2004年5月に、東京日本橋を出発し、京都三条大橋までの492キロにわたる東海道五十三次の街道を完歩したのは、2008年6月でした。
それ以来、京都まで出かけることはあまりなかったのですが、昨年10月に亡くなった母の納骨のために、久々に新幹線で京都に行きました。新横浜~京都間は2時間あまり、足で確かめた相模、駿河、近江の国はあっという間に通過してしまいました。
この近くて遠い地、関西に私の父母は終の棲家をもとめて移り、20年前に亡くなった父が一人、この地に眠っています。父亡き後、母は私の近くに住んでいたのですが、「みんなと遠く離れても、父の眠る場所に入れてほしい」という母のたっての希望どおり、20年ぶりに父のもとに届けることになりました。
墓前に広がる大きな空と遠くに連なる山並み、この風景を脳裏にしっかり留め、しばしの別れを惜しみました。
帰りの新幹線は、雪景色の米原を通過する頃雪が激しく舞い、静岡の富士川あたりからは見事な夕映えの富士山を眺め、その移り変わる車窓にあらためて両親が眠る関西との距離を感じたのでした。