杉浦日向子の江戸塾 (PHP文庫)からの受け売りの続編。
江戸の女性は、渋めの柄が好みだったという。
上方は、「纏(まとっ)ていく文化
= 次から次へときれいなものを重ね着する文化」であるという。
これにひきかえ、江戸の文化は、
「省略していく文化」だという。
言い換えれば、すぐに大火で焼け出されるので、
極力物を持たないようにしたのだという。
「垢抜ける」ではなくて「赤ぬける」という表現を用いていた。
赤は女の最後の「決め色」、
いつもは赤なしで勝負することを「赤ぬける」言うのだそうである。
江戸の女性は、今日こそはというときに、
初めて、赤い紅をつけ、赤い下着で挑むというのである。
さぞかし、江戸の男は、たじたじとなったことであろう。
一度でいいから、こんな目にあってみたいのだが、
寅さん「もどき」では、到底望むべきもなさそうである。