遺伝子工学の権威村上和雄先生は、
海外でのニックネームが、
“ドクター三万五千頭”と言うのだそうである。
1986年、世界に先駆けて
高血圧の黒幕酵素「レニン」の遺伝子解読に成功し、
一躍世界的な業績をあげ注目されたのであった。
研究室の大学院生達が、
早朝から梅干大の牛の脳下垂体の皮むき作業を行い、
三万五千頭分を処理し、
僅か0.5mgr(1万分の5グラム)のレニンを抽出したのである。
この種の作業は、日本人特有の粘り強さがないと無理であったろうが、
先生はこうもおっしゃっていた。
「絶対に出来るという、直感があったから、数百頭から始め、これではまったく抽出できず。
さらに数千頭でも駄目、それでも諦めず、
さらにさらに3万五千頭まで皮むきをした」とのこと。
偉大な発見・発明は、常識を超えた、
“そんな馬鹿な”・“とんでもない”
と非難されるような発想・行動なくしては、達成できない。
その原動力となるのが、直感的からくる
「絶対に出来る」という、“思い込み“である。
小生の場合には、“ちゃらんぽらんなら出来る”ということで、
色々なことにちょっかいを出しているが、
「絶対に出来る」という、
“思い込み“に何時なるのか、判らない悩みがある。