暖かい春の陽気に、さくらの便りもいよいよ届きそうです。
雲の間に、花茎を隠していた庭の雲間草(クモマグサ)が、この陽気にぐーんと花茎を伸ばし、
元気な顔が揃いました。
NY在住の長男家族がビザ更新で一時帰国、成田空港まで迎えに行ってきました。
賑やかなちびっ子たちに、わが家にも春の使者たちがやってきました。
例年よりも19日遅く今日、強い南風とともに春一番が吹き荒れ、待ちわびた春は穏やかな陽光とともにというよりは、
いきなり強い陽射しをともなってやってきた感じがあります。高知市では桜(ソメイヨシノ)が開花しました。
桜の便りも届きそうな陽気になりましたが、昨日は、早春から咲き続けている息の長い梅の花を、湯河原の幕山梅林
まで観に行ってきました。
実は、2月に行くつもりだったのですが、あの大雪の後だったためにで断念し、昨日リベンジとなりました。
湯河原の駅から緩やかな登りを1時間ほど歩くと、幕山のふもと湯河原梅林公園に着きます。2月から3月にかけて、
この一帯はおよそ4000本の紅梅・白梅が咲き、すでに見頃は過ぎていても十分に見応えのあるものでした。
幕山は標高626m、その山麓斜面に梅林があり、春の空気に溶け込むように山全体が薄っすら白みがかって見えます。
幕山の梅が魅力的なのはその借景でしょうか。大きな岩肌(ロッククライミングの名所)が、梅の花の間から見え隠れし、
周りは山が連なり、その山の懐に抱かれるように梅林があります。
山の中腹まで続く梅林を過ぎると、山頂に向けて登山道に入りますが、足元にはスミレの花も顔を出して、
カヤトの中をすすむと芝生の山頂に着くことができます。眼下には真鶴半島がみえました。
私は、この1時間半の登りに日頃の運動不足が応えたのか、すっかりヘトヘトになってしまいました。反省!
3月も1週間が過ぎ、相変わらず外は冷たい風が吹いて、家の中では冬と変らない暖をとり、
なかなか冬籠りから抜け出せない日が続いていました。
2月の庭仕事、枝の剪定と土おこしが大雪のため出来ずに3月を迎えてしまったので、
今日は思い切って庭に出てみました。
思ったより陽射しは暖かく、落葉とともにあらわになっていた木々の枝にも新芽が息吹き、
土のぬくもりが、チューリップやユリなど球根を芽吹かせ、宿根草の新しい芽が出始めていました。
春は近づき、生物の営みの確かさをこの小さな庭でも実感することができました。
庭の花たちも待ちわびた春の訪れを告げています。
クロッカスも仲良く並んで顔を出し、厳しい寒さに耐えた多肉の紅葉はいっそう鮮やか
柊南天の小花が重なり合って咲き、沈丁花の香りは春の空気をくすぐります。
童話「ぐりとぐら」が誕生して50年、それを記念した「誕生50周年記念ぐりとぐら展」が開催されると聞いて、
とてもなつかしく銀座の松屋まででかけてみました。
『ぐりとぐら』は中川李枝子さんの文章と妹の山脇百合子さんの挿し絵による、森の中の野ネズミ2匹が繰り広げる
楽しいおはなし。
子供たちが幼かった頃、この絵本が大好きで、まだ字が読めない頃は読み聞かせ、ひらがなが読める頃には
もうページをめくる手が行ったり来たり、どれほど楽しいひとときだったことでしょうか。
家にたくさんあった中川李枝子さんの童話も、それぞれ子供たちや孫の手元で読み継がれ、手元にこの3冊だけが
残りました。
あの頃、楽しそうな子供の横顔を見ながら読んだ「ぐりとぐら」も、ひとりでもう一度読んでみるとそのストーリーは
さることながら、挿絵の愛らしさに思わず見入ってしまいました。
赤と青のつなぎと帽子がトレードマーク、ぐりとぐらが、大きなフライパンで作るふんわり黄色いカステラ。
ライオンやゾウや小鳥たち森の動物たちとみんなで仲良く食べるシーンは、ほんとうにおいしそう!
甘い香りが漂ってきそうです。
「ぐりとぐらのかいすいよく」は、しんじゅ・とうだいの番人うみぼうずが、灯台の真珠のランプを岩の間の穴に
落としてしまい、ぐりとぐらが真珠を取ってきてあげるというおはなし、しましまの水着がまたおしゃれで可愛い!
シリーズの中では比較的新しい「ぐりとぐらのおおそうじ」
ぐりとぐらが楽しいことをはじめると、森の仲間たちが必ず集まってきます。
お揃いのベストを着ています。
しばらく遠ざかっていた「ぐりとぐら」の世界、久しぶりに幸せな時間に浸りました。