冬の寒さも戻った先週の金曜日、ウォーキング仲間と玉川上水の最終ポイントを目指して、
京王線下高井戸駅から終点四谷大木戸までを歩いてきました。
玉川上水は、徳川の時代に多摩川上流の羽村の取水口から四谷大木戸までの約43キロの水路が引かれ、
江戸に暮らす人々の飲み水や防火用水、農業用水として活用されていたと言われています。
私たちは月一度のウォーキングで、43キロを歩き通したことになりますが、露天掘りのために(現在でこそ
都内の一部は暗渠となっていますが)気持ちのいいウォーキングコースを歩くことができました。
玉川上水のスタート地点羽村取水堰(2015年3月)
最終日のスタート地点は下高井戸橋。甲州街道とほぼ並行に水路はコンクリート下を通ります。
京王線代田橋駅付近から、甲州街道を離れ、細い水路が顔を出しましたがほとんど水の流れがありません。
レンガの水路壁面に当時の面影があります。
水路に沿って、緑地帯と細長い玉川上水公園が続きます。
子供たちの絵からイメージしたゆずり橋は、アーチ橋、窓のある橋とアイデアが取り入れられていました。
水路が埋められ、公園として整備された場所もあれば、水路の景観を留めている場所もあります。
高層ビルが迫ってくるといよいよ都心に入ってきました。
玉川上水が流れていたことを現在に伝える文化学園前のモニュメント
そこには、「明治時代に新宿駅構内の地下に設けられた、玉川上水の煉瓦造りの暗渠(あんきょ)をモチーフとし、
当時の煉瓦を一部使用した原寸大で再現したもの」と説明がありました。
玉川上水の終点「四谷大木戸跡碑」
喧騒とした山手線を越えて、新宿駅南口から新宿御苑を目指します。
新宿御苑の北東側に玉川上水跡地があり、散策路が続いています。
この北東の角近くに玉川上水水番所跡があり、玉川上水の終点です。
上水はここから江戸市中に供給されたことになります。
それにしても、この43キロを工事8ヵ月で完成したというのはまさに驚きです。
歩き終えて、この玉川上水が現代の貴重な土木遺産であることをあらためて考え直す機会となりました。