、佐渡に訪れた僕の友人をお世話してくださり、ありがとうございました。とても感動したようです。遠く離れた友人同士がつながる出来事に軽い感動を覚えました。
返信する

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