オレンジと黄色の花の色は、金蓮花という名にふさわしいほどに輝いて見えますが、葉の色が少しモスグリーンかかっているので、この鮮やかな花の色を少し柔らかい雰囲気にしています。一年草なので昨年の種がこぼれたものでしょう。昨年と同じ場所にしっかり今年も咲きました。つる性なので、ハンギングでこんもりとした形に仕立てていくと、園芸店の店先にあるような「ナスタチウム」という名前で少しヨソユキな雰囲気になります。我家の場合は自然児状態だったために、花は巨大化し、枝先はサツキに覆いかぶさり、なんとも自由奔放に只今生育中です。
昨年は、すっかりアリンコやらナメクジに、ワイルドストロベリーの甘い実を提供してしまったので、今年はワイルドストロベリーの籠を梅の木の枝に吊るしておいたら、かわいい赤い実をたくさんつけました。実ができると願い事が叶い、幸運や奇跡を呼ぶと言われていますが、我家の身辺では、まだ特に変わったことはありません。このワイルドストロベリーは、栽培種と違って、野生種では「ヘビイチゴ」と言われているもので、口に含むと子供の頃、野原で摘んで口にした、あの感触が思い出されます。
友人からもらった鉢物に一緒にくっついてきた「ユキノシタ」、地面に下ろしたら、玄関脇ですっかり増えました。あまり目立たない花だと思っていたのですが、デジカメを通して見たら、なんとその「繊細な細工」にびっくり!なんてよくできているのでしょう。時に、花の形はその自然が作り出す造形の見事さに、思わず感心することがあります。
ユキノシタの花は5弁ですが、下の2枚が大きく、その下がった2枚にバランスを取るように、上の3枚があります。この3枚には赤紫色の模様がついていて、そして2本の雄しべが上に向かって伸びています。この豊かな花の表情に、楽しい童話の中に入り込んだようなそんな不思議な世界が広がります。
ユキノシタの花は5弁ですが、下の2枚が大きく、その下がった2枚にバランスを取るように、上の3枚があります。この3枚には赤紫色の模様がついていて、そして2本の雄しべが上に向かって伸びています。この豊かな花の表情に、楽しい童話の中に入り込んだようなそんな不思議な世界が広がります。
子供の頃、庭先や野原にあった植物が私にとってはすべてでした。小学生の夏休み、父親に連れて行ってもらった三ツ峠で始めて庭先や野原に咲いていない花に出会いました。それがマツムシ草で、三ツ峠の頂上は一面マツムシ草の草原で、とても感激したことを覚えています。この始めて憶えたマツムシ草の名前は忘れることもなく、すっかり大人になってから懐かしく登った三ツ峠の頂上には、テレビ塔の下にわずかにマツムシ草の群生が残っているだけでした。近年、園芸店でみかける「スカビオサ」は、このマツムシ草の園芸種で、開花も春から初夏にかけて咲き、丈夫で宿根なので毎年咲いて楽しませてくれます。そして、あの子供の頃みたマツムシ草の草原を懐かしくしく思い立たせてくれます。
今年も株がひと回り大きくなってエビネラン(地エビネ)が満開を迎えました。数年前友人の大磯の山荘から分けてもらいました。元々は山野草の仲間で、フカフカの腐葉土の中でひっそりと咲くはずが・・・ある時混み入った庭に移植され、いろんな花と共存させられ少し気の毒でしたが、そこは山野草の強いところ、立派に花が咲いてくれました。茶褐色の花の色といい、その姿といい、素朴な印象ですが、茎は太くまっすぐに伸び、花茎に整然と並んで花をつけ、その存在感は確かなものです。以前、エビネブームで山野のエビネが根こそぎ取られてしまったという話を聞いたことがあります。すっかり庭で見ることができるようになったエビネですが、肝心の山野で見る事ができなくなったら悲しいことだと思いますが。
飛行機がウィーン国際空港に高度を下げ始めると、下界に黄色と緑のパッチワークが一面に広がっているのが見えてきました。飛行機が近づいて黄色は菜の花畑であることを確認できたのですが・・・。中欧の都市から都市への移動のバスの車窓からは、どこを走っても菜の花の黄色の絨毯が広がります。なかには収穫が終えて刈り取られた畑もありましが。これが飛行機から見たパッチワークの正体、黄色の菜の花と収穫後の黒い土と点在する緑の森だったことがわかりました。この菜の花は、燃料とする菜種油をとるために栽培されていると聞きました。ガソリンに代わる燃料としてこの菜種油を使ったバイオディーゼルは、ヨーロッパでは急激に利用が増えているそうです。枯渇してしまう化石燃料と違って繰り返し生産のできる植物を利用するのは、今注目すべきエコロジーなのでしょう。