一昨日、お天気も上々 前から行きたいと思っていた「鎌倉七切通し」のひとつ、名越切通しを通る「衣張山ハイキングコース」を歩いてみました。
JR鎌倉駅東口から、日蓮上人ゆかりの寺院が集まる本覚寺、常栄寺(別名ぼたもち寺)、妙法寺を経て逗子方面に向かいます。
途中の安養院は生垣から山門、境内に至るまでツツジが咲き誇り、鎌倉のツツジ寺と言われているだけに、寺院がすっぽり大紫ツツジで覆われているようでした。境内には大小二つの宝篋印塔があり、一つは北条政子の供養塔がありました。
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さらに街道を進むと日蓮上人がここで「立正安国論」を書いたといわれる安国論寺があり、深い山の懐にある草庵、さらに度重なる法難を受けて避難したと言われる窟が裏山に残っていました。この裏山は巡礼路として尾根道を一巡りしてくることができます。リスが突然の人影にびっくりしたのか、木の枝から枝へと飛び移っていました。
この安国論寺の近くに妙法寺があり、ここでも日蓮上人が草庵を結んだと記録に残っているそうです。ここは鎌倉の苔寺として名の知られているところですが、この季節、苔むした石段の両側にはシャガの白い花がしっとりと映えて、静寂さをより際立たせていました。
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名越の切り通しは、JR横須賀線のトンネルの真上にあり、この名越坂踏切あたりから、道は急に細くなり、道の片方が深く切り立った崖になり急に山道らしくなります。この「名越」の名は「難越」から転じたともいわれるほど、当時はここを越えることはたいへんな思いをしたことでしょう。ただ、庚申塔や石地蔵などがあり、昔ここが鎌倉に入る古道であったことがわかります。
藤が、蔓を近くの樹に撒きながらてっぺんまで登りつめて見事に咲き、鮮やかなレンガ色の山ツツジも咲いていました。
馬の侵入を防ぐものでしょうか。大きな石が道の真ん中にありました。ほどなく、大きな岩を割ったような「名越の切り通し」に到着しました。このあたりには曼荼羅堂があったと伝えられ、一帯にはやぐらや五輪塔があるようです。毎年11月末から12月始めにかけて臨時に公開されるようで、是非また訪れてみたいものです。
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ここで休憩を取った後、尾根道を歩いていくと衣張山の山頂に出ます。山頂はとても見晴らしがよく、ここ鎌倉が、三方が山に囲まれ、南を海に囲まれた地形であることがよくわかります。ここからの富士山は見事な姿をみることができるようですが、霞みのかかった春の空からはその姿はみることができませんでした。
ここでお弁当を食べて、暖かい陽射しにすっかり気持ちよくなってしまいました。
下りは、鎌倉最古のお寺杉本寺へ続く巡礼古道に続きますが、今回は時間の都合でパスして、若宮大路を経て鎌倉駅にでました。
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全行程5時間は、ふだんの運動不足には少々こたえたハイキングとなりました。